こんにちは!
東京のじゅんじゅんです~
先月のブログでは、息子の挑戦について書かせていただきましたが、彼に触発されて、私も新たな挑戦を始めています。
それは「語り」、お話を語ることです。
「司書は語りができてこそ一人前よ〜」と、先輩から促されたものの、自分の中に理由(言い訳)を作って、なんとなく避けてきたような気がします。
学校司書3年目、やっと重い腰を上げて決意しました。東京子ども図書館のお話の講習会に申し込み、ご縁をいただいて、今春からの受講が叶ったのです。
(先月の講習会の日は満開の薔薇が迎えてくれました!)
ちなみに、お話とは、
昔話などの物語を、語り手がすっかり覚えて自分のものとし、本を見ないで語るもので、ストーリーテリングとも呼ばれています。(東京子ども図書館のHP「お話の講習会」より抜粋)
5月の講習会では、実習としてお話を1つ語りました。
選んだお話はこちらです。
『エパミナンダス』
ブライアント作
(愛蔵版おはなしのろうそく1)
東京子ども図書館編 大社玲子さし絵
1997年
『エパミナンダス』は、胸が温まる大切な思い出のお話です。
昨夏、ミッキー絵本探求ゼミの最終講義を受講するため、
北海道層雲峡へ行きました。ゼミ発表については、以前私のブログに書かせていただきました。
グループ発表を控えて、打ち合わせやリハーサルを終えた深夜、リクエストに応えて何人かの方々がお話を語ってくださいました。どのお話もその世界に引き込まれ魅了されたのですが、その中で特に心惹かれたのが、かこさんの『エパミナンダス』でした。いつか私もこのお話を語りたい!そう思ったのです。
ところが現実は厳しい・・・さあ、大変。何度読んでも頭に入ってこない。すべて覚えるだけでなく語るなんてとんでもない!きゃー、どうしよう
そんなある日、ふと思い出したのが、ひろこさんがいつか話してくださった「覚えるというより、お話が身体に入っていく感じなのよね」という言葉でした。覚えることにこだわりすぎている自分に気づきました。それからは寝ても覚めても、ひたすら声に出す、そんな日々でした。2週間ぐらい経った頃から、お話が自分の中でほんの少し動き始めて、白黒からわずかな色彩を描き始めたように思います。
それでも、講習会の本番では、人生初の語り(!)に、緊張がピークに達し、どうにかやっと最後まで語り終えたというお粗末な状態でした。でも、実戦あるのみ!と、勤務校の授業の読み聞かせのスケジュールにすぐに組み込みました。2年生と3年生の4クラスで語り、あと2クラス残っています。実践は披露の場ではなく学びの場。語るスピードや声のトーン、間の取り方、情景を如何に表現するか、など、子ども達の反応や場の空気感から気付かされたことがなんと多いこと・・・理屈ではなく、肌で感じて得られるもの、これがお話が身体に入っていくことなのかな、とほんの少し分かったような気がします。でも、まだ完成には程遠く、現在進行形。引き続き、私の『エパミナンダス』をじっくりと育てていきたいと思います!
さて、最後に絵本を1冊紹介します。
『ぼくはふね』
五味太郎/作
福音館書店 2024年2月
ぼくはふね。気ままに気楽に進む。いろんな船にあう。嵐にも合ってもうダメだ!と思う。でも、その気になれば、できるんだと気づく。どこでも進める。どこへでも行ける。
五味太郎さん、絵本作家50周年の集大成の絵本です。こちらに限らず、五味太郎さんの作品を読んでいると、忙しい日常で見過ごしてしまいがちな、でも大切なことに、ハッと気づかされることが多いです。
こちらの絵本では、このセリフにドキッ
「あのね きみ みずにうかんですすむことにこだわりすぎているんだよ・・・」
こだわりすぎてるかもと気づいたら・・・
前から見てひっくり返して見て、
上から下から斜めから見てみよう。
自分が見るだけではなく、
他の人からはどう見えるかも聞いてみよう。
そんな風に私に教えてくれた作品です。
では、また来月〜