ヒト・モノ・アソビ... 人生を楽しく快適にしてくれる素敵なものたち

ヒト・モノ・アソビ... 人生を楽しく快適にしてくれる素敵なものたち

サイクルと山遊びのオキドキライフスタイルから発信

(その1を読む)
(その2)を読む)
そんな、店主にとっては革命的(おっと)なCNTオイルですが、そうはいっても話だけで「そんなにいいのかー」と鵜呑みにしてもらえるとは思っていません。これまでどれだけの「オイル」やその他の革命的商品が「出ては消え」を繰り返してきたかと考えれば、「いいえ、今回こそは『本物』です」といったところで同じに聞こえるでしょう。先に述べてきた長ったらしい説明文を読んでいただき、その一部だけでもご理解、納得いただいたうえで、「よーし、それならちょっと試してみようかな」と感じていただかないことには、店主がかんじたのと同じように「うわっ コレすごいかも!」とはなっていただけないだろうと思います。
 
そこで、「お試し」とは言えないかもしれませんが、最初の1回チェーンへの塗布を無料でさせていただきます。ただし、条件があります。まずは現在使用中のチェーン、スプロケットを極力他の油脂、汚れのない状態にします。もう一つは該当商品を1本お買い上げいただくこと。買ってから無料で試すのって意味ないじゃーん、というところですが、試用後にもし気に入らなければ返品、返金いたします。駆動系の洗浄は通常2000円の作業代をいただいていますが、その作業を無料でいたします。その上で1回の無料塗布をいたします。 完全に洗浄をすることでこれまで使用されていた油脂を取り除き、また汚れを取り去ることで純粋にCNTオイルの使用感を試していただくためです。実際にCNTオイルを継続して使用し始めれば多少の継ぎ足しでも構わないとおもいますが、初めての導入時には、チェーンのきれいな状態でその性能を純粋に体験していただきたいと考えています。絶対に「ああ、これは違う!」と感じていただける自信もあります。
 
あまり良い良い、とばかり書くと、どうせお高いんでしょ?と思われるかもしれませんが、販売価格は、 90mlスプレーが1本で1500円(税抜き)です。これまで販売してきたオイルが120mlで1000円でしたが、便利とはいえ、エアゾールスプレーですので少し割高になりますが、効果が向上することも考えればそれほど高いものではないと思います。 その1500円の商品のご購入に対して、通常なら2000円相当の駆動系洗浄と1回のオイル注油がついてきますのでとらえ様によっては「お得」と感じてもらうことができれば幸いです。また、このキャンペーンはお一人何回でも適用可能ですので、オイルスプレー1本買えば毎回駆動系洗浄をいたします。
 
直接ご来店いただくことが困難なお客様には「発送」も承りす。 3本をお買い求めいただければ、送料は無料とさせていただきます。こちらもご活用ください。
 
 
 
なるほど!店主が長らく課題として感じてきた潤滑、オイルに関しての条件を満たすような製品が地元兵庫県のメーカーが生み出し、やはり地元のサイクルショップからご紹介いただくことができました。CNTを分散含有した低粘度のオイルです。製品はLPGのエアゾールスプレーで小さなものが90ml、大きなものが250mlです。黒鉛、という先入観ですが手に噴霧してみても「黒い?」という印象はありません。さらりとした感じですが滑らかな感触はずっと継続します。しかし他のスプレーオイルと比べてみても、あるいはその他のオイルと比べてみても触感では何ともその性能までは判らないレベルです。あくまで人間の皮膚表面での圧力や摩擦で違いが分かるほどではないのでしょう。ただ、どの程度の粘性のオイルをベースにしているのかは大体推定できました。これまでの潤滑オイルではその粘性でチェーンに試用した際に「大体○○㎞位は持続するだろう」ということを掴んでいます。おそらく300㎞位は問題なく持続するでしょう。ただ、固体潤滑の本領を発揮するのはそのオイルが切れた状態でどれだけ金属同士の摩擦低減を継続して持続するか、です。あるいは距離は伸びなくとも、雨水や路面の水、埃などの環境でオイル自体の持続は大幅に短縮されてしまいます。そうした際にこのCNTがなくなってしまったオイルに代わってどれだけ潤滑を続け、摩耗を防いでくれるのか、が大きな特徴となるはずです。ちょっと期待が膨らみます。

ところで、2~300㎞ごとにとチェーンを洗浄して新たにオイルを塗布、というサイクルをこまめに繰り返すのであれば、極端なところなにもCNTオイルでなくとも、どんなオイルでもそれなりの好条件でサイクリングを楽しむことは可能です。100㎞程度で枯渇してしまうような超低粘度のオイルでは役不足ですが、適度な粘度のオイルが見つかれば必ずしもCNTオイルでなくても、というのが正直なところです。果たしてそれだけの効果を感じることができるのでしょうか。
一方で、チェーン以外への活用をいろいろと考えてみます。製造メーカーも必ずしも「自転車用」として開発、製品化したものではないのですからそれ以外にも適した用途がたくさん考えられ、あるいはすでに効果的に実用されているということのようです。研削、切削を行う金属加工や一般的な重量機械の潤滑などにも効果を発揮しているのだそうです。低粘度を生かした高速回転軸への使用も良い結果を得ているそうです。ということはチェーンに限らず、自転車のあらゆる回転部分への使用が効果ありそうです。自転車の整備用工具やチェンソウを含むあらゆる工具、道具にも、です。当然ながら車やオートバイ、ミシンや釣り具、引き出し、扉、アウトドア器具・・・ おそらくあらゆる潤滑を必要とする箇所の全てに使え、そして大きな効果がありそうです。溶液媒体としてのベースオイルも、スプレーガス材料についての情報が明確にされているのでもし適合しない場合は事前に調べることができます。そうしていろいろな試す対象物を考える中で閃きがありました。「グラファイトが無油条件下でのゴムの潤滑性が良い」ということを耳にしたことがあります。商品的には「グラファイトワイパーブレード」というものがあり、ガラス面をワイパーゴムが滑らかに滑ることが特徴です。そうか、ゴムや樹脂と相性がよいのか・・・ 樹脂との潤滑性が良いのはシリコンなどがあげられますが一方でシリコンは金ての潤滑能力や持続性が十分ではないと考えられています。それではCNTを含むグラファイトでは・・・ 金属間での摩擦が小さく、ゴムや樹脂に対しても無油状態で潤滑性が期待できる、となるとかなりの広範囲への適応、効果が期待できそうです。なぜこれに今まで気づかなかったのでしょう!自転車にはブレーキケーブルやシフトケーブルが使われています。金属製のインナケーブルが樹脂ライナーを伴ったアウターハウジングの中を摩擦しながら動いています。グリスでは繊細な動きに抵抗となってしまい、粘度の低いオイルでは間もなく流失してしまい十分な潤滑が不足します。不十分な潤滑で金属ケーブルが樹脂ライナーを傷つけてしまえばさらに摩擦抵抗が大きくなり、到底正確で快適な操作は困難という状態になります。組付けでこれらの適切な処置がされていない(やっていない)場合はスムーズな作動がされていない状態もあります。そこで昨今はケーブルにPTFEなどの樹脂コーティングを施したものを採用することが行われています。ところが「コーティング」というものは長持ちしない、という言葉の現れですからこれが剥がれて引っ掛かって抵抗を増やしているということも起こっているのです。 そこでオイルでもなく、グリスでもなく、CNTオイルを注入、塗布してみようというわけです。ほかにもありました。マウンテンバイクではフロント、あるいは前後に「サスペンション」を有しています。これらのサスペンションはその作動性、つまり低摩擦で軽やかに追従して動くことが求められます。ところがフロントフォークにしても、リアサスペンションユニットにしてもその内部のオイルを外環境と遮断するために、オイルシールやダストシールというゴム製シール構造を備えています。ゴムの・・・といえば上記に挙げた「ワイパーブレード」がすぐに頭に浮かぶのですが、そうシールのゴムリップとインナーチューブ表面との摩擦軽減にCNTが活躍するのでは?と。内部はオイルやグリスが充填されていようとも外気に接する部分や金属表面と擦れる部分の潤滑は十分に行われていません。想像するに簡単ですがこれは大きな効果があるに違いありません。
さらに・・ 少し前にバズった話題としてはベアリング、つまりベアリングの素材(種類)による回転抵抗の性能は実あまり大差がなかった、というものです。ここで紹介されていたものはカーとリッジベアリングに派生する回転抵抗の要因で大きなものはそのボールやレースの素材ではなく、1.充填されているグリスの稠度 2.接触ゴムシールが多くを支配して抵抗となっているというものです。長時間をメインテナンスフリーを期待するものであればグリスの稠度は仕方がないものですが、シーゴムシールの摩擦は何とかして抵抗低減を図りたいものです。加えてゴムシールが接触して摩擦を生じているということはその接触部のゴムの摩耗も考慮されるべき問題です。水や埃の侵入を防ぎ、グリスの流失を防ぐ目的のゴムシールが摩耗していけばそのシール効果が損なわれ、錆や異物混入、潤滑不足というベアリングにとての致命的なものとなります。そこでベアリングの金属転輪と接触するゴムシールとの境界をCNTで潤滑を与えれば・・・回転抵抗が軽減すると同時にシールの摩耗も制限できるということになります。これは画期的なことです。
そうして同じように考えればクルマやオートバイの車体各部やベアリングにも同じことが当てはまります。特にエンジンには数多くゴムシール(オイルシール)が使れています。自転車ほどの損失でなくとも摩耗やシールの損傷はむしろ深刻です。すべてにやるべきです。ところでオートバイに限ってですが、これらのチェーンには原付など小排気量や競技用を除きほとんどが「シールチェーン」というものが採用されています。チェーンを構成するローラーとピンの内部にグリスを充填し、プレートの隙間をゴムのOリングでシールすることで内部的にはメインテナンスフリーな環境を構成して寿命を伸ばすことが行われています。この種のチェーンのメインテナンスとしては内部の封印したグリスを流し出さないために、と過度の洗浄や化学薬品の使用が敬遠、制限されています。結果的には多くの人が「触らず」で外側に「悪影響のない」といわれる専用チェンオイルを「上塗り」しているのが現状です。自転車の整備をする側からすれば埃が堆積した古いオイルの上からさらにオイルを追加してもあまり効果は期待できないだそうし、むしろOリングのゴムをゴムを痛めやしないかと心配するところです。そこでCNTオイルの出番、と考えたのです。シールチェンの外部へのオイル塗布はあまり効果を期待できませんが内部グリスを封印するOリングと接するプレート間での摩擦を固体潤滑の力で低減することができれば結果的にはOリングの摩耗、損傷を抑えることができ、内部の潤滑環境が良い状態で長期に維持できるはずです。これは十分に試す価値はあります。ただし、効果を確認する方法がないため、上記の理論を理解して黙って恩恵を受けるしかないのですが。
その他、オートバイやクルマにも操作用ケーブルが多数使われていますが、自転車用よりは上等とは言えないこれらにはさらに効果が期待できそうです。
 
そうしていろいろと、使用してみながら思いついたあれこれに試して使用していっているのが現在です。最も主となる用途である自転車のドライブチェーンについてはま十分な距離に達してはいないものの、塗布した直後から良い感触をえています。こまめな洗浄と給油のサイクルを繰り返せばどんな潤滑油でもたいさがないのではと記したものの、摩擦係数が半分以下になるという潤滑性向上の効果ははっきりと形には表せないまでも十分に感じることができるものでした。加えて同じ自転車の使用されているすべてのべアリング(接触ゴムシール)にCNTオイルを噴霧しています。こちらも目に見えての効果は表現しようがありませんが、感じる手ごたえと、そしてシールの摩耗を抑えて長持ちさせることができる(であろう)という効果には十分以上に満足を感じています。そしてマウンテンバイクのサスペンション。実は他社からも同様な効果を謡う製品があって試していたのでその効果は明らかに感じるところで、あとは持続性がどの程度なのかを経過観察している過程です。オートバイやクルマの各部への使用でも当然のことながら悪い結果は見られず、例えば本来なら分解してグリスを給脂して、という個所をスプレーで済ませることも可能になると実感しています。たとえばクルマのドアヒンジなどは分解するにも困難、かといって一般的なオイルスプレーだけでは不十分、そんな箇所には高圧面への潤滑が可能になるようです。これらは従来の「モリブデンスプレー」と置き換えて使う感覚でよいと思いますが、価格が安くなって摩擦がさらに低下できるのですから、良いことずくめ、というわけです。
 
以上のようにまだ試験過程なものを含め、良い経過、結果をえています。専ら自転車用にとしてもチェンを主体にあらゆる回転、摺動箇所に使用して十分に高い効果が得られそうです。さらに自転車以外にもと考えると無限の可能性を効果を期待することができそうです。製造する会社は自転車専門の会社ではありませんのでより広い用途と価値観で製品開発を行っています。さらに、潤滑油、オイルだけの専門メーカーではない化学メーカーであることからオイルだけに問わられない潤滑の発想があります。このCNTオイル以外にも次の発想による製品の開発も控えているということで新しい製品にも期待が膨らみます。
 
 
オイルです。これまでにもあらゆる潤滑材や添加物入りのオイルが紹介されてきています。「画期的」「新次元」「革命的」どうぞ好きなように表現していただいて結構ですが、中には「お!」と思うものがあってもその原理を聞くと大したものではなかったり、実際に試してみるとその効果の差を強く感じることのできるものでなかったり・・・ 結果的にオキドキライフスタイルで「これ、今までにない、すっごいいいですよ!」という製品はなかったと思います。潤滑油に限らずともオキドキライフスタイルで「これが今世間で大評判!」というものをお勧めできた製品は数少なく、結果的に「ブーム」で終わったような、なんちゃらワッシャーやベアリング、その他にも今となっては恥ずかしいような「流行り」だけのものをお勧めすることはありませんでした。 潤滑剤に関しては100%満足するようなものはないながら、一定の安定した性能を担保した製品を使って、むしろ「定期的に、こまめに整備して使う」「用途に応じて適した種類を使い分ける」に注力するように提案し、安定した品質と用途種類の明確な「フィニッシュライン」を中心にお勧めしてきたというわけです。
 
どうして満足のいく潤滑剤がないのでしょう。これは店主自身が長く感じている課題です。「油やせっけんをつければ滑る」これは普段生活でも実感するあたりまえのことです。ところが実際のところ、摩擦と潤滑のメカニズム、トライポリジー理論について人類はまだ全てを解明できていないらしいのです。つい先日も学術ニュースで「氷がなぜ滑るかの理論を初めて発見できた(かも)」というものがありました。え!そんなことがまだ解明できていなかったの?と驚くレベルですが、人類の科学はその程度でまだまだ分からないことを経験と推測で工夫を繰り返し、製品として生み出しているのです。例えば身近なものとして「水」で考えてみても、一般的には水によって「滑る」というイメージが普通です。ところが例えば指の先を濡らして紙幣を数える、とか濡れたテーブルの上に薄い下敷きや紙を置くと表面張力による摩擦で滑らないことも体験しています。濡れた路面でスリップすることは経験していますが、からっからに乾いた山道よりも適度に湿気を帯びた土や砂の路面のほうが滑りにくいことも体験しています。一体、液体は滑るのか、滑らないのか。液体のものでなくても例えば固体でもクライミングで使うような滑り止めの粉もあれば滑りをよくするための粉も存在します。なぜ、油は滑るのでしょうか?
十分に研究開発されてきた中で多くのことが分かってきています。潤滑(摩擦)とは物体と物体が異なる方向に移動しようとする際にその境界面に滑り(抵抗)が生じることを表しています。この境界面に「潤滑剤(材)」を介在させることで摩擦を低減しようとするのが潤滑剤の役割です。液体が介在してザラザラとした固体表面が直接接触することを無くす、減らすことが液体潤滑です。物体間の接触荷重や速度、環境に応じて適した潤滑材(オイル、グリス)が選ばれ、また機能を補うために添加剤が加えられています。これらがこれまでの多くの「潤滑油」です。主体となるオイルの性能、種類が様々に開発されて来たのですが、液体である限り限りいずれは流失してなくなり、流損をなくすために粘性をあげげればかえって粘性による抵抗が増加します。添加剤として固体潤滑性を持つ物質を添加して液体では受けることができない高圧、高温にも潤滑性補うものですが、固体である以上オイルのなかで均一ではなく沈殿し、オイルの経路に悪影響を与えかねません。モリブデン、PTFE(フッ素、テフロン)、シリコン・・・ 無機のものもあれば有機のものもありますが、十分に満足がいくものがこれまでに無かったのはいずれもオイルを主体とした液体潤滑であって添加剤はあくまで機能補助ですので根本的な性能を満たすわけではなかったのです。今回の紹介では趣旨が異なるので割愛しますが「極圧(剤)」というのはそもそも極圧(高圧力)に耐える硬度を高めることが本来の目的であって摩擦を低減するものではないということがよく誤解されているのではないでしょうか。その種類によっては酸化や硫化で表面を硬化させますのでむしろ潤滑が低下するのですが。
いずれにしても、例えばクルマのエンジンのように、ほぼ完全に密閉された状態で、かつある程度の容量が循環して潤滑するものでなければ「液体潤滑」には限界があるというのが店主の結論です。しかしそんな箇所はジテンシャにはないのです。
 
一方で液体ではなく境界面に固体(粉体)を介在させて潤滑を行う理論が固体潤滑です。それ自体が滑りの良い固体が何らかの方法で接触体表面に滞在(介在)して潤滑機能を示すものです。液体ではないので粘性抵抗もなく、流出や劣化、油膜切れなども起こりません。砂埃や汚れを吸着することもなく、外環境にさらされているジテンシャには好都合です。固体潤滑?とおもうかもしれませんが例えば障子の敷居に蝋を塗ったとかクルマの塗装WAX、スキーワックスなどを想像してみれば思い当たるものです。フライパンなどのテフロンコーティングなどもそれの類です。ジテンシャであれば金属ブッシュによるドライベアリング、単純に真鍮や銅による軟質金属による軸受けなどです。しかしいずれもこれらの固体潤滑材(体)がその表面に保持して滞在されるかが課題です。繰り返しの擦れではがれ、粉体であれば液体よりも簡単に流失(飛失?)しますし、それらが堆積すれば異物となってゴミ、却って抵抗になることもあります。「コーティング」と名のついたものは強固に定着したものはなく、むしろ「剥がれます」ということを表していますが、PTFEコーティングのブレーキ/シフトケーブルの樹脂コーティングが経年で却って抵抗になってしまっていることは経験済みでしょう。
いやしかし、すでにテフロン、セラミック、PTFE,モリブデンといった固体潤滑材を使った潤滑製品があるではないか、ということですがこれらは「オイルに添加した」あくまでオイルが主体の液体潤滑であって固体潤滑ではないのです。それだけでなく「ご使用前によく振ってお使いください」とあるように溶解しているのではなくただ添加されているにすぎませんので、比重が違えば沈殿し、塗布したとしても均一に作用しているとは言い難い状況です。そしてオイルが流失すれば一緒に消失して効果も失うわけです。ジテンシャにも効果的な「固体潤滑」は不可能なのでしょうか。これが店主の長らく探してきた課題です。
 
二硫化モリブデンと並んで代表的な固体潤滑物質としては「グラファイト(黒鉛)」というものがあります。耳馴染みは少ないかもしれませんが、例えば「鉛筆」。色の濃い(Bが大きい)ほど黒鉛が多く滑らか、です。滑らか?そうです黒鉛が潤滑材でもあり、そのりり^成分が多いほどなめらかなのです。黒鉛とはいえ、鉛が入っているわけではなく、炭素。つまり固体潤滑材のグラファイトもこの黒鉛であって「炭素」なのです。モリブデン(二硫化モリブデン)と違って軽量で化合物ではないので変性もなし、原料には困ることはありません。ただしこのグラファイトのままでは摩擦係数は二硫化モリブデンよりも大きく、潤滑性能で言えば劣るものでした。もし仮に二硫化モリブデンと同様に使用されたとしても、やはり固体潤滑として単体で機能することは難しく、添加剤だったのその粘性をです。

ところが物質、固体をナノコロイドレベルにまで粒子を微小化させることができる技術の出現により、グラファイトをナノレベルにまで微細化したCNT(カーボンナノチューブ)が実用化されます。テフロン、モリブデン化合物がミクロンレベルなのに対してさらに小さいオーダーのナノ(1mの1億分の1)にします。その結果、固体潤滑材としての潤滑性能が飛躍的に向上したというのです。例えば摩擦定数μはグラファイトの1/4、モリブデンの1/2以下です。これまでの潤滑物質の半分~1/3にまで摩擦係数は下げることができたことが大学の研究室レベルで報告されています。分かりやすい例えでは、滑りやすい路面、石ころでよりも、砂で、すなよりも粉のような細かいもののほうが滑らか、つまり滑りやすい結果になる、というのです。

さて、問題はこの潤滑体をどうやって摩擦表面に定着させるのか、です。それができなければこれまでの添加剤入り潤滑オイルと遠からず同じ結果になります。単体で押し付けてもとどまるものではありません。オイルに添加(混合)しても分子ではありませんの溶解はしません(その時点で潤滑機能もないですが)。むしろ微細で軽量なために偏って吸着してしまうようです。沈殿よりもマシとはいえ固体潤滑と呼べるものではなくなります。ナノカーボンを潤滑材として活用するためには液体内に均一に安定した「分散」させることが必要条件になります。
 
今回導入をすることを決めたCNTオイルはこの問題を独自の特許技術で液体中にCNTを「分散」することに成功したことで実現した製品です。技術的には水を含む様々な液体に分散させることができる特殊な技術なのですが、使用用途が金属への潤滑ということであり、接触表面や内部への浸透性を持たせるためオイルに混合(分散)させた「オイル」としての製品になりますが、あくまでCNTの潤滑性能を重視した固体潤滑を主軸にしたもので」これまでの潤滑オイルとは異なるアプローチです。使用されるオイルは特殊なものではなく、浸透性を優先したさらりとした低粘度のものです。オイルの飛散や流失、圧力による油膜切れを防ぐためにはある程度の粘度がこれまで求められてきた潤滑オイルとは異なるものです。結果的に潤滑が必要な個所に少量でも十分にいきわたり、その効果はCNTが担う、というイメージです。
 
以上が、CNTオイルに至る経緯とその仕組みについて受けた説明をまとめたものです。 次回以降に実際に使用して感じた点を紹介していきたいと思います。

(その2を読む)
 
 
またまた「冬用ウエア」の話題です。とはいえこちらは全く人目につかない「アンダー」つまり下着の部分です。パンツの項でお話したように、バイクライドに求められる冬用のウエアには本当に多機能な働きが求められ、簡単に「コレ」というものがなかなか見つからないのです。それはバイク(自転車)専用であっても、人によって求める優先する部分が異なり、運動量、発熱量、発汗量、耐寒感覚、行動範囲や刻々と変化する気象条件など影響を与える要素が多岐にわたるからです。そこで適切な対応策として、実現が極めて難しい万能な優れたサイクリングウエアを求めるのではなく、内側つまり身体に接する側の環境を最善とすることでこれらの様々な要因に広く、適切に対応していこう、というのが一つの方法でもあります。
 
サイクリング、バイクライドに求められるアウターの機能は「防風性」と「通気性」です。オートバイに迫るスピードで寒気の中を走り下るときには高い防風性が求められますし、ランニング並みの運動・発汗を伴う登りでは汗や気化した水蒸気を速やかに排出する通気性が求められます。アウターだけででこれらの真逆の機能を併せ持たせることは不可能ではなくても、十分快適なレベルまで実現することは容易ではありません。そこでこれらの機能を補ってトータルで快適性を得ること、つまり「レイヤリング」が必要となるわけです。ところが「重ね着」すればそれでレイヤリングかというとそうではなく各層(レイヤー)がそれぞれ的確に選ばれて的確に機能してこそ、がレイヤリングの肝(きも)となります。しかもその成果を左右するのはむしろ一番目立たない、隠された「アンダー」によって占められる部分が多いのです。アンダー、特にバイクライドには重要な位置を占めるというわけです。
アンダーウエアの働きを考えてみましょう。「暖かさ」のためだけなら単純にダウンやフリースなどの保温層を肌のすぐそばにもってくればよいのです。あるいは汗や水分に反応して発熱するなんちゃらトテクでよいわけなのですが、スポーツなどで体を動かす場合はほとんどといってよいほど「発汗」を伴います。もともとこの汗は気化熱で体表面の熱を奪い、体表温度を下げる(冷やす)目的で発せられます。ところが寒冷条件の中で運動と運動停止が繰り返される際には、かいた汗が体温を奪い過ぎる(=寒い)、さらに運動で汗が出される、が繰り返されます。結果的には身体の温度調整機能としての発汗が効果的に働いていないどころか、過剰に体温を奪ってしまい、時には生命に危険を及ぼすことになりかねません。そこで肌に接する部分に1層を加え、この層が余分な汗を一時的に保持しながら、急激に気化して熱を奪ってしまうことがないように肌表面から離れた面で蒸発させていくアンダーが必要となってくるというメカニズムです。このアンダーに求められる機能は肌表面に接して乾いた空気の層を維持しながら、汗が発せられれば速やかにそれを吸い上げ身体の表面にとどまらせないようにします。体温を下げすぎないためにはこの吸い上げた汗を生地表面(外側)へ向かう中でゆっくり早すぎない速度で気化させます。ニンゲンが暑いと思えばこの気化した気体を外に排出し、寒いと思えば衣類の中に留めます。汗の液体のままではこの温度調整ができませんので、かいた汗をすべて速やかに吸い上げ、生地の中に蓄えつつ、気化を促進することです。そこで、よく言われる「コットン(綿)は身体を冷やしてしまってだめだ」というのは綿繊維自体が水を吸って乾くのが遅く、いつまでも液体であること。化繊でも水を弾いてしまって吸湿しないもの、はこれまた気化が進みません。
 
もう一般浸透してしまったため、なのでしょうか、Patagoniaの「キャプリーン」の特徴についてはあまり語られなくなってしましました。以前であればカタログや技術的な記事でそのメカニズムについては詳しく記述されていたのですが、改めてその何が優れているのでしょう? キャプリーンはポリエステル素材で作られた、いわゆる化繊です。一つの特徴はそれがリサイクルポリエステルから作られていることですが、それと機能とは別の話です。ポリエステル繊維は軽量、速乾、そしてそこそこの断熱性があることです。一方で汗(液体)との親和性がなく、むしろ水を弾いてしまいます。そこでパタゴニアではこのポリエステル繊維の表面に「傷」をつけ、表面積を増やして、その表面張力によって液体との親和性を高めています。このことによってさらりとしたポリエステルながら、コットンのように素早く汗を吸い上げる機能を付加し矛盾するアンダーウエアに適した生地を実現してるものです。使用する用途によって「COOL」「LIGHTWEIGHT」「MIDWEIGHT」「THERMALWEIGHT」の生地厚がありますが、寒冷な環境での強度の高い運動であればあればミッドウエイトあたりでしょうか。ミッドウエイトを肌に直接着て、起毛ジャージや薄手のフリースなどで保温層を作り、アウターに開閉やベンチレーションで温度調整が可能な防風素材を組み合わせればこの季節のスピードスポーツには完璧に対抗することができます。各社からありとあらゆる「アンダーウエア」が発売されていますが、こうしたシンプルな(とはいえ実現が難しい)機能を高いレベルで満たしているのはおそらくパタゴニアのキャプリーンだと思います。公に発表はされていませんが、アメリカを代表として、警察、消防、軍などで制式採用されているのもその高い実用性のためです。
用途や好みによってジップネック、クルーネックなどがあります。女性用はいわゆる「ババシャツ(死語?)」として出番多く活躍するはずです。同じ生地でボトム(長パン)もあります。ぴたっと張り付いたシルエットではないので激しい運動(足の動き)には適していませんが、締め付けられるタイツが不快な環境での行動や、ストップ&ゴーが繰り返される環境ではこれらのボトムが重宝します。動きの大きな脚の場合は保温性よりも発汗処理のほうが重視すべきだからです。寒冷環境でのハイキングやスノーシュー、スキー/スノーボード、登山・・・
 
実はオキドキライフスタイルでパタゴニア製品を扱うことになったきっかけとしてこのキャプリーンの存在が大きいのです。自転車主体のこんな小さなショップでパタゴニア製品の取り扱いなんてどう考えても不釣り合いですし、ビジネスバランスとしてもアンバランスです。すでに直営の「パタゴニア神戸店」が存在していましたし(オキドキライフスタイルはその翌年開業)「必要性は考えられない」というのが取引をお願いした際の回答でした。ですがすでにキャプリーンを「ユーザーとして」使用していた店主にとってはこの商品無しに自転車店としての正しい商品提案ができないと考え、「キャプリーンだけでも構いませんから御社製品の販売をしたいのです」と説明をして、現在のパタゴニア取り扱い販売店となったといういきさつです。おかげでキャプリーンだけでなく、バイクライドやアウトドアでの活動(整備作業や日常/非日常生活を含む)での機能的な製品を提案させていただくことができています。

 
この季節(寒冷期)のバイク(自転車)ライドで昔からの長い課題は「着るもの」。寒さはもちろん、運動量によっては暑さに苦痛を感じたり、寒さの中でその汗をどうするか、さらに動き易さに加え、雪,みぞれ、強風時には雨といった気象条件・・・ それらをクリアするために専用製品が各社からは販売されていたりするのですが、どうしても自転車専用、機能優先、或いは競技やブランドイメージしたものが多く・・ 着替えてから家を出る時も誰にも会わず、途中に飲食店や商店に立ち寄ることもなく、ましてや電車を使った「輪行」などが一切ない、というのであればよいのですがまずマンションのエレベーターで隣人と乗り合わせた場合に「やるぜ!」といういで立ちではちょっとこっ恥ずかしかったりします。そもそも競技なんて草レースに出ることはあっても競技らしい活動でもないのですし、そしてこの季節にそこまで追い込んだバイクライドをする、というよりは比較的低強度で、運動不足の言い訳に食べもの目的だったり、寺社巡りだったり、という走り方だったりします。そうしたバイクライドの際に「動きやすい」ピチッとタイツでは適していない状況もあるかもしれません。上半身はまあなんとかなっても、その「タイツでないバイクライドに適したパンツ」常に課題として上がてくるものです。
 
オキドキライフスタイルでもその点が提供する、提案する側としての「重要課題」でもあって開業以来、ずっとその目線で商品探しをしてきています。バイクブランドから探すことは諦め、より広い視野まで広げて、それでもバイクに使えるもの、で探した結果、Patagoniaの製品にその条件を満たす製品がいくつかあったこと、これらがオキドキライフスタイルで、自転車店では珍しくパタゴニア製品を扱うことに決心した決め手でもあります。パタゴニアとしても「バイク用」として専門、特化している製品ではありませんので用途によってはバイクで使いづらいと思える細かい点はあるかもですが、逆にいろいろな用途を含む製品がゆえに「自由」や「汎用性」があり、上記のような「そのまま電車に乗る」「百貨店に寄って買い物をする」も可能ですし、スノーシューハイキング、山スキー、ランニングやその他のあらゆるスポーツでも流用できる、と言わけです。
過去にあった製品では「ガイドパンツ」「テイラスパンツ」「インテグラルパンツ」「ウインドトラックパンツ」などタイツのようなピタピタではなくともチェンに絡まないすそ幅で、防風性があり、動きやすい伸縮性とカッティング、撥水性などを備えた優れた製品が多数ありました・・・ た?過去形?

残念ながらこれらの製品は年々モデルチェンジを繰り返しながら変化していき、そしてここ最近は類似するモデルが「無い」状況が続いてしまっています。新製品展示会の度に期待して臨むのですがこの先そうした製品が出てくることは期待薄のようです。 原因、理由はわかりませんがバイクブランドがそうした製品を充実してきたからか(とは思えませんが)、そうした製品を望む方が全くいなくなったから(ええっ)なのか・・・
次が期待できない状態では「今あるもの」でご要望に対応するしかないのですが、そうはいっても何年か前までの製品でサイズも数もご希望に添えるほどのものではなく、「あるもの」でしかありません。特にパタゴニア製品については一度「リペアサービス」へ送って製品のチェックと必要であればウエストゴムの入れ替えを行って製品性能の見直しを行いました。
 
そそてここにあるこれらが今、そして今後も提供できる「最後」の製品です。サイズやご希望に沿えばラッキー。ぜひ現物を手に取ってご確認ください。現品限りです。
左:Patagonia LWガイドパンツ Mサイズ 
中:Patagonia インテグラルパンツ Mサイズ
右:Patagonia ガイドパンツ (売済)
 

左:MHW(マウンテンハードウエア) PEAK PANTS Mサイズ
中:アソス(DB) TRACKPANTS  Sサイズ 
右:HAGLOFS HALO PANTS Sサイズ

先日「フレーム差し上げます!」という記事を挙げていましたが、めでたくご希望の方があらわれ、サイズもぴったり適合しましたので、お客様のご希望に沿った形に仕上げることになりました。


諦めかけていたオリジナルの「ヘッドショック」も分解して整備したちょころ、難なく動作し、使えることになりましたのでフォーク、ステム回りも元のまま使用し、そして街乗りでしか使わないという明確な用途のため、ギア比の構成や組み合わせを吟味して、そうして1台の形になりました。 譲れないこだわり、などもあり決して安くはないお金もかかりましたがもこの仕上がりならば「ご納得」いたただけるのではないでしょうか?何せ、フレーム&フォーク(ホイールも?)「タダ」なのですからっ♪

フレームの塗装面や傷、小さなへこみは仕方がありませんが、基本動作を通常にこなすポテンシャルは当時のまま、何ら遜色なくすぐれたマウンテンバイクとして再生できていると思います。

ほんと、このフレーム・フォークが捨ててしまわれなくてよかった~♪

 

 

 

 

このフレームは1997年、cannondale社の「F900」というマウンテンバイクに使用されていたものです。ヘッドショック「DD60」を装備した当時のハードテールクロスカントリーモデル、です。店主のインストラクター仲間が長らく使用し、後年には「奥様の街乗り用」として使われた後に「誰も要らなければ処分します」というので偲びない思いで引き揚げさせていただきました。

当時のキャノンデール社はレーシングチーム「VOLVO/cannondale」を抱し、「MOTO」フォークの開発など、技術面でも、マーケットでも、一番の勢いを持っていた時代だったかもしれません。アルミフレームが既に珍しいものではなくなってはいましたがアルミフレームの先駆者としてさらに性能を向上させたアルミフレームシリーズ「CAAD3」「CAAD2」を展開していっていました(今日のCAAD13の系譜はここに始祖があります) 。ヘッドチューブ(フォークコラム)内にサスペンション機構を組み込んだ「ヘッドショック」も他社にはな画期的な機構で、それが今の「レフティ」の元になったものです。

20年以上経ったフレームですが、使用に伴うキズや小さな凹みはあるものの、退色も最小限、そして何よりも当時からの軽量、耐久性は恐らく何ら変わらぬままだと思われます。できればこの「HAND MADE IN USA」のフレームの価値を理解して使用していただけないだろうか、と考えて「作例」として形に仕上げてみました。フレームの設計はクロスカントリーモデルですが、キャノンデールが完成車メーカーとなったきっかけである「ツーリングモデル」をイメージした構成としてみました。Wレバーも装着が可能なように、当時の純正パーツを利用して「Wレバー台座」も再現してみました。元々「泥除(マッドガード)」の装着を考慮されたフレームですが、さらに加工を追加しました。 手元にあった「あり合わせ」のリジッドフォークを装着したためにジオメトリーの相違が発生していますが、これは十分に肩下長さのあるフォークを装着することで正常な「姿勢」になると思います。構成パーツはとりあえず手持ちの「あるもの」ですので同じ状態が再現できることを保証するものではありません。 雰囲気はイメージ通り、が完成しました。



この「フレーム」を無償で差し上げます。元に付いていた「ヘッドショックDD60(整備済み/作動確認)」付きです。サイズが大きいのが残念なところですが、トップチューブ長(水平)が約580㎜、シートチューブ(BB~トップチューブ上面)が約470㎜です。フラットバーやライザーバーで使用するなら身長170㎝以上、ドロップやムスタシュバーでなら175㎝以上が適正なサイズかと思います。ホイール径は26インチ、カンチ(V)ブレーキ用台座です。画像の状態の内、販売できるパーツも含まれていますが、販売できない(不完全、私物、非売品などの中古品)ものもあります。
無償で差し上げる条件ですが、「オキドキライフスタイルで完成状態に仕上げること」をお願いします。パーツ代や作業工賃が発生しますがその点にご了解を頂く必要があります。利用できるものであれば「持込」のパーツが含まれていても結構です。

お申し出のあった順番での対応となりますが、早いもの勝ちではなく「具体的なオハナシ」をより優先とさせていただきます。

 

今回はあくまで「作例」ですが、同様に「古くなった」「あまり使ってない」など捨てるには偲びない車体の活用や再生についてはご相談に対応させていただきます。お気軽にお問合せください。

onideration about thru-bolt systeme by DT SWISS
 
これまではマウンテンバイクのトレンド?であった「スルーアクスル」がロードバイクのディスク化と共にロードバイクもスルーアクスルがもはや標準というほどにまで浸透してきました。そこでそのスルーアクスルは本当に効果的で必要なものなのでしょうか?そしてスルーアクスルに対して「スルーボルト」という物は効果があるのでしょうか、を実際に装着して検証してみようと思います。
 
 
・そもそもスルーアクスルとは?

スルーアクスル(左)とスルーアクスル用フレーム(リア)の一例

thru(正しくはthrough)なaxleですから「貫通した車軸」つまり自転車はもちろん二輪車全般に採用される一般的な車軸(ハブ)構造です。それが故にオートバイではわざわざ「スルーアクスル」という名称で区別されることはありません。片持式等を除いてすべてが貫通軸だからです。ではスポーツサイクルに使用されるスルーではない方式とは、いわゆる「クイック」で取り付け、締付がされる9㎜クイック(前輪)10㎜クイックと言われるものです。「QR」などとも呼ばれれるカンパニョーロ社が発明によってスポーツサイクルに広く広まったものです。QR式では外径9㎜あるいは10㎜の中空の車軸の中に多くの場合5㎜程度のクイックシャフトが貫通しており、このクイックシャフトが引き付けられてフレーム(フォーク)がハブ軸のフランジ(当たり面)を挟み込むことで固定されます。貫通しているとは言えない9㎜もしくは10㎜のハブ軸は上方からのフレーム(フォーク)の荷重は支えるものの、フレーム(フォーク)との固定力はあくまでフランジ面とフレーム(フォーク)の内面であってそれが十分に強固であるかどうかが問題に上げられる、というわけです。僅か直径20mmに満たない小さなフランジの面接触だけで、クイックシャフトのレバー(カム)だけで、十分な固定がされて軸のズレや「捩れ」が本当に排除できるのでしょうか?  
そのクイック式に対して車軸がフレーム(フォーク)を突き抜けて抜けているものが「スルー」な状態です。ならばほとんどのオートバイや自転車であれば軽快車(一般車)も車軸(ボルト)が突き抜けてナットで固定されていますので、広義には「スルーアクスルなのですが」どうやら切り欠きやスリットのない状態のフレーム(フォーク)側の丸穴を通ったものを「スルーアクスル」と呼ぶようになったようです。この構造で捩れを抑制しようというのですね。えっ!捩れ(ねじれ)?
 
 
・元々はマウンテンバイクの「サスペンション用」として採用された
「捩れ」という言葉が出てきました。「捩れ」とはどこが「ねじれ」ているのでしょうか。自転車、とくにスポーツバイクで「スルーアクスルが」と必要視されたのはディスクブレーキのためではなく「サスペンション」つまりテレスコピックフロントフォークの出現によって、と言えます。伸縮する2本の円筒形で構成されたサスペンションフォークはそれぞれの「脚(レッグ)」の1本1本が自由に回転してしまう構造です。この2本が各々回転してしまうとそこに挟まれて取り付けられたホイールの左右の動きによってフォーク全体としても簡単に「捩れ」が生じてしまいます。フォークがねじれるということはハンドルを切ってもホイールがその方向に向かない、あるいはタイミングがずれて向く、思った量だけ向いてくれない、そして支えるべき横方向の力が逃げてしまう、といった数々の問題が生じてしまいます。サスペンションフォークではこれを防ぐために「ブレイス」と呼ばれるアーチで左右を繋ぎ、「捩れ」を抑制しようとしています。製品によっては裏表の1対のブレイスを備えて捩れを抑え込む工夫がされたものも存在しますが、捩れの元になる力が発生しているのは車軸側であり、それだけでは不十分なことが実情です。そこで採用され始めたのが「スルーアクスル」。車軸を保持するロアレッグに強固なアクスルを貫通させてしっかりと固定するというモーターサイクルでは当たり前に採用されている(ので倒立フォークも可能なのですが)方式を採用することです。特にサスペンションストロークの大きなトリプルクラウンのサスペンションのボトム用としての採用が当初でした。しかも本来の目的は左右のボトムケースとアクスルをしっかりと一体化して強固に固定することですから貫通したアクスルは「ピンチ(クランプ)ボルト」によってはさみこんで締め付けられていました。アクスル径が拡張して固定するものもあります。その後にはその優れた剛性による追従性や操作性によってシングルクラウンのサスペンションでも採用されるようになり、アクスルのサイズや規格も20mmx110㎜→100㎜x15㎜→110㎜x15㎜などと変遷してきました。ただ、残念なことに強固な固定よりも簡易な脱着を優先した?結果、ピンチボルトでの固定や拡張式による固定が簡便化され、ただの左右から締め付けるだけの「スルーアクスル」がほぼ大半となっています。本来の「スルーアクスル」としての機能や目的は半減していることも実情です。本来ならフォークとアクスルががっちりと固定されるべきところを、片側どちらかの一端が「ただ穴を通ってるだけ」で固定されていないため、「不完全な保持」となっているからです。
この時点ではロードバイクのスルーアクスルの必要性は特に取りだたされていません。なぜならサスペンション機構を持たないロードバイクはクラウンで繋がっていて左右のフォークレッグ(ブレード)が簡単に捩れてしまうことはほとんど気付かず、問題に挙げられていなかったからです。「ほとんど」?ですがフォークがエアロ効果などで翼断面化して捩れ易い方向には進んでます。繊細な方には感じられるかもしれません。

マウンテンバイク(フロントサスペンション)のスルーアクスルの例。両レッグにクランプ((この場合はレバーで固定)(左)とアクスルがレッグの穴の中で拡張して固定するタイプ(右)
 
 
・ディスクブレーキによって注目、採用された「スルーアクスル」
マウンテンバイクのサスペンションによって上級モデルから浸透していったスルーアクスルですが、クイックシャフトの取り付け(締付)不良でもホイール脱落の事故リスクが少ない、ディスクブレーキとの関連してアクスルのズレによるロータの擦れなどが発生しないという点で更に広くスルーアクスルが広まりました。ロードバイクにも採用され始めたディスクブレーキでしたが、サスペンションとの組み合わせでの必要性よりもこれらのディスクブレーキとの組み合わせた際の取り扱い不良のリスクを回避するため、そしてハブやホイールを製造するメーカーとしては製品規格をなるべく統一して種類を少なく(コストダウン)する思惑もあって、マウンテンバイクで規格統一化の方向に向かう、「フロント「100㎜スルーアクスル」「リア142㎜スルーアクスル」を積極的に推し進める結果となりました。本来はマウンテ
ンバイクのサスペンションでの捩れを抑制するためが本来の目的でしたので、マウンテンバイクは必要な太さの「15㎜」を維持しましたが、元々その必要性のなかったロードのフロント、そしてリアに関しては12㎜のものに落ち着き、規格の統一には至りませんでしたが・・・
本来のフォーク(フレーム)の捩れを抑える、よりもディスクブレーキ装着時の使い勝手(位置決め)や締付不足でもズレてしまわないという目的に移行(迷走)してしまったために、当初の目的のスルーアクスルとはその構造が変わってきてしまった面もあります。現在主流となっているスルーアクスルでは、先端にフレーム(フォーク)にねじ込むための雄ねじが切ってあり、反対側はクイックと同じくレバーやあるいはレンチで締めこむ構造になっています。ですからレバー側のフレーム(フォーク)はただ「穴」が開くているだけで、軸を強固に保持する構造ではなく、軸方向の締付(押し付け)による摩擦によってのみ固定されています。この構造だと締付が多少不足しても、穴によって車輪が脱落したり、大きくズレてしまう心配は確かにありませんが、本来のスルーアクスルに求められてた「軸を強固に保持して捩れを抑える」の効果はほぼ期待できず、実際には上記のクイックシャフトによる締付に劣ることは無くとも、飛躍的な効果は期待できないといえるでしょう。それでも「絶対に効果が感じられた」というのはやはりクイックシャフトでの固定が余りに頼りないものだったのだとも考えられます。
一時期、フォーク(フレーム)の「切り欠きを埋める」という鉄製のワッシャーが話題?になりました。切り欠き分のために締付力が均一ではなく(固定力不足)、中空の車軸を曲げて回転を妨げている(本当!?ププッ)というものです。ところが使用者の投稿画像を見るとすき間が開いているのに「効果があった!」とかの記述があったりw 効果がない、とは言いませんがフォーク(フレーム)と同じ材質で寸部の違いない寸法でなければ、すき間があって効果が無いだけでなく、0.1㎜でも厚みがあればフォークに固定ができていない非常に危険な状態です。それでも多くの人が「効果があった」と実感するのですから、恐らくこれによってはじめて「締付強さを意識した」だけの結果ではないかと思っています。
スルーアクスル、に話をもどしますと、現状の構造ですと、ディスクブレーキに伴う使い勝手の向上は有っても、サスペンションで見られたような本来の効果は期待できない。総合的にはそれほどの大きな効果、必然性はないかもいれません。(ピンチボルトや拡張式で完全固定するものを除いて)
 
 
・クイックシャフトの欠点
少し戻ってクックシャフトで何がだめなのか?を改めて考えてみます。上述の様にクイック式の中空の車軸はフォーク(フレーム)が乗っかっているだけで軸には固定の要素がありません。ハブ(軸)とフォーク(フレーム)が固定されているのは当たり面のロックナットでありそれに相対するナットやレバー基部との挟み込むことによる摩擦です。締め込む力が十分であれば大きな摩擦で固定されるため、ズレの心配はないのですが、フォークやフレームの材質によっては簡易なアルミだけで作られたナット(レバー側も)では「滑り」が懸念されます。ナットの当たり面が鉄(ステンレス含)で造られているものは現行では「マヴィック」「DT SWISS」が主なもので、それ以外の特に「軽量」が売りの製品ほどアルミ製です(シマノでもM960辺りからアルミナットを採用になってしまいました)。それでなくても取り扱い方で充分な締付が行われてない上に材質で滑りやすい、となるとホイールのフォーク(フレーム)への完全な固定は期待できず、結果的には捩れが起こりにくいロードバイクですら、ハンドリングに切れがない、思ったように曲がってくれない、と言うことが起こります。試しにクイックシャフトを「緩い目」に取り付けてフロントホイールを膝で挟んでハンドルバーを右左に動かしてみれば、どの程度のフォークとハブの接点で「捩れ」が生じているかは簡単に実感できます。同時にどの程度の締付が本当は必要なのかも体感することができます。
加えて、フォーク(フレーム)から引き付けているのは外径5mm程度クイックシャフトです。強度や伸びで不十分とは言いませんが車軸に対して「直角」ではありません。よく言えば「調心」、悪くいえば場当たり的な不均一な締め付けですからフォーク(フレーム)に切り欠きがあれば強く締めた力はその何もない空間に逃げてしまっています。これでは幾ら強く締めたところで、強くは固定出来ていない、というわけです。それと、これはクイックシャフトの問題ではありませんが、最近のハブはフレームとの接触面がアルミのものが多くなってきています。スルーアクスルとの兼用設計にするためのアダプターがアルミだからの結果ですが、ナットの接触面がが幾ら鉄でも、肝心のハブ側がアルミ製であれば結果は同じことです。この点を徹底しているのは唯一「DT SWISS」だけでしょうか。軽量を重視するモデルにも徹底しています。

9mm・10mmアクスルのエンドキャップとクイックシャフト(Φ5mm) フレームとの当たり面は「スチール」が埋め込まれています
 
 
・スルーボルトとは?
そこで、ここからがようやく「本題」です。
長々と、スルーアクスルは何か?その効果は?ではクイック式は?ということを述べてきたのですが、結論としては、スルーアクスルは本来の効果は十分では無いとしても避ける必要もない歓迎べきものであること。一方、クイック式は(サスペンションでなければ)特に問題はないのですが、構造や素材、そして取扱い次第では性能を発揮できない、時に危険ともなる、そしてスルーアクスルに匹敵する効果は期待できない、ということになるようです。
では、今すぐにスルーアクスル(のフレーム&ホイール)に買い替えなければならないのか!というとそれに越したことは無いのですが現実はそういうわけにはいかないでしょうし、ワッシャーではどうやら改善できないようですから、さてどうした物かというところです。
そこで(やっと)提案するのがDT SWISSの「スルーボルト」です。スペシャライズドのOEMフロントホイールに採用されていたこともあるので目にされたことがあるかもしれません。構造としてはハブはスルーアクスルのように軸穴が開いています。その軸がフロント9mm、リア10㎜の貫通したもので片端がナットになっています。クイック式フレーム(フォーク)をスルーな軸で使用することができる構造というわけです。
「そんな形だけスルーアクスルのようなことにしても中途半端で不十分なんじゃない?」というのが素直な第一印象でしょうか。ところがよく観察してみると、そして考えてみると実は実用的で効果的な方法なのでは、と気付いたわけです。
サスペンションフォークのように左右のレッグが各々動いてアクスルに大きな「曲げ力」がかかるのであれば大きな径が必要でしょうが、リジッドフォークではその心配もなく中実の9mm/10㎜ですので十分でしょう。固定方法も回して締めるに工夫がありむしろスルーアクスルのクイックレバー式よりも強固に固定できるようです。太い(9mm/10㎜)軸に直接ネジを切っていますので精度の高い直角度でフォークの切り欠きに関係なく均一に締付ができます。手で回すレバーとフォークに接する部分が自由に回転できるスイベル(アキシャルベアリング)構造となっていますので摩擦によって強い力で締め付けられない、がありません。そして、ハブ側、ナット側、全てのフォーク(フレーム)当たり面に滑り止めの鉄製となっていますので、フォーク(フレーム)の材質に関わらず強固な固定ができるのです。スルーボルトは形だけの「ナンチャッテ風」ではなく実に効果的な構造、さすがDT SWIS!というわけです。

これが「スルーボルト」 それぞれ9mmと10mm。5mmのクイック軸と較べると径が倍w
 
エンドキャップを交換してアクスルを入れた状態。フレーム(フォーク)との当たり面への配慮は抜かりなし。


外観では全くなにも変化なし。ということはリアは標準のハブ軸スタンドやローラー台も使用できるということ。
 
 
・スルーボルトは伝統的フレーム(フォーク)において有効な効果を産む最善唯一の方法
簡単にまとめてみます。
◇本来の「スルーアクスル」はサスペンションフォークのように左右のレッグが自由に動くような構造の場合は非常に有効、かつ必要
◇現座主流の両側から締め上げる「スルーアクスル」の場合は固定力としては不十分ながら、ロードなどのリジッドフォークではほぼ過不足ではなく、むしろディスクブレーキを装着した際の「位置決め」や「安全性」ために採用
◇5mmクイックでも十分とはいえ、スルーアクスルやスルーボルトほどの確実性ではなく、取り扱いや材質によっては不十分な能を示す
◇スルーボルトは12㎜スルーアクスル並みの固定力を実現でき、これまでのクック式のフレーム(フォーク)にも導入が可能
つまり、
ディスクロードに買い換える/買い増す、であればスルーボルトは必要ないでしょう。そうではなく従来フレームをカルト的なワッシャーに頼らずに「まともな旋回性、ダンシングの推進性」を向上しょうとした場合には、このスルーボルトが唯一で、そして確実な方法だと考えられます。
DT SWISSのハブの場合、「9mmクイック」↔「スルーボルト」↔「12㎜スルーアクスル」がアダプターの変更だけで可能です。ホイール(ハブ)の基本的な性能を維持しながら、フレーム(フォーク)に応じて最善のアクスル方式が選べるのです。折角買ったホイール(ハブ)がフレームの入れ替えで全く使えなくなってしまうのは非常に残念ですが、DT SWISSであれば単なる寸法合わせのアダプターではなく、機能的にも維持(あるいは向上)できることは経済的にもメリットがありますし、何より「正しい選択ができた」という満足感もあります。もしも、お手持ちのロードバイクが「クイック式」であったとしても、そのハブが「DT SWISS(系を含む)」であれば「スルーボルト化」できる可能性があるとことになり、さらに将来に12㎜スルーアクスルのフレーム(フォーク)へとなった場合にもホイール(ハブ)はそのまま使用できるということです。もしくは今から買うホイール(ハブ)は「DT SWISS」を選んでおけば将来どのようなフレーム(フォーク)にも高い性能のまま移行して長く使えるということになるようです。長く使えるということはメーカーにとってはあまり得ではない、ユーザー想いの設計ですがね。
 

さて、その実走結果は?
CAAD12 DISCに、前後共に9mm/10㎜のスルーボルトに換装して実走しています。残念ながら小店主の鈍い感覚では、あるいはCAAD12に採用されているフォークの捩れ剛性が元々高いからか、雑誌や他のブログやレビューで見られるような「圧倒的に判る剛性アップ!」「この違いが判らなければ自転車やめても良いのでは」という表現の相当明確な性能アップまでは感じられませんでした。急こう配とタイトなカーブで定評(不評)の地元の裏山ドライブウエイの下りでしたが、相変わらず気持ちよくスパスパッと小気味よく回れます。それ以前の状態に大きな不満を感じていたわけではありませんが、さらに「自然に」カーブに飛び込んでいき、驚くほどの変化も、そして恐怖を感じることもなく極めてナチュラルに走ることができています。もしかすると「同じ様に」走っている感じているつもりで、以前よりも速度があがっているのかもしれません。逆に同じスピードで走っているならその余裕からより安全性が高くなっているのかもしれません。性能向上が実感できることも重要なことですが、より自然な感じで安全に走ることができる、ならそれも重要なことだと思います。
今回の検証でスルーボルトに限らず、DT SWISSのハブなりホイールなりに対する真剣な理論、思想を改めて実感することになりました。飛びぬけた話題性ではなく、正に「実直」ともいえるモノ作りに対する思いの一部を感じることができました。信じて選んで良い製品、メーカーだと思いました。

「ロードに乗っている知人の紹介で」とロードバイクのご購入を検討されている方がご来店されました。
「あんまりイイ(高い)のは要らないんです。」もちろん、それが普通です。だって競技するわけでもないと今の時点では思っていますす、見栄や自慢のために買うわけでもないでしょうから。純粋に「気持ちよく運動と移動が出来たら・・・」それが多くの方の「等身大」の動機でしょうし、極めて健康的な物だと思います。
「運動のために」という言葉に、軽快車や電動アシストではない目的があるのでしょう。ただ、個人個人で「運動」の差すレベルはさまざまです。「一般的には」という例と、お客様ご自身のスポーツ経験などを簡単にお話を伺うことで「ド正解」ではなくとも的を絞りこんだ車種選びを進めていきます。その結果、最初から知人からも勧められた通り「ロードバイク」で間違いがなさそうです。実はこの時点でお客様は既にいろいろご自身で調べていらっしゃっており、特定ブランドの特定モデルを「ご指名」されてこられていました。しかし残念ながら、小店主の勉強不足で始めて聞くブランドの製品だったため「すみません。内容について詳しく調べて良さそうかどうかを調べてご説明しますね」と宿題としてお預かりして、「一般論」として価格やその内容の仕組み、フレーム素材による違いやメリット、デメリット、国産なのか海外製なのか、メーカー製品なのか、き企画製品なのか、サイズのこと、重量のこと、今後の発展、展開の可能性などメーカーやモデル(グレード)を選ぶ際の一通りの説明をさせていただいて、そしてこの日はお帰りになりました。
早速、初見のブランドのことについて調べてみますと、日本のブランドながら海外で製造される「企画製品」でしたので、その旨を電話にて説明し、後日またご来店いただくことになりました。

結果的には、小店が説明した内容を十分にご理解いただけたようで、購入時の重量や、付いてくる部品のグレードだけではなく、全体としての構成や、構成の核となるフレーム/フォークの将来性などを見越してお選びいただくべき、のモデルにめでたく決定していただくことができました。

同社のエントリー(価格)モデルながら、このフレーム素材に関しては長年の蓄積に裏付けされた性能と、信頼性が高いですし、構成されるパーツも高級ではないにいても必要十分なものです。フォークに関してはカーボンコラムの上位モデルに引けを取らないものがスペックされており、フレーム/フォークの価値だけでも十分な商品力があります。それを考えるとこのパッケージで完成車\100,000-は粗悪なパーツでも許せるかなのレベルのはずですが、ホイールはともかく急いで交換する必要のあるものもないほどの構成です。強いて上げればブレーキ、とうよりもそのシューの交換だけで充分なレベルです。 実にお勧めしやすい、裏切らないモデルです。カラーに関しては実物が無く、止むを得ずカタログの画像だけから選ぶことになりましたが、小店主推しのこのカラーで、結果的には大変喜んでいただけることになりました。

 

キャンプの環境が整ってくるとの同時に、複数の方から「テント選び」のアドバスを求められましたので、少しまとめてみたいと思います。
野外で就寝をするための「テント」ですが、人数(大きさ)を含め、その目的、そして自然を相手にするということから、ありとあらゆる種類、いくつものメーカーからテントが提案されています。これらのなかから「自分(達)用の」ベストな1つを見いつけることは確かに容易なことではなさそうです。本格的な登山なのか、高所の厳しい環境で使用するのか、あるはその逆に快適性と便利性だけを求めるものなのか、携帯してその運搬を考慮する必要があるのか、もちろん購入費用や保守など・・・
どんな製品にでも言えることですが、全てが長所である製品は有りません。全ての製品が短所長所としてではなくそれぞれに「特徴」を持っていて、使用する側がその特性を理解して取捨選択、トレードオフを判断して選ぶ必要があります。特に自然の中で使用する前提のものであれば、都会の日常生活と全く同じ「快適でラクチン」を求めてしまっては大切な「自由」や「自然」を失ってしまいかねません。キャンプや野外生活は幾分の「不便」を工夫や経験でクリアして楽しむこと、自身の適応能力を発見する、成長させる目的を持つという意味ではそうした不便よりも優先するものがある、そういう基準も含めての製品選びを考えて(提案して)行きたいと考えています。

まず、使用状況の前提です。必ずしも全てが予想内の「想定の範囲」である必要はありませんが、ある程度の絞り込みは必要です。個々のケースによって異なりますがここでは相談のあった、共通するケースについて主に考えていきたいと思います。多くの場合、「等身大」にちかいケースではないかと思います。
子供との「ファミリーキャンプ」としてではなく、自分一人の、あるは子供を一人のニンゲンとして一緒に行動する「1対1」のような「1~2人」の人数で使うもの、と考えます。1~2人用であれば一人で使用する際に「ゆとり」もありますのでテント内での炊事も可能です。そして使用する環境は「冬季の高山」はなくとも3シーズンから冬季の低山を含む野山の里地。草地、土地はもちろん、河原のような石、あるいはコンクリート、雪上も含んだ表面。台風のような豪雨はなくとも通常程度の雨や風はあるでしょうし、むしろそれらを避けるためのテントでもあります。車に道具を積んでいくキャンプを含め、オートバイツーリング、もしかしいたら自転車でのキャンプツーリングや登山で使用できるというものが良さそうです。逆に「便利で快適」を優先した重くて設営できる場所も選ぶ、というものでは困る環境を含んでいるかもしれません。こうした前提や想定を元に求める機能をまとめて挙げてみます。
 
・(1~)2人用
・自立式、つまりペグダウンが無くても設営可能
・設営撤収に時間を要しない
・(ある程度の)軽量コンパクト なんとか自転車でも運用できる クルマに常載しておける
・(ある程度の)対候性 冬季山岳を除く4シーズン
・(ある程度の)快適性 最低限の居住空間の確保
などでしょうか。
 
逆に「切り捨てた」ものは
・立って居住が可能な高さ
・テント内へ薪ストーブや煙突の設置
・区割りされた部屋 玄関や調理スペース
・テント内へベッドを設置
・・・以上、不要ですよねw
 
構造的なテントの種類
ある程度の立壁高さ、耐風性、軽量などを満たすため、1対のクロスしたポールで構成される「ドーム型」やその派生形となるでしょう。ポールは短くて少なくて済みますが「家型」は張綱が必須なのと共に耐風に劣りますし、軽量を優先する「ビビイサック」の類は快適性の面でお勧めしかねます。究極の応用対応能力としては「ツエルト」をお勧めしたいところですが、条件と経験の敷居が少し高いと思います(それでもお勧めデスが)。
 
生地や構成の種類
ドーム型、だとしても大きく分けて、フライシートを装備するタイプ(ダブルウオール)と1枚の防水透湿素材生地で構成された「シングルウオール」に大別できます。それぞれに長所と短所がありますので好みや優先する特徴で分れるところです。
 
「フライシートタイプ(ダブルウオール)」の長所
・フライシートと本体生地で機能を分担して長時間の雨にも快適
・本体内側の結露が起こりにくい
・フライのありなしや外張を装備などで季節や気候に応じてアレンジが可能
・低価格
 
「シングルウオール」の長所
・フライシートがない分の軽量でコンパクト
・設営が容易
・ネットを装備したものは風の通りがよい
・出入りのための開閉が1回で済む
 
これらの条件を満たす現実的な商品を比較してみます。国内外にテントメーカーはありますが、日本の気候にマッチしている、修理やパーツの供給の不安が少ない、などの点でできれば国産メーカーをお勧めしたいところです。ただしブラックダイヤモンドのシングルウオールシェルターは価格面でも国産製品に匹敵する製品としてリストに挙げました。
国産メーカーとして「モンベル」、「アライテント」そして海外メーカーの「ブラックダイヤモンド」からリストアップしました。
 
・モンベル ステラリッジ2 [+フライシート] 1~2人用 【ダブルウオール】
本体¥27500+フライシート\11500(=\39000)
HxLxW:105㎝x210㎝x130㎝ 重量:1.433㎏+0.36㎏(=1.79㎏)
特徴:本格的登山にも使用可能なスペック。ポールが「引掛式」により設営が早い
 
・モンベル マイティドーム2 1~2人用 【シングルウオール】
本体¥49900
HxLxW:105㎝x210㎝x130㎝ 重量:1.41㎏
特徴:ブリーズドライテックを使用したのシングルウオールテント とにかく軽量
 
・モンベル ムーンライト3 2~3人用 【ダブルウオール】
本体¥32800
HxLxW:135㎝x210㎝x165㎝ 重量:3.8㎏
特徴:山岳用としては使用できないが大きく快適性を優先。ポールは「引掛式」 フライシートとの空間が大きくあり、雨天でも最も快適なテント 自転車ツーリングには不向き
 
・アライテント エアライズ2  2人用 【ダブルウオール】
本体¥44000
HxLxW:105㎝x210㎝x130㎝ 重量:1.55㎏
特徴:ダブルウオールでフライ込みのこの重量はさすがです! 正真正銘に日本で製造される純日本製。長期に渡って修理や補修品などの心配が一番ないものです。オプションが豊富で冬用外張りを使えば本格冬季登山でもっ使用できる(もしくは保温性アップ)拡張性があります。

 
・アライテント Xライズ2  2人用 【シングルウオール】
本体¥54000
HxLxW:105㎝x210㎝x130㎝ 重量:1.58㎏
特徴:透湿防水の「ーTREK」を使用。正真正銘に日本で製造される純日本製。長期に渡って修理や補修品などの心配が一番ないものです。エアライズと同じ構造ですので全てのオプションが共用でき、冬用外張りを使えば本格冬季登山でもっ使用できる(もしくは保温性アップ)拡張性があります。
 
・ブラックダイヤモンド ハイライト2P  2人用 【シングルウオール】
本体¥44000
HxLxW:102㎝x208㎝x(106~)147㎝ 重量:1.42㎏
特徴:メーカーとしての位置づけはあくまで「シェルター」ですので長時間の雨などには他のテントに較べて苦手。一番の特徴は他にはない長手面の出入り口。大きく解放でき出入りと通気性が良い。2.5本のポールを使った「庇」のために雨天時の通気性も良い。独自の内側フレームは設営にクセがあるものの、慣れれば合理的。
 
 
ざっと思いつくのはこれらでしょうか。どれを選ぶかは非常に悩ましいですが、「そもそも雨と判ってたらキャンプしない」であればハイライト。登山も含めて長年使用と拡張性ならエアライズ。ひとつでなんでもそこそこに使うならマイティドーム。そんな感じではと個人的には考えています。同程度の性能を求めると「MSR」だと85000円のAccess(中国製)あたりとなってしまいます。ではなぜもっと手軽なお値段のノースやシェラをおすすめしないの?それは・・・ ウフフ