民主党の公約を見ると、アベノミクスの影響で非正規雇用の割合が高くなっており、格差が拡大していると主張しています。他の野党からやマスコミでも同様の意見をよく目にします。しかし、この主張には重大な誤りがあり、物事の一部分だけを切り出した悪質な印象操作です。
まず、非正規労働者の割合を見てみます。下のグラフは、平成21年以降の労働者における非正規労働者の割合です。
資料出所:総務省「労働力調査」
前のグラフに比べると、非正規労働者の割合が平成25年に急に上がったように見えると思います。縦軸の目盛の範囲を変えただけで、見た時の印象はかなり異なります。全く同じデータであっても、見せ方によって印象がかなり変わることが分かると思います。
ここで、雇用状況を表す指標である、完全失業率と有効求人倍率を見てみます。安倍政権が発足した平成24年12月から平成26年10月にかけて、完全失業率は4.3%から3.5%と0.8ポイント改善され、有効求人倍率は1.09倍から1.14倍に上がりました。
![完全失業率と有効求人倍率](https://stat.ameba.jp/user_images/20141202/21/orange54321/f1/47/j/o0578032213147459727.jpg?caw=800)
資料出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」
これを見ても明らかなように、アベノミクスで雇用が悪化しているというのは全く誤った言い方です。数字というのは見せ方によっては、受ける印象が異なりますし、一部分だけ切り取ると全体像とは全く違うように見えることがあります。皆さんも、このようなトリックに騙されないように注意してください。
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