今週の火曜日

横浜での塾の会議のために

出かけた際のこと。

 

バス停から鉄道の駅まで

歩いて行く途中のお宅の庭に

小さな白い花が咲いているのが

目にとまりました。

 

タイム(その1)

(2025年6月24日撮影。以下同じ)

 

帰宅後に

ハナノナで調べてみると

 クレソン、オランダガラシ(88%)

 オオカワヂシャ(3%)

 アリッサム(3%)

と出ましたが

形状や色がそれらとは

明らかに違います。

 

タイム(アップ)

 

アップで撮った写真で調べてみると

 トウバナ(77%)

 セイヨウジュウニヒトエ、アジュガ・レプタンス(10%)

 イヌゴマ、チョロギダマシ(7%)

と出ましたけれど

やはり違う感じ。

 

お馴染みの

「おさんぽ花ずかん」を見ても

それらしきものは見当たらず。

 

 

そこでふと

スマートフォンで撮った写真を

直接、インターネットで検索できる

という話を以前、聞いたことを思い出し

試しにやり方を調べてみて

やってみたところ

「調べる:植物>」と出ました。( ̄▽ ̄)

 

「植物」が太字になっていたので

タップしてみると

「Siri の知識」として出たのが

Broad-Leaved Thyme とタイムです。

 

Broad-Leaved Thyme を

タップしても

「コンテンツがありません」

と表示されるので

タイムの方をタップすると

Wikipedia のページが表示され

これか、と思ったんですが……。

 

 

Wikipedia の冒頭の説明に

タイムはシソ科イブキジャコウソウ属の植物の総称で(略)ハーブとしてよく知られる代表種にタチジャコウソウがあり、日本ではこの種を一般にタイムと呼んでいる。

と書かれており

タチジャコウソウの文字が色変して

リンクが張られていたので

そちらに飛んでみると

「名称」という項目に曰く。

和名タチジャコウソウは、茎が立ち上がり、麝香のようなよい香りがするので、漢字で「立麝香草」と書く。和名の由来は、日本にも自生する近縁種のイブキジャコウソウが地を這うのに対して、本種は先端が立ち上がることから名付けられたものである。

今回見かけた種も

茎が立ち上がっていますので

ぴったりの説明だと思われました。

 

ただ

立麝香草の項目に載っている

「開花期の茎葉」の写真を見たら

葉っぱが肉厚で

雰囲気が違うんですよね。

 

 

近縁種である伊吹麝香草

[イブキジャコウソウ]の

ページに飛んでみると

こちらの方が

葉っぱの雰囲気は似てますけど

花の感じが違います。

 

花と緑の図鑑 - Garden vision

というサイトを見てみても

明らかに花の

つき方の雰囲気が違う。

 

 

その一方

「タイム(植物)」で

検索した際にヒットした

みんなの趣味の園芸」に

アップされているコモンタイムの写真は

今回のによく似ておりまして。

 

同サイトの

「特徴」の解説に

和名は立麝香草で

「香りのある

 グランドカバープランツとして

 利用されます」と

書かれています。

 

伊吹麝香草で

いろいろ検索してみた際

グランドカバーによく使われる

と説明しているサイトもありました。

 

 

要するにタイム系のものは

どれもグランドカバーに

使われるんだな、と。

 

タイム(その2)

 

そんなこんなで

伊吹麝香草か立麝香草か

確信を持って決められず

迷った末に

ブログのタイトルは

「麝香草(タイム)」と

誤魔化すことにした次第です。(^^;ゞ

 

 

タイムは園芸品種が多いので

いろんなものを掛け合わせた結果が

今回の種なのかもしれず

そうだとしたら

種苗屋さんにでも聞かないと

同定は難しい。

 

今回の種は白色がメインで

かすかに桃色が混ざっていますが

これが特徴のひとつかもと思いつつ

もしかしたら土壌の関係かもしれず。

 

 

ちなみに

「コンテンツがありません」

と表示された

Broad-Leaved Thyme

(直訳すると「広葉タイム」)。

 

パソコンで改めて検索して

英語版 Wikipedia を見てみても

似ているとは思えませんでしたが

「ブロード・リーフ・タイム 花」

で検索してヒットした以下のページの種は

 

 

よく似ていると思った次第で

特に葉っぱが大変よく似てますね。

 

花期もあってるし

イブキジャコウソウ科

だそうですので

やっぱり今回のも

伊吹麝香草でいいのかどうか。

 

なかなか悩ましいのでした。

前回ご紹介したスティングの

《ラビリンス》についての記事を

いろいろ検索しているうちに

《ラビリンス》に続いて

クラシックとのクロスオーバーCDが

出ていることを知りました。

 

それが

If on a Winter Night...

(もし冬の夜に)

というタイトルだと知り

Amazon に出品されていたので

注文したのが日曜日。

 

その2日後

横浜で塾の会議がある火曜日に

先方の事情でキャンセルされた

というメールが届きまして

うーん、と思いつつ

横浜のディスクユニオンに寄ると

クラシックの新入荷の棚で

見つけたという(苦笑)

 

キャンセルされたその日のうちに

中古店で見つけるとは

(しかも注文したものより安価で

 送料もかからずに済んだ!)

実にタイミングが良く

タイミングが良すぎて

怖いくらいでした。

 

それがこちら。

 

スティング《ウィンターズ・ナイト》

(ユニバーサル クラシックス&ジャズ

 UCCH-9008、2009.10.2)

 

《ラビリンス》に続き

原盤レーベルは

ドイツ・グラモフォンで

原題は上にも書いた通り

If on a Winters Night... ですが

邦題は《ウィンターズ・ナイト》。

 

ボーナス・トラックの他

ボーナスDVDまでついている

日本限定盤です。

 

 

演奏は前回とは異なり

一気にメンバーが増えています。

 

楽器もギターだけでなく

ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、マンドリン、

トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ

リコーダー、クラリネット、サックス

ドラム、パーカッション

リュート、ウードネイ

ダルシマー、ハープ

オルガン、ハーモニウム(リードオルガン)

メロディオン(鍵盤ハーモニカ)

ノーザンブリアン・スモールパイプ(バグパイプ)

と実に多彩です。

 

 

本盤には

伝承曲(いわゆるトラッド)や

作者不詳曲に混ざって

ヘンリー・パーセルが2曲

シューベルトが1曲

バッハの無伴奏チェロ組曲 第6番の

サラバンドに歌詞をつけた曲が1曲

プレトリウスが和声付けした曲

ピーター・ウォーロックが採譜した曲等々

クラシック系の曲が多い。

 

日本盤のボーナストラックには

上記ウォーロックと

ヴォーン・ウィリアムズの曲も

含まれてました。

 

詳細はWikipediaの

本盤紹介ページを参照ください。

 

 

《ラビリンス》のページは

設けられてないのに

本盤のページがあるあたり

ファンの関心の在りどころや

両盤の評価の違いをうかがわせて

興味深いところです。

 

 

パーセルの曲は

セミ・オペラ《アーサー王》Z.628

第3幕で歌われる

〈汝はどのような力を?〉

What Power art thou?

なんですけど

オリジナルを聴いたことがある人なら

あれを取り上げるかあ

と驚くこと請け合い。

 

アンドレアス・ショル版が

YouTube にアップされていて

ちょっと珍しいと思ったので

貼っておきます。

 

 

いつもの事情でアドレスでも(以下同じ)。

 

 

珍しいと思ったのは

バス・パートで歌われるものとばかり

思っていたからです。

 

〈コールド・ソング〉

というタイトルで

初めてカバーしたのは

クラウス・ノミという人らしい。

 

 

 

テレビ番組で歌う映像もあって

特異なキャラクターが際立ってます。

 

 

スティング版はこちら。

 

 

 

スティングは

大地の神が

凍えている様子を

うかがわせる

声を区切って歌う

ということをしておらず

(弦のパートが代わりにやってますね)

古楽原理主義的な視点からすると

どうかと思ったり。( ̄▽ ̄)

 

 

パーセルのもう1曲は

〈ゆっくり冬は訪れる〉

Now Winter Comes Slowly

セミ・オペラ《妖精の女王》Z.629

第4幕で歌われるものです。

 

こちらは

これだけを抜き出して

ソロで歌うのは珍しいかも。

 

……と思っていたら

YouTube に割とたくさん

アップされてました(苦笑)

 

いかんせん

どれもピアノ伴奏版なんですが

たとえばこちら。

 

 

データが記載されてないので

伴奏者は分かりませんが

このピアノはそこそこ

原曲の味わいを出してると思います。

 

スティング版はこちら。

 

 

 

いすれにせよ

グラウンド・バスが

いかにもパーセルらしいですね。

 

 

シューベルトの曲に基づく

〈ハーディ・ガーディ・マン〉は

こちらのブログによれば

 

 

《冬の旅》作品89の第24曲

〈辻音楽師〉Der Leierman

だそうです。

 

Wikipedia の

《冬の旅》の項目内でも

言及されてました。

 

上掲のブログ記事は

クラシック関係について

詳しく書かれており

読み応えがあるんですけど

なぜかパーセルの

〈ゆっくり冬は訪れる〉のみ

スルーされているのが不思議。

 

 

ボーナス・トラックの1曲

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの

〈ゆりかごの歌〉Blake's Cradle Song

ヴォーン・ウイリアムズが編纂者の1人である

The Oxford Book of Carols(1928)に

収められたもののようです。

 

……ということを

以下の商品紹介ページで

教えられました。

 

 

ひとつひとつにふれてると

キリがないので

バッハその他については

上にリンクを貼った

”スケルツォ倶楽部”発起人さんの記事に

委ねさせていただきます。

 

 

ダウランド尽くしだった

《ラビリンス》とは違うからか

本盤のライナー小冊子の

日本語版の訳は

音楽ライターの大友博が

やっています。

 

同氏の解説も載っていて

チャリティ・イベントの会場で

スティングの弾くリュートを

聴く機会があったのだとか。

 

マイクを通さない

生音を聴いたのかどうか

マイクで増幅されて

フィンガーノイズなんかも

聞こえたのかどうかが

ちょっと気になるところです。

(そこかよ! w)

 

なお

DVDの内容については

これから観ますので

感想はなしです。(^^ゞ

どういうきっかけだったか

憶えていないんですけど

ロック・シンガーのスティングが

ジョン・ダウランドの

リュート歌曲を歌っている

アルバムがあると知り

興味をそそられて

中古で入手してみました。


スティング《ラビリンス》

(ユニバーサル クラシックス&ジャズ

 UCCH-1018、2006.9.27)

 

原題は Songs from the Labyrinth

(ラビリンスからの歌曲集)で

邦題は《ラビリンス》です。

 

レーベルは

ドイツ・グラモフォンで

スティングの他に

リュート奏者の

エディン・カラマーゾフが

演奏に加わっています。

 

 

元盤ライナー小冊子を見ても

邦盤ライナー小冊子を見ても

録音がいつどこでされたのか

ということは書かれていません。

 

それでいて

エディン・カラマーゾフの

使用楽器については

何年に誰が製作した何コースの楽器で

どういうオリジナルのコピーなのか

ということが記載されています。

 

そこらへんは

ドイツ・グラモフォンらしい

というべきなのかどうか。

 

ちなみに

スティング自身も

アーチリュートを手に取って

カラマーゾフと共に

〈ウィロビー卿ご帰還〉という

ダウランドのリュート二重奏曲を

演奏しています。

 

 

曲間で

原盤ライナー小冊子に

写真が掲載されている

ダウランドが

ロバート・セシル卿に送った手紙の

一部が朗読されており

独特の雰囲気を醸し出しています。

 

こちらの記事によれば

 

 

ダウランドの手紙の

朗読を挿入することは

賛否両論あったようです。

 

個人的には

日本に紹介されることがない

と思われる貴重な資料(史料)が

その一部とはいえ読めるなんて!

という驚きと嬉しさがありますね。

 

 

収録曲は

全てダウランド

というわけではなく

1曲だけ、ロバート・ジョンソンという

同時代のリュート奏者の曲が

歌われています。

 

スティングはライナーで

私は、ダウランドがこの歌曲を好んだかどうかについての意見を何ももっていないが、私は好きだ。(今谷和徳訳)

と書いていますけど

これではこの曲を入れる経緯が

よく分かりませんね。

 

 

ロバート・ジョンソンは

宮廷リュート奏者

ジョン・ジョンソンの息子で

父親の歌詞に息子が曲をつけた

ということらしい。

 

ジョン・ジョンソンが亡くなった際

自分が宮廷リュート奏者になれる

とダウランドは考えたようですが

なぜか選ばれませんでした。

 

そういう経緯というか

因縁があることと

何か関係があるのかも

しれませんけれど。

 

 

自分は洋楽には疎く

ラジオから流れてくる曲を

耳にしてきた程度なので

スティングについてはもちろん

彼がヴォーカルを担当していた

ポリスについても

よく知りません。

 

スティングの声についても

まったく無知だったわけですが

今回のアルバムを聴いて

濁声だったのでびっくり。

 

スティングの声域は

テノールだそうですけど

クラシックの方のテノールと

大きく異なります。

 

だから違和感を覚える

といえば覚えるんですけど

ただし2回目からは

慣れちゃいました(笑)

 

 

2回目に聴いて気になったのは

ギター演奏でよく

キュッと鳴るのを聴きますけど

あの音(フィンガーノイズ、

フィンガリングノイズ)がすること。

 

リュートも撥弦楽器とはいえ

アコースティックギターのように

キュッと鳴る演奏を聴いたのは初めて。

 

あえてフィンガーノイズを拾うように

録音したということでしょうけど

なんだか不思議な感じが

したことでした。

 

 

有名な〈流れよ、わが涙〉も

スティングのソロ

カラマーゾフのリュート伴奏で

歌われています。

 

 

「動画を再生できません」

と出ますので、念のため以下に

アドレスも貼っておきます。

 

 

スティングが歌うのを聴いて

男声のソロで歌われる

〈流れよ、わが涙〉は

珍しいんじゃないかと思い

YouTube で検索してみたら

カウンターテナーが歌っているのを

たくさん見つけたのでした。

 

 

ちなみに

今回のアルバムのジャケ写を

どこかで目にしたことがあるなあ

と思って確認してみたら

『レコード芸術』の

2021年6月号でした。

 

『レコード芸術』2021年6月号

(音楽之友社、70巻6号、通巻849号)

 

越境古楽の資料がないかな

と思って検索して

買ったものですけど

買った当時はダウランドに興味がなく

そういうのもあるのかあ

と思った程度だったのが

今となっては微笑ましい。( ̄▽ ̄)