以前にご紹介した
古楽器(フォルテピアノ)伴奏による
ショパンの歌曲集を
タワーレコード・オンラインで
探していたとき
目にとまったのが
今回ご紹介する盤です。
(伊 NAR Classical
NAR 125182、2021.1.27)
歌唱は
トルコ出身のソプラノ
ピアノ伴奏は
世界で初めて
ショパン・ピアノ全集を
リリースしたという
タワーレコード・オンラインの
本盤の商品紹介ページでは
オリジナル発売日が
1998年となっていますけど
これはCDのリリース年でしょう。
同ページには
録音年月日不詳
となっており
CDのライナーなどを見ても
どこにも載っていません。
というわけで
調べてみたところ
Discogs のデータによれば
原盤は1983年に
イタリアの Arkadia から
LP2枚組でリリースされたようです。
その後
イタリアの Agorá から
1998年にCDでリリースされ
NAR Classical からのリリースは
2018年となっています。
上掲のリリース年月日は
タワーレコード・オンラインの
商品紹介ページに拠ったものですが
Discogs の記載を踏まえれば
再リリース年ということに
なるかと思われます。
そして
LPレコードの
リリース年を踏まえれば
録音は1983年ごろだと
思われます。
古楽器による
伴奏版を探していたのに
本盤も購入したのは
おまけで
ショパンの歌曲を
リストが編曲した
6つのポーランドの歌 S.480 が
併録されていたからです。
(S. はリスト作品番号。
サール番号と呼ぶ)
詳しくは
こちら↓をご参照ください。
リストの編曲については
全曲、YouTube に
アップされているようで
上掲の記事にも
リンクが貼られています。
ですから聴くだけなら
CDで持っている必要は
ないわけですけど
まあ、昭和の人間なので
形あるもので
持っておきたいのです(苦笑)
ジェンチェルの歌唱は
ややオペラ的な感じで
それが合っている歌も
なくはないものの
全体としてはあまり
好みではないかなあ
というのが正直なところ。
ピアノ伴奏はといえば
Wikipedia によると
マガロフという人は
「フォンタナ版」より自筆稿に従って演奏することを好んでいた
とのことですけど
ショパン歌曲集の出版譜が
歿後に出たフォンタナ版だけに
自筆稿がない曲はどうしたのか
ちょっと気になるところ。
ライナー小冊子に
書いてあるかもしれませんが
まだチェックしてません。
ところで
先日、目を通した
小坂裕子の
『作曲家◎人と作品 ショパン』に
(音楽之友社、2004.4.5)
こんなことが書かれてました。
ヒラーと演奏しても[ショパンは―引用者注]疲れることはなかったが、リストといっしょにいるといらだちを感じた。リストはショパンの難しいエチュードはこのように演奏すべきだと言いながら、ショパンが手紙を書いているかたわらで勝手な解釈を披露したりした。自分のいだく理想的な作品の姿が壊されるようで、ショパンはヒラーにリストがぼくのエチュードを演奏すると筆が乱れる、ぼくには歯が立たないほどの過激な弾き方なんだ。そんなふうには絶対に演奏してほしくないのに、と憤懣をぶつけた。(p.86)
ヒラーというのは
フェルディナント・ヒラーという
ドイツ出身の作曲家で
ピアニスト。
1828年から7年ほど
パリに滞在して
パリの若い音楽家たちと
進歩的な音楽集団を
形成したそうです。
そのヒラーに
ショパンが送った
手紙の内容からすると
リストが自分の歌曲を
ピアノ独奏曲として
編曲したことに対し
どういう感想を抱いたか
想像が刺激されますね。
まあ、手紙を書いている側で
リスト流に過激な演奏をされれば
迷惑に思うのも当然であり(笑)
それとリストの歌曲を
受け容れるかどうかは
別物かもしれませんけど。
そうはいうても
ショパンの原曲が素朴なだけに
そうめちゃくちゃ
やっているわけでもなく。
個人的には
〈春〉と〈指輪〉が
ヴィルトゥオーソ的要素が少なく
最後までしっとりしていて
好みかも。
なお
〈指輪〉と〈酒場の歌〉は
LPレコード原盤だと
トラックに分けられて
いなかったようですが
CDでは2つのトラックに
分けられています。
聴いてみると
確かにトラックの切れ目に
サイレント部分がなく
続いている感がありますけど
これはリストの原譜がそうなのか
それとも
マガロフの解釈なのかは
よく分かりません。
これについても
ライナー小冊子に
書いてあるのかしらん。










