キッズバイク(子供車)、幼児車選びの選択肢として「おさがり」活用のゆるーい勧め  | ヒト・モノ・アソビ... 人生を楽しく快適にしてくれる素敵なものたち

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サイクルと山遊びのオキドキライフスタイルから発信

自転車店、としてはジャンジャン「新車」をご購入いただく方がアリガタイ、お話なのですが・・・・
幼児、低学年児の身体の成長を考えると1台の自転車に乗り続けることができるのは2~3年。無理して4~5年、は厳しい感じです。ちょうどいい感じで兄弟/姉妹がいれば家庭内で「おさがり」有効に回していくことも可能なのですが、年齢差が微妙だったり、性別で色の好みが違ったり、やっぱり下の子が「不憫」だったりなかなかそうはいきません。そうなると「家庭」のわくを越えた、親戚や、ご近所、友達間で「融通」していただくなりして製品寿命に見合った活用をしていっていただきたい、と思うのです。

摩耗や損傷のない「新品」をお使いいただく(ご購入)いただくのも非常に理想的ですが、もしかすると・・・ 「どうせ2~3年で乗れなくなるし」という気持ちで購入する人が大半になると、「どうせ2~3年しか乗らないだろうし」という気持ちで販売する販売店が増えてしまったり、そして製造元が「どうせ2~3年しか乗らないのだから」と、販売価格を下げる努力をした結果は2~3年程度しか使えない耐久性と品質の製品だけが市場に出回ることになりかねません。 同じ新品(新車)でも「10年後の機能」を見据えた製品と「2年も使えれば」程度で企画された製品とでは、初めの1~2年を使用するだけでも明らかに乗りやすさ、造りの丁寧さ、乗り手への優しさなども異なるものになってしまいます。仮に体格が変わらない大人が乗る製品も「10年(一生)持つもの」と1/5の価格で「2年程度のの寿命(品質)のモノ」を5回乗り継ぐのと、どちらが快適で乗りやすい製品化は想像がつくのと同じことです。安易に「安いモノ」を買い求めていって、長く使えるしっかり作られたものが市場から姿を消してしまうことがないように、という強い懸念からも「おさがり」を上手に活用して産業界の質(体質・品質)を維持出来たらと願うのです。

今般、店主の子どもが12インチ車(これも「おさがり」でした)から、16インチ車へ移行するに際しても、やはりこの考え方から、譲っていただける方を募集して、幸いなことに小店から過去に販売させていただいた製品を使わせてもらえることになりました。
幸い(なのか?)子ども自身が「新しい自転車を買ってほしい」ということを言わない(思わない、?)のでこのことが非常にありがたいことです。逆にどんな自転車が欲しい?との問いに「~色の自転車っ!」というわけで、むしろ新車がどうかよりも「好きな色」であることのほうがプライオリティが高い、のかもしれないという発見もあります。希望するカラーは「市販品」では見つかりそうにもない色の場合は「おさがり」を好きな色に再塗装すること、そしてその工程を子どもの「遊び(学び)」として活かすことも副産物として良かった、という印象です。

まず、白紙状態の自転車の「ぬりえ」を渡しておいて「好きな色の自転車にして『せっけいず』を作っておいて下さい」と指示します。おそらく頭の中にはイメージがあるはずですのでそれを「絵(図)」にアウトプットすることで明確にし、かつブレないようにします。おそらく何枚かを塗ったのちに「第1候補」が決まったようです。次に、必要な色は何色か?を確認します。 すでに絵画や粘土などで混ぜるとナニ色になる、はある程度の理解があるのでこちらは赤、青、黄の3原色と白(と黒)のみを準備しました
フレーム単体にするなどの下地、の「裏方行程」は親(本業)の担当となりますが、いよいよ「着色」作業に取り掛かります。 「何色から先に塗った方がいいか?」考えてもらい、境界の「マスキング」についてはほかで技術例を見て理解をしてもらいます。実際のマスキング作業は親の手伝う割合が大きくなりますが、さすがにこれはまだ難しいようです。塗る色の順序、思った色を作る調色を考えながら、「せっけいず」通り(?)になるように作業を進めていきます。フレームを保持したり、ペンキの容器の開け閉めなど親の手助けはいくつも必要ですが、どうせ「自分が乗るもの」ですから、塗りの出来栄えや仕上がりについてはほとんど口出しなしに放置、します。
時間の関係で、マスキングや乾燥不十分だった箇所はあるにしてもも、ひとまず完成、です。

その後は裏方作業(本業)を経て、塗り上がったフレームを自転車の形に戻していきます。単純に外しておいたパーツを組み戻すだけですが、実はコレ大人の依頼する「オーバーホール」と実質的には同じ内容になってしまいます。内部を見て摩耗や損傷があれば修理や交換をしますし、給脂の状態、ベアリング類の調整、そして体格や体力に応じたセッティング・・・ これも大人の自転車を同じく、ある程度乗られたものはむしろ新車よりも「当たり」が出てきていることもあってむしろ新車状態よりも良い状態に調整できることもある、など「おさがり」だからこその、メリットも少なからずあります。それも新車時には「これでもか!」と可能な限りのな調整をしてお納めした小店販売の製品ですからさらに「勝手知ったる」で整備内容を突き詰めることができます。結果的に非常に回転部分の調子のよい自転車になりました。ブレーキレバーに内蔵されたリターンスプリングを抜き、代わりにケーブルの動きとキャリパースプリングの働きを最大限にバランスさせることで、小さな力でも操作しやすい調整に仕上げています。

果たして出来上がった自転車は、ご要望の「両立スタンド」と「ロック」を装備して出来上がり、です。
ご本人は「色」で満足しているはずですが、スムーズな転がりと操作性を合わせてもむしろ「新車」よりも「良いモノ」に仕上がったのではないでしょうか。
販売店(自身)やメーカー、産業界にとっては「おさがり」つまりセコハンの普及は由々しきことになるかもなのですが、しかし、上述のようにこのまま「安かろう、悪かろう」の一途を辿ってしまうことへの懸念に対する、小さなごく一部の行動選択の例としてのご提案です。何よりも当事者である「こども」が何に対して満足するか、してくれるか、ですから。

オキドキライフスタイルでは「おさがりを探している」のご相談をはじめ、購入時の下取りや不要車の引き取りなどもご相談に応じています。原則的には小店で購入の、という条件が付きますが例外を含めてお気軽にご相談ください。
また「裏方作業」のフレームばらし、塗装、組み立てなどにつきましてもぜひご相談ください。
 



【裏方作業】

クリア塗装、とはいえ、軽く塗装を落としておきます。簡単に水研ぎ。

 


均一な下地になるようにと「黒」を。
 


塗色に「黄」「赤」が含まれると聞き、急遽「白」を重ねます。
 


取り外したパーツをチェックし、必要であれば整備を加えます。状態は非常に良かったですが、ブレーキケーブルのみ新品に。 組み立てて完成♪