最近、高齢ドライバーによる交通死亡事故が相次いでニュースで伝えられています。高齢ドライバーは交通事故以外でも高速道路を逆走するなど危険なケースが少なくないため、高齢者の運転を制限するべきだという意見も出てきているようです。

 

ここで、60歳以上のドライバーが交通事故に占める割合を見てみましょう。

 

 

資料出所:「平成27年における交通事故の発生状況」警察庁

 

60歳以上のドライバーの交通事故に占める割合は年々高くなってきており、平成17年には17.9%だったのが10年後の平成27年には26.9%となっています。高齢になると視野が狭くなったり、とっさの判断が鈍ったりとするなど、事故を起こす要因が増えてきますので、こういった数字を見ると高齢者の運転は危険だと感じてしまうと思います。

 

但し、交通事故に占める60歳以上のドライバーの割合が高くなったのは、運転免許を持っている60歳以上の人が増えたからという声もあります。そこで、60歳以上の人の免許保有者数を調べてみました。

 

資料出所:「運転免許統計」警察庁

 

平成17年には1,565万人だったのが、平成27年には2,414万人と1.5倍以上に増えています。同じ時期の全免許保有者数は、7,880万人から8,215万人と1.04倍しか増えていません。運転免許を保有している人に占める高齢者の割合が高くなっていますので、交通事故における高齢者の事故の割合が高くなるのは必然だと思います。

 

では、実際に60歳以上の人の交通事故の件数は増えているのでしょうか。それを確認するために、60歳以上の免許保有者の事故件数をグラフにしてみました。

 

 

資料出所:「平成27年における交通事故の発生状況」警察庁

 

平成22年までは増加傾向にありましたが、それ以後は年々60歳以上の免許保有者の交通事故件数は減ってきています。

 

更に、免許保有者10万人当たりの事故件数を見てみましょう。

 

 

資料出所:「平成27年における交通事故の発生状況」警察庁

 

こちらは過去10年減少していることが分かると思います。ただ、年齢層が高くなるほど事故率は高くなっています。一方で、85歳以上の事故率よりも、10代や20代の免許保有者の事故率の方が高くなっています。

 

このようなデータを見ると、単純に年齢だけで運転免許を制限するというのは少々乱暴な意見だと考えられます。

 

しかし、高齢になると判断力も含めた運転技術が落ちていくことは確かですし、認知症であれば尚更運転するのは危険になります。

 

現在は75歳以上の高齢者には、免許の更新時に記憶力や判断力の測定が実施されており、来年の3月からは特定の違反があった場合にも実施することになっています。

 

しかし、認知症は一年で症状がかなり進行することもありますから、一定の年齢以上のドライバーについては、一年ごとに運転技術の試験を行って、それをパスしないと免許を更新させないということも必要だと思います。

 

地方では車がないと生活ができないところもあり、高齢者だからといって制限をするべきではないという意見もありますが、車というのは使い方によっては非常に危険な凶器になり簡単に人を殺してしまうことにもなります。高齢者のことを考えるのであれば、危険な運転をする可能性がある高齢者を交通事故の加害者にさせないということも考慮するべきだと思います。

 
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