前回ご紹介したスティングの

《ラビリンス》についての記事を

いろいろ検索しているうちに

《ラビリンス》に続いて

クラシックとのクロスオーバーCDが

出ていることを知りました。

 

それが

If on a Winter Night...

(もし冬の夜に)

というタイトルだと知り

Amazon に出品されていたので

注文したのが日曜日。

 

その2日後

横浜で塾の会議がある火曜日に

先方の事情でキャンセルされた

というメールが届きまして

うーん、と思いつつ

横浜のディスクユニオンに寄ると

クラシックの新入荷の棚で

見つけたという(苦笑)

 

キャンセルされたその日のうちに

中古店で見つけるとは

(しかも注文したものより安価で

 送料もかからずに済んだ!)

実にタイミングが良く

タイミングが良すぎて

怖いくらいでした。

 

それがこちら。

 

スティング《ウィンターズ・ナイト》

(ユニバーサル クラシックス&ジャズ

 UCCH-9008、2009.10.2)

 

《ラビリンス》に続き

原盤レーベルは

ドイツ・グラモフォンで

原題は上にも書いた通り

If on a Winters Night... ですが

邦題は《ウィンターズ・ナイト》。

 

ボーナス・トラックの他

ボーナスDVDまでついている

日本限定盤です。

 

 

演奏は前回とは異なり

一気にメンバーが増えています。

 

楽器もギターだけでなく

ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、マンドリン、

トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ

リコーダー、クラリネット、サックス

ドラム、パーカッション

リュート、ウードネイ

ダルシマー、ハープ

オルガン、ハーモニウム(リードオルガン)

メロディオン(鍵盤ハーモニカ)

ノーザンブリアン・スモールパイプ(バグパイプ)

と実に多彩です。

 

 

本盤には

伝承曲(いわゆるトラッド)や

作者不詳曲に混ざって

ヘンリー・パーセルが2曲

シューベルトが1曲

バッハの無伴奏チェロ組曲 第6番の

サラバンドに歌詞をつけた曲が1曲

プレトリウスが和声付けした曲

ピーター・ウォーロックが採譜した曲等々

クラシック系の曲が多い。

 

日本盤のボーナストラックには

上記ウォーロックと

ヴォーン・ウィリアムズの曲も

含まれてました。

 

詳細はWikipediaの

本盤紹介ページを参照ください。

 

 

《ラビリンス》のページは

設けられてないのに

本盤のページがあるあたり

ファンの関心の在りどころや

両盤の評価の違いをうかがわせて

興味深いところです。

 

 

パーセルの曲は

セミ・オペラ《アーサー王》Z.628

第3幕で歌われる

〈汝はどのような力を?〉

What Power art thou?

なんですけど

オリジナルを聴いたことがある人なら

あれを取り上げるかあ

と驚くこと請け合い。

 

アンドレアス・ショル版が

YouTube にアップされていて

ちょっと珍しいと思ったので

貼っておきます。

 

 

いつもの事情でアドレスでも(以下同じ)。

 

 

珍しいと思ったのは

バス・パートで歌われるものとばかり

思っていたからです。

 

〈コールド・ソング〉

というタイトルで

初めてカバーしたのは

クラウス・ノミという人らしい。

 

 

 

テレビ番組で歌う映像もあって

特異なキャラクターが際立ってます。

 

 

スティング版はこちら。

 

 

 

スティングは

大地の神が

凍えている様子を

うかがわせる

声を区切って歌う

ということをしておらず

(弦のパートが代わりにやってますね)

古楽原理主義的な視点からすると

どうかと思ったり。( ̄▽ ̄)

 

 

パーセルのもう1曲は

〈ゆっくり冬は訪れる〉

Now Winter Comes Slowly

セミ・オペラ《妖精の女王》Z.629

第4幕で歌われるものです。

 

こちらは

これだけを抜き出して

ソロで歌うのは珍しいかも。

 

……と思っていたら

YouTube に割とたくさん

アップされてました(苦笑)

 

いかんせん

どれもピアノ伴奏版なんですが

たとえばこちら。

 

 

データが記載されてないので

伴奏者は分かりませんが

このピアノはそこそこ

原曲の味わいを出してると思います。

 

スティング版はこちら。

 

 

 

いすれにせよ

グラウンド・バスが

いかにもパーセルらしいですね。

 

 

シューベルトの曲に基づく

〈ハーディ・ガーディ・マン〉は

こちらのブログによれば

 

 

《冬の旅》作品89の第24曲

〈辻音楽師〉Der Leierman

だそうです。

 

Wikipedia の

《冬の旅》の項目内でも

言及されてました。

 

上掲のブログ記事は

クラシック関係について

詳しく書かれており

読み応えがあるんですけど

なぜかパーセルの

〈ゆっくり冬は訪れる〉のみ

スルーされているのが不思議。

 

 

ボーナス・トラックの1曲

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの

〈ゆりかごの歌〉Blake's Cradle Song

ヴォーン・ウイリアムズが編纂者の1人である

The Oxford Book of Carols(1928)に

収められたもののようです。

 

……ということを

以下の商品紹介ページで

教えられました。

 

 

ひとつひとつにふれてると

キリがないので

バッハその他については

上にリンクを貼った

”スケルツォ倶楽部”発起人さんの記事に

委ねさせていただきます。

 

 

ダウランド尽くしだった

《ラビリンス》とは違うからか

本盤のライナー小冊子の

日本語版の訳は

音楽ライターの大友博が

やっています。

 

同氏の解説も載っていて

チャリティ・イベントの会場で

スティングの弾くリュートを

聴く機会があったのだとか。

 

マイクを通さない

生音を聴いたのかどうか

マイクで増幅されて

フィンガーノイズなんかも

聞こえたのかどうかが

ちょっと気になるところです。

(そこかよ! w)

 

なお

DVDの内容については

これから観ますので

感想はなしです。(^^ゞ