昨日は

麹町校で会議があったんですが

いつもの癖で少し早めに出て

時間に余裕があったので

新宿のディスクユニオンに

寄っていきました。

 

新宿店に寄ったのは

久しぶりだったので

いろいろ目について

買い込んじゃいましたけど

そのうちの1枚が

今回ご紹介のこちら。

 

ツェピール指揮《奥様女中》ANF盤

(ANFコーポレイション ANF-248、?)

 

邦盤タスキ(オビ)のどこにも

リリース年が表示されていないので

「?」としときました。

 

原盤は Frequenz で

1988年のリリースですから

邦盤は同年か翌年かに

出たのかもしれません。

 

CDJournal の記事

ネット上に残っていて

それを見ると

1991年にキングレコードから

再発されたことが分かります。


 

演奏は

ソプラノがジャーヌ・マリー・ビマ

バスがグラツィアーノ・ポリドーリ

ヴォイチーチ・ツェピール指揮

ワルシャワ・シンフォニエッタ。

 

演奏者の名前から想像がつく通り

ポーランドの演奏者によるものですが

原盤レーベル自体は

上掲 CDJournal の記事にあるように

イタリアのレーベルのようですね。

 

録音年については

ディスクやライナーのどこにも

録音年が記されていません。

 

 

黙役の従者

ヴェスポーネの笑い声や

従者を呼ぶ際? のベル音も

しっかり入っています。

 

それもあって

観客を入れずに

舞台で実際に演じたものを

録音している印象で

マイクから

やや遠い感じがするというか

舞台録音あるあるの残響が

聴きとれるような……。

 

 

日本流通盤として

ちょっと珍しいと思ったので

購入した次第ですが

帰宅してから確認してみたら

皆川達夫『ルネサンス・バロック

名曲名盤100』(音楽之友社、1992)に

次点としてあげられていたものでした。

 

皆川は同書で

「妙に重苦しく、

もう一歩という思いが

のこります」というふうに

評しています。

 

「妙に重苦しく」というのが

どのあたりから受けた印象か

よく分かりませんけど

ブルスカンティーニのLP録音

比較してのことでしょうかね。

 

一聴してみたところ

重苦しいという感じは

さほどせず

普通かな、と思った次第です。

 

 

推薦盤として筆頭にあがっている

パール・ネーメト指揮盤

初の古楽器演奏と謳われてましたから

こちらはモダン楽器によるものでしょうが

レチタティーヴォで

チェンバロを使っていることもあって

さほど違和感なく聴けます。

 

ちなみに

ネーメト盤のライナーで知って

問題になっていた最後の二重唱ですけど

本盤では 'Per te io ho nel core'

(あなたのせいでこの胸を)のみが

歌われていることを

付け加えておきます。

 

 

邦盤ライナー解説は永竹由幸で

当ブログで紹介したことのある

『オペラ名曲百科』

(音楽之友社、1980/1989)の

筆者ですね。

 

熟年男性と若い娘とのやりとり

というパターンの

インテルメッツォの系譜が

簡単に紹介されていて

勉強になりました。

 

《奥様になった女中》に

流れていくスタイルだけでなく

《音楽の先生》

流れていくスタイルも

紹介されているのが

良かったです。

 

もっとも

そうと知ってしまうと

《音楽の先生》へ流れていく系譜を

辿りたくなってしまい

沼にハマりかねないのが

困りものなんですけど。( ̄▽ ̄)