ローマからボンジョルノ

 

先日、サラダ油とエキストラバージンオリーブオイルの大きな違いと題して

オリーブオイルレッスンの記事を書きました。

 

 

違いはたくさんあるのですが

その中でも基本の基本。

 

製法の違いですね。

 

エキストラバージンオリーブオイルは化学的なものや

熱を加えたりせずに

冷温圧搾製法で作るので

オリーブオイルの栄養素がしっかり残っているという話です。

 

一方、サラダ油は、

ベンゼンなどの化学物質を使って

さらに高温で加熱して精製します。

 

サラダ油はヘルシーというCMのイメージとは違う、

ということを覚えておいてください。

 

さて、今回は第二弾、

サラダ油とオリーブオイルの成分比較、

脂肪酸の話です。

 

まず、オリーブオイルやサラダ油のように、

室温で液体の油は

不飽和脂肪酸を多く含んでいます。

 

室温で固体のバター、ラードなどは

飽和脂肪酸を多く含みます

 

あまり詳しく説明すると、

かえって、ややこしくなってしまいますが

平たく言うと脂肪酸というのは、

炭素と水素が長く鎖状に手をつなぐような形の化合物で

飽和か不飽和かは炭素の数や

炭素と炭素の繋ぎ方で

飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸にわかれます。

 

ここでは植物油である、

不飽和についてだけ進めますね。

 

その不飽和脂肪酸の中でも、

その構造の違い、脂肪酸の種類によって

オメガ3、オメガ6、オメガ9の3種類に分類されます。

  代表的な脂肪酸      代表的な油
オメガ3  α-リノレン酸 エゴマ油、亜麻仁油、魚油
オメガ6 リノール酸 菜種油、大豆油、コーン油、
オメガ9 オレイン酸 EVオリーブオイル、新紅花油、キャノーラ油

 

今回のサラダ油とEVオリーブオイルには関係ないですが、

この中で一番有名なのは、おそらくオメガ3ですよね。

 

エゴマ油も亜麻仁油、そして魚の油も、

体にいいオイルとしてよく話題になります。

 

どうしてかというと、

オメガ3とオメガ6オイルの脂肪酸は

人間の体の中で作り出せない栄養素なので、

食事でとらないといけない、必須脂肪酸なんです。

 

特に、α-リノレン酸は

血液をサラサラにして、動脈硬化を抑制するなどの効果があるといわれます。

 

ただ、オメガ3オイルは酸化しやすい、

という大きな欠点があります。

 

個人的には、かなり致命的な欠点ではないかと思いますが

今回のテーマには関係ないので、

このくらいにします。

 

 

で続いて、オメガ6、サラダ油ですね。

 

サラダ油の原材料は、

日本農林規格(JAS)による規定では、

菜種、大豆、綿実、トウモロコシ、ごま、ひまわり、

落花生、米、べにばな(サフラワー)、ぶどう

上の表の代表的な油に記載した

菜種、大豆、トウモロコシはもちろん、

綿実もオメガ6油です。

 

 

 

農林水産省によると、

令和元(2019)年の植物油の原油生産量は約171万トンです。
なたね油(101万トン)が最も多く、次いで大豆油(49万トン)、

とうもろこし油(8万トン)となっています。 

国産の原料を主とするこめ油(6.7万トン)は4番目に多い油となっています。

 

このサラダ油の原料、

トップ3の菜種油、大豆油、とうもろこし油を合わせると158万トン。

 

日本での植物油の原油生産量の92パーセントを占めるのは

サラダ油の原料で、オメガ6オイルということになります。

 

先ほどのオメガ3のところで触れましたが、

オメガ6も必須脂肪酸でリノール酸を多く含みます。

 

リノール酸は悪玉コレステロールを減らしたり、

高血圧を予防すると言われてたんです。

 

わざと過去形で書きました。

悪玉コレステロールは、

動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を誘引する可能性があるといいますが、

悪玉コレステロールを減らすサラダ油を多くとっていて

なのに減らすどころか、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞も増えてます。

 

日本ではどんどん、高血圧も増えてますよね。

 

そもそも、サラダ油とは、なんでしょう。

WIKIペディアによると、

1924(大正13)年に日清製油(現日清オイリオグループ)が、

サラダなど非加熱料理でも使える精製度の高い油を

「サラダ油」と名付けて販売したのが一般化したとされる。

 

約100年にわたって、

必須脂肪酸であるサラダ油を多くとってきた結果、

生活習慣病が増えているという皮肉な話。

 

こうしてみてくると、

本当にリノール酸って必須脂肪酸っていう

体にいい油なのか疑問がわいてきますが、

最近では、リノール酸の取りすぎは

体の中に炎症を起こすと言われています。

 

日本脂質栄養学会のサイトでは、

「リノール酸は心疾患のリスク」というタイトルで

結果は、ω6リノール酸群の方が対照群に比べ、

総死亡、心血管死亡、および冠動脈疾患死亡の率がいずれも高い、

というものである。

著者らは次に、以前のメタ分析(あらゆるエビデンスの総括)を

最新のデータを用いて更新した。

その結果も、(リノール酸の)有効性を示すエビデンスは得られず

心血管疾患が増加することが示唆されており、

食事と心疾患を結びつけるメカニズムについて、

再考する必要があると強調している。

ほかにも、アトピーや花粉症の原因になっているという説も。

 

「リノール酸の取りすぎ」で検索すると

色々出てきます。

 

近代栄養学の大きな問題点は

体にいいという情報が

結構、コロコロ変わるという点。

 

人間の体って、個体差もあるし、

まだ解明されていないことのほうが多いのでしょう。

 

サラダ油を販売し始めて100年。

 

本当の健康効果のようなものがわかるには、

必要な期間なのでしょうね。

 

ちょっと長くなったので、オリーブオイル、

オメガ9は明日に続きます。

 

 

 

 

 

 

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