以前の記事で、高齢ドライバーの交通事故の件数は減ってきており、10万人当たり事故発生件数も少なくなっているということを書きました(詳しくは「高齢ドライバーの事故は減っている?」参照)。

 

その記事について、「高齢者の事故率が低くなっているのは分かりましたが、事故の種類(内訳)や、若者との比較は、どうなっているのか興味があります。」というようなコメントをいただきました。

 

そこで交通事故関係の統計を再度調べてみたところ、交通事故の件数以外にも死亡事故についての統計がありました。

 

下のグラフは、60歳以上の免許保有者の10万人当たり死亡事故件数の推移です。

 

資料出所:「平成27年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況について 」警察庁

 

10万人当たり交通事故件数と同様に過去10年は減少傾向にあり、平成27年は10年前に比べて約6割にまで減っています。

 

次に、若年層との比較を見てみたいと思います。平成27年の10万人当たり事故発生件数を年齢層別にしたものが、下のグラフです。

 

 

資料出所:「平成27年における交通事故の発生状況」警察庁

 

60歳代は若年層に比べても事故発生の割合は低くなっています。70歳以上になると、段々と事故発生件数が高くなっていきますが、85歳以上の事故発生割合は10代や20代よりも低くなっています。

 

10代や20代前半の若者の事故発生確率が非常に高いことが、グラフを見るとよく分かると思います。若者の事故発生率が高いのは、運転免許取得の経過年数が短いことが関係しています。死亡事故件数に限ると、全体の約4分の3が免許取得後1年未満のドライバーによるものです。

 

免許取得から間もないことから運転技術が未熟で十分な運転経験もないことに加え、若者はスピードを出し過ぎるなど無謀な運転をする人が少なくないことも、若者の事故発生割合の高さの要因となっていると考えられます。

 

次に、10万人当たり死亡事故発生件数を見てみましょう。

 

 

資料出所:「平成27年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況について 」警察庁

 

全交通事故に比べると、若年層よりも高齢者の事故発生の割合が高くなっていることが分かります。特に85歳以上のドライバーは10代のドライバーよりも死亡事故発生の割合が高くなっています。

 

これらの統計をみると、60歳から74歳までの年齢層では若年層に比べても事故を起こす割合は高くなく、75歳を超えると段々と高くなっているということが分かります。

 

また、75歳以上のドライバーは、交通事故を起こす割合は10代や20代の若者よりも低いが、交通事故を起こすと死亡事故のように重大な事故を起こしてしまう可能性が高いということになっています。

 

75歳以上のドライバーに対しては、運転能力や技術についてのチェックをより短い間隔(例えば毎年)で行うようにし、更に死亡事故のような重大な事故を防ぐような技術開発が必要だと思います。


 
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