今日からニューヨークで、今年最後のグランドスラム大会の全米オープンが始まります。リオ五輪で銅メダルを獲得した錦織をはじめ、男子では西岡良仁、女子は土居美咲、奈良くるみ、日比野菜緒、大坂なおみが出場します。錦織は第6シード、土居は第30シードで初めてグランドスラム大会でシードとして出場します。

 

男子は、トップ10の選手のうちフェデラーとベルディヒが欠場します。優勝争いは、1シードのジョコビッチと第2シードのマレーの2強を中心となると思います。

 

但し、ジョコビッチは全仏を制覇して生涯グランドスラムを達成して、その後高いモチベーションを保てていないような感じがあり、左手首に痛みを抱えているようです。

 

マレーは全英とリオ五輪で優勝し、調子としてはジョコビッチよりも上の状態です。但し、先週の大会でも決勝まで戦うなど、ハードスケジュールによる体力的なダメージがどのくらいあるかがポイントになりそうです。

 

ジョコビッチとマレーを追うのが、ナダル、バブリンカ、錦織、ラオニッチ、チリッチです。ナダルは手首の故障明けのリオ五輪で、まずまずのプレーをしました。しかし、まだ以前のようなプレーには戻っていませんので、優勝となると少し難しいような気がします。

 

バブリンカは相変わらず好不調の波が大きく、先週のマスターズ1000の大会でも早期敗退しました。今大会も早い段階で負ける可能性もありますが、爆発力があるのでいきなり覚醒して勝ち上がってくることも考えられます。

 

ラオニッチは全豪でベスト4、全英で準優勝と、今年になってランキングを上げてきており、1月からの獲得ポイントではジョコビッチとマリーに次いで3位になっています。チリッチは先週マリーを決勝で破って、マスターズ1000の大会で初優勝を果たしました。マリーはリオ五輪の疲れが残っていたとはいえ、これは自信になっていると思います。

 

 

錦織は順当に勝ち上がると準々決勝でマリーと対戦する組み合わせになりました。ベスト4に進出するためには、準々決勝でジョコビッチとマリーとは当たらない組み合わせの方が良かったのですが、逆にそこまではあまり警戒する相手がいませんので、良いとも悪いとも言えない組み合わせと言えそうです。

 

4回戦までの中では、第21シードのイボ・カルロビッチが少し嫌な相手です。210センチの身長から撃ち落とす高速サーブが武器の選手で、ストロークの打ち合いに持ち込みたい錦織には非常にやっかいな相手です。

 

錦織については、リオ五輪で3位決定戦まで試合を行ったことで、過密日程の疲れが心配でした。しかし、その後のマスターズ1000の大会で早期敗退したことで、かえって体力的な心配が少なくなったような気がします。

 

錦織が勝ち進めるかどうかは、ストローク戦での攻めのショットとサーブがポイントとなります。ストローク戦で仕掛ける時やエースを取りに行った時にショットのミスが多くなれば、錦織には勝ち目がなくなってしまいます。

 

また、上位の選手に勝つためにはサービスゲームをしっかりとキープするために、サーブである程度ポイントを取ることが必要になってきます。少なくとも、リターンで攻め込まれないようなサーブを打ち続けることが必須になります。

 

マレーとは準々決勝で当たることになりますが、マレーとジョコビッチとの対戦が連戦にならないので、マレー戦で体力を消耗しても立て直す時間的余裕があります。錦織以外の選手の状況を見ると、今回の全米オープンは非常にチャンスがあるような気がします。

 

ただ一つ残念なのは、地上波での放送がないことです。放映権の契約があるので仕方ないのですが、捏造や歪曲することにばかり注力しないでこういうときにNHKには頑張って欲しいと思います。


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