前回の記事にも書いた通り
ジャン=クリストフ・グランジェの小説
『ミゼレーレ』の下巻には
元刑事リオネル・カスダンが
アスンシオン福祉教育協会という
コロニーの少年聖歌隊が行なっている
コンサートを聴きにいく
という場面があります。
当のコンサートは
コロニーの敷地外にある
近隣の教会で行われるんですけど
にもかかわらず
演奏される曲目のうち
ペルゴレージの《スターバト・マーテル》が
ピアノ伴奏版になっていました。
もちろん地方の小さな教会なら
オルガンがないところも
あるでしょうけど
教会でのコンサートであれば
オルガン伴奏でもいいじゃない
と思わずにはいられませんでした。
そしたら
ピアノ伴奏版を探してる時
少年合唱団が
弦楽合奏とオルガンの伴奏で歌う
動画を見つけましたので
以下に貼り付けておきます。
2013年10月19日
モスクワ国際音楽ハウスでの
ライブ演奏で
歌っているのは
スヴェシニコフ少年合唱団
だそうです。
指揮者や器楽奏者は不詳。
スヴェシニコフ少年合唱団は
規模が大きく(人数が多く)
弦楽合奏も加わっているので
グランジェの小説に出てくる
少年聖歌隊のコンサートと
かなり雰囲気は違うでしょう。
それでも前回の
アルメニアの少女合唱団に比べれば
少年聖歌隊を偲ばせるものが
あるかもしれない
と感じたりもしました。
ところで
《スターバト・マーテル》に
合唱が加わるバージョンについては
これまでにも当ブログで
何度か取り上げました。
この中では
エマ・カークビーが参加している
少女合唱団盤と
キャスリーン・フェリアー盤が
ロシアの少年合唱団の演奏に
近い感じです。
カークビー盤とフェリアー盤は
1927年にリリースされた
チャールズ・ケネディ・スコット編曲版を
使っていると思われるわけですけど
今回のロシアの少年合唱団の演奏が
同じ楽譜を使っているのかどうか
よく分かりません。
上に貼った動画では
ソリストが歌い終わると
会場から拍手が送られてますが
子どもが歌うコンサートって
こういうもんなんでしょうか。
グランジェの小説のように
田舎の小さな教会で
地元の人を相手に行う場合なら
そういうことがありそうな気も
しなくはないですけど。
グランジェの小説では
残念ながら途中で
カスダンが
寝落ちしてしまい
どういう状況だったのか
分からないのでした。( ̄▽ ̄)