合唱が絡む《スターバト・マーテル》の

ディスクの紹介が続きましたので

ついでながら、もう1枚

手元にあるものをご案内。

 

少女合唱団の《スターバト・マーテル》

(英 Lammas: LAMM-184D、2006.3.24)

 

リリース年月日は

タワーレコード・オンラインに

拠りました。

 

演奏は

ソプラノがエマ・カークビー

メゾ・ソプラノがキャスリン・デンリー

合唱がサイモン・ジョンソン指揮

聖オールバンズ修道院少女聖歌隊、

器楽演奏は古楽系アンサンブルの

ロンドン・バロックが務めています。

 

聖オールバンズ大聖堂

および修道院の

教会堂にて

2005年2月14~16日と

5月11日に録音されました。

 

 

器楽編成は

ヴァイオリン2

ヴィオラ、チェロ、

コントラバスが各1

オルガン1というもので

リュートないし

チェンバロは省略。

 

今まで紹介してきた盤の中では

もっとも小さい編成

ということになりますかね。

 

 

このディスクを買ったのは

カークビーの歌う

《スターバト・マーテル》

バッハの編曲版を除くとしても

もう1枚あると知ったからです。

 

ただ、まさか

少女合唱団との共演とは

思いもよらず

届いたのを聴いて

びっくりしました。

 

しかも合唱の入るタイミングが

これまでのものとは違っていて

第8曲と最後のアーメン以外に

第1曲、第3曲、第5曲と

第12曲のアーメン以外の部分も

合唱で歌われます。

 

先にパウロ6世帰天10周年

記念コンサートのライブ盤

紹介した記事で書いたように

coro ad libitum(任意で合唱)

と副題がある楽譜を

使ったのかも知れませんし

アドリブで、とある以上

(ad libitum の略がアドリブ ad-lib)

こういうのもありなんでしょうけど

これまで聴いた合唱の入る盤が

8曲目と最後のアーメンだけ

というものばかりなこともあって

かなり珍しい気がしました。

 

 

ペルゴレージ以外の

カップリング曲は以下の通り。

 

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン

《おお、聖餐よ》(ソプラノと合唱)

ジャン・フランソワ・ラルエット

《言い表せぬほどの奇跡》(合唱)

マルカントワーヌ・シャルパンティエ

《善良で忠実なしもべ》H.35(合唱)

《御身は美しくあり給う》H.52(合唱)

リチャード・ディアリング

《おお、善良なるイエスよ》(合唱)

ヤン・バプティスト・フェリート

《イエスの御名において》(合唱)

クラウディオ・モンテヴェルディ

《のびのびと心を響かせて》SV.279a(合唱)

《われは御身に感謝す、主よ》SV.267

         (ソプラノ、アルトと合唱)

 

(シャルパンティエ作品名の後に

 H・W・ヒッチコック作成の

 作品目録の番号を付けときました。

 同様にモンテヴェルディ作品名の後には

 M・H・スタットクスの作成になる

 作品目録の番号を付けてあります。

 V は Verzeichnis[目録]の略)

 

上掲のリスト、曲名の邦題は

タワーレコード・オンラインの

商品ページに拠ってますけど

シャルパンティエの Pulchra es

(御身は美しくあり給う)が

なぜか抜けていましたので

付け足しときました。

 

 

カップリング曲の中では

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン

シャルパンティエ

モンテヴェルディの名前しか

聞き覚えがなかったりします。

 

その中でも

ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの

「おお、聖餐よ」が

無伴奏ということも相まって

耽美的といってもいい美しさです。

 

 

本盤のメインはあくまでも

聖オールバンズ修道院少女聖歌隊で

カークビーはゲストに過ぎません。

 

カークビー推しの界隈で

話題になっているのか

なっていたのかどうかは

知りませんけど

カークビーが関わった

《スターバト・マーテル》の再録盤として

また、任意で合唱が加わる

《スターバト・マーテル》の異色盤としても

記憶にとどめておきたい1枚と

いえるかと思います。