飲んだ日:2024/7/2
国・地域:独ファルツ
Vintage:2018年
銘柄:Hainfelder Letten Trocken Pinot Noir Reserve(赤)
ランク:QbA(D.Q)
造り手:Bernhard Koch
A.P.NR.:5035176 78 20
輸入業者/購入店:(株)稲葉/ウメムラWine Cellar
価格:\6,480
購入日:2024/1/17
飲み頃度:飲み頃/満足度:5/10

 

まるでブルゴーニュの様な、なめし革の妖艶で黒系の風味広がる。ただ「おおっ」と仰け反ったのは最初だけ。すぐに飲みが進まなくなった。似て非なる証?

初日はかなり重たく感じた酒質が、2日目は黒系の気が抜けたかのように酸味が表に出るようになった。そしてこっちの方がまだ印象は良い。

 

これが3本目のベルンハルト・コッホですが、一番好印象だったのは最初に開けたシュペートブルグンダー。日本人女性醸造家の名前をあしらった企画ものはいまいちバランスが悪く、最上級キュベと謳っているこちらは何とも肯定し難し仕上がり。輸入工程大丈夫なんかな?

 

普段は独ワインに見向きもしない雑誌や酒販店が、どういう風の吹き回しなんだと嫌味のひとつも言いたくなりますが、先ずは提供するワインの品質をもう少し安定させる必要性を感じます。

 

 

 

夏詣酒とは

「6月30日頃に神社で行われる「夏越しの大祓」とそれに続く「夏詣」にちなんだお酒」という事で、そもそも夏詣は2014年に浅草神社が提唱し、その後少しずつ全国に広がっている風習なのだそう。

日本酒に限った事ではないですが、大して信心深くもない国民が大多数を占める我が国において、神事と絡めるこういった習わしが、その仕事振りにもちゃんと反映あれている気がします。

 

大して信心深くもない国民が大多数を占める我が国において、私もその一人ではありますが、神事と絡めるこういった習わしがなんだかとても嬉しい。神様に祈願する分、その仕事振りにもちゃんと気合いがこもっている気がします。日本酒(造り)っていいなぁ、、って思えてしまいます。

 

 

飲んだ日:2024/7/1
国・地域:千葉県
銘柄:甲子 純米吟醸 夏詣酒 星合
造り手:(株)飯沼本家
製造年月:2024年6月
購入店:青木商店
価格:\1,750
購入日:2024/7/1
 
原料米/精米歩合:麹米 兵庫県産山田錦50%、掛米 秋田県産美山錦58%

(酵母:協会1501号)

日本酒度:-7.7

アルコール度数:14※エチケット or 16※HP

酸度:2.3

 

夏にリリースするに相応しい、涼やかなるテイストのライトな風合いでいて後を引く。どうやら飯沼本家のお酒とは相性が良いらしい事を再認識。今まで飲んだいずれの銘柄も好印象。

 

 

 

「ミニ茅の輪」が付いていた若戎さんの夏詣酒は相対的にしっかりめで、星合が口の中を「通り過ぎる」のに対し、こちらは一旦留まって膨らむ感じ。

 

飲んだ日:2024/7/1
国・地域:三重県
銘柄:若戎 純米吟醸 夏詣酒
造り手:若戎酒造(株)
製造年月:2024年6月
購入店:青木商店
価格:\1,750
購入日:2024/7/1
 
原料米:三重県産山田錦

精米歩合:60%

アルコール度数:15

 

夏詣酒2本、どちらもかなりイイ感じでした♪

 

 

飲んだ日:2024/6/28
国・地域:伊トスカーナ
Vintage:2022年
銘柄:Risveglio Toscana Bianco(白)
ランク:IGT
造り手:Giacomo Baraldo
輸入業者/購入店:(株)/カーヴ・フジキ
価格:\5,000
購入日:2024/6/8
飲み頃度:今でも十分に/満足度:5.5/10

 

に続いて白も開けてみる事に。

熟した感のある果実味はふくよかでボリューミー。暑苦しさはなくて、ちょっと涼やかなトロピカルフルーツとでもいった塩梅。ミネラル感も十分。

葡萄はトレッビアーノ(Trebbiano、仏名ユニ・ブラン)とマルヴァジア(Malvasia)との事で、トレッビアーノの方が先に記されているものの、品種の特徴を踏まえると後者が主で前者が補助品種のような気がしてしまいます。典型的な伊産地葡萄系自然派ワインといった味わい。

 

自然派のワインって、2千円台でも全然美味しいワインがいくらでも見つかるので、その倍の値段を支払う意義をなかなか見つけられずにいます。中には裾物だけでなく造り手のラインナップのヒエラルキーの存在を確かに感じられる造り手さんもいらっしゃいますが、それも大抵は仏ワインのような。

ジャコモ・バラルドさん、要は通常飲んでいるこの手のワインの中ではそれなりの価格な分、満足度も(良い意味で)それなりでした。

 

 

 

 

白石和彌監督作品初観賞。

役者草彅剛の印象が少しずつ変わってきていて、朝ドラ「ブギウギ」あたりから、とても好感を持つようになっています。この不器用な役者を生かすも殺すも監督あるいはキャスティング・ディレクター次第だと思いながら、白石監督が草薙君とタッグを組んだ本作に興味をそそられました。

 

元彦根藩士、柳田格之進とその娘お絹を巡る物語。

訳あって浪人となり長屋で清貧な暮らしを送る格之進が、碁会所で出会った“好敵手”。ささやかな楽しみを見出した彼に再び降り掛かる謂れなき嫌疑と、明らかになった過去の因縁を前にして、武士の面子を掛けた格之進の「勝負」が始まる。

 

本作観賞後に、落語「柳田格之進」を動画で観賞(個人的には志ん朝さんの一席が一番よかった)。なんで格之進が娘を質入れしてまで50両を用立てるのか、映画の筋立てだけではどうにも腑に落ちない点が腹落ちしました。

この古典落語をベースに、柳田親子の運命や如何に的な展開を巡らせる本作。大晦日という節目の日に全てのオチを手際よく取り纏めた結果が巷の高評価に結びついているような。宿敵柴田兵庫(斎藤工)と相対するシーンは、時代劇の醍醐味でもある殺陣の演出をもっと頑張って欲しかった。碁盤上の対決に比べて少々迫力に欠けるのが残念。あと、台詞の一部に違和感を感じる箇所がありました。

時代劇しか撮らない映画監督さんなんて、今時食べてはいけないのでしょうが、そんな専門職の必要性を感じたりもしてしまいます。

 

日付:2024/6/27
タイトル:碁盤斬り
監督:白石和彌
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN3
評価:5.5

 

 

 

 

番頭見習いの中川大志君が、じれったい役柄を好演

ホント張り倒したくなりました(笑)

 

 

 

 

 

1961年に公開された、小津監督の最後から2番目の作品(ちなみに先日観た「宗方姉妹」は「むなかた」ではなく「むねかた」でしたが、本作も「こばやかわ」ではなく「こはやがわ」)。

今でいう“事業継続”が難しくなった造り酒屋を営む一家の物語。中村鴈治郎演じる酒屋の主人の放蕩振りと、それに手を焼く長女夫婦。そこに亡き長男の嫁の再婚話に次女の縁談といったいつもの恋バナを盛り込んだ人間模様を描いた本作。


小津作品で唯一の東宝作品。東宝側の意気込みを受けての事なのか、常連の原さんや笠さんや杉村さんに加えて、やたらと登場人物が多い(当時の“東宝オールスターズ”みたいな感じ?)。wikiによると、撮影スタッフも全て東宝が用意したとの事ですが、そんな環境の違いを感じさせる事なく、それでいていつもの松竹作品とは異なるキャストが新鮮味も醸し出している。今となっては貴重な1本。

 

当然の事ながらこの時期の所謂“小津調”は完成の域にあり、姉妹の立ったり座ったりのシンクロ率の高さに見惚れてしまいます(笑)。

暗く悲しい葬送曲で終えるそのラストは、2週間前に観た「宗方姉妹」とあまりにも対照的。人の死に対する無常観、死生観がストレートに描写されていて、晩年の作品という点も踏まえるとやるせなかった。

 

傷一つない綺麗な映像に、4Kデジタルリマスター版の恩恵をしみじみ感じます。基本保守的な監督さんですが、カラー化だけはもっと早くチャレンジしてくれていたらと改めて思ってしまいました。

 

日付:2024/6/23
タイトル:小早川家の秋
監督・共同脚本:小津安二郎
劇場名:TOHOシネマズ小田原 PREMIER
評価:8.5

 

 

パンフレット代りに購入した「午前十時の映画祭14」のプログラムには、秋子(原節子)と紀子(司葉子)が対照的な決断を下すかのように記していますが、決してそんなことは無い。二人とも自我を通す女性を凛と演じていらっしゃる。