人生を変えるかこさとしさんの絵本 | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

こんにちは!東京のかこです!

 

 

6月1日に、オンライン絵本会の創設者でもありミッキー絵本探究ゼミ4期のあとはセカンドカーブ講座を開講、層雲峡を拠点に「学びと感謝の希望財団」を立ち上げたミッキーと、その絵本サークルの仲間たちと一緒に福井県越前市を訪れました。

 

 



この日はミッキーの松下政経塾時代の先輩で、前越前市長の奈良氏と、その市政下でかこさとしふるさと絵本館の館長を昨年まで務め、越前市にある武生中央公園のだるまちゃん広場や、駅前の市民プラザたけふ3階にあるてんぐちゃん広場を監修された谷出先生に

それらの施設と、かこさとしさんが幼稚園時代を過ごした丈生幼稚園と、引接寺境内にあるかこさとしさんのお墓にもご案内いただきました。



詳しくはそれぞれのサイトをご覧くださいね♪

 

 

 

 

 

 


かこさとしさんは、私が子どものころから親しんできた絵本作家のおひとりです。

児童教育学科の学生だった頃は、かこさとしさんが採取されている日本中の遊びについて関心がありました。

そんなこともあり、文庫には「かこさとし絵本のコーナー」があります。




ここに並ぶかこさとしさんの絵本は私や5歳年下の弟の人生に少なからず影響を与えてくれました。


 

 

それはもちろん子ども時代に出合って何度も読んでもらった『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店 1967)『だるまちゃんとかみなりちゃん』(福音館書店 1968)、そして『かわ』(福音館書店 1966)

 



これらは、私が子どものころにリアルタイムで読んでもらい、Tユーモアを知り、また河川の科学的な、地理的な関心を引き出してくれた絵本でした。

 



また、かこさとしさんが文章を書いて、初版では北田卓史さんが絵をつけていた『ぼくのいまいるところ』(童心社 1968)、新版(1988)では太田大輔さんが絵を描いている作品(いずれも童心社)では、自分の世界が今いる「ここ」以外に広がっている・・・その宇宙的な広がりに感動し、「生きる」ということに勇気をもらったのでした。

 






5歳年下の弟にとっては、人生を変える出合いと言っていいのは『宇宙』(福音館書店 1978)だったと思います。

 

 


宇宙の広がりを捉えるのに、ノミの跳躍から始まるのです。そして最後は大宇宙へと誘われる。その視点の広がりに心躍ったといいます。

私がこの絵本を手にしたのは、大学生になってからでしたが、たしかにこの絵本は小学生が読んで知的好奇心をくすぐられる・・・いや、まさに深い知識に裏付けられた「子どもの本」だけにするにはもったいない科学書だと感じました。



かこさとしさんの本に私は多くのことを学んできたんだなあ~と思います。

特におすすめなのは「かこさとし◆しゃかいの本」シリーズです。もとは童心社から1983年に出版されていましたが、長く絶版だったのを2016年に復刊ドットコムから再版されました。

 

 

この本の中で、かこさとしさんはみんしゅしゅぎは、いい ことを みんなで きめるんだよな。
かずが おおいから、いいんじゃなくて、たとえ、ひとりでも いい かんがえなら、みんなで だいじにするのが、
みんしゅしゅぎの いい ところだろ。
それを まちがえると、かずの おおい やつが、かってに いばったり、わるい ことを しだすんだよな。」

と、中学生くらいの子どもに言わせているのです。

かこさとしさんは大正15年生まれで、世の中が日中戦争から第二次世界大戦へ向かう時代を多感な少年時代として過ごされました。

 

立派な兵隊になってお国のために戦うと信じていたかこさとしさんは、敗戦後手のひらを返したように、戦争に加担した大人たちがそれを忘れたかのようにふるまうのをみて、子どもたちに自分で考え、自分で行動できるおとなになってほしい、多数派に流されるのではなく、もしそれが間違っていたら「違う!」と意見を言える人になってほしい・・・そう願われたそうです。


まさに、そのことが主題となっている本なのです。

なので、私はたった一人でも間違っていると感じたら、それをきちんと表明できる人でいたいと、ずっと思ってきました。こうしたかこさとしさんの本が、私を支えていてくれるのです。


そしてこの想いを、私は次の世代の子どもたちにきちんと手渡していきたい・・・そう思っています。