古賀饅頭店 破れ饅頭
前回に引き続いて長崎の美味しいお饅頭を紹介してみます。 長崎に限らず九州ではお餅よりもお饅頭が好まれるのでしょうか、饅頭屋さんが本当にたくさん有って、人気店、名店がキラ星のように各地に点在しています。
今回紹介します諫早市の和菓子店もそのような一軒で、地元で長らく愛されてきたお店のようです。
諫早は福岡方面からだと長崎、佐世保、島原、3方向への分岐点となる交通の要衝ですが、町の中心はそのJR長崎本線の諫早駅でなく、そこから島原鉄道で一駅の本諫早駅周辺となるようです。
その本諫早駅前近くにお店を構えているのが古賀饅頭店、真新しい外観ながら創業から100年近い老舗和菓子店です。
店内のガラスケースには、九州独特?のやぶれ饅頭の他にも黒糖饅頭、甘酒饅頭などが並んでいます(こちらでもやっぱりお饅頭が主役)。 今回はそれらの中から気になるものを幾つか購入してみました。
最初は、古賀饅頭店の人気商品のやぶれ饅頭、一見普通の薯蕷饅頭風ながら、中の餡玉に生地を流しかけている?のか、生地の厚みが均等ではなく所々餡が覗いて見えるのが特徴です。
全国に見られる”田舎饅頭”とは良く似た外観ながら、生地に厚みが有るところが微妙に違っていて、九州の一部で見られるローカル和菓子です(発祥は宮崎県延岡らしい)。
生地はしっとりしていてフカフカ、薯蕷饅頭のような感触があります。 中の餡には”赤”(小豆つぶ餡)と”白”(手亡つぶ餡)の2種類有って、小豆つぶ餡では豆の皮も柔らかく仕上げてあり、くどさの無い風味と旨みをしっかり味わうことが出来ます。
白つぶ餡も豆の皮の柔らかさが絶妙、しっとり感のある品の良い旨みが秀逸です(どちらも一つ77円のお菓子と思えないくらい)。
次も気になって買ってみた甘酒饅頭。 九州では、酒饅頭の他に甘酒饅頭というのも有って、中には両方を販売しているお店も有るようです(違いが良く分からない)。
購入した甘酒饅頭も酒饅頭と同様に独特の良い香りがしてきます。 生地の表面はツルツルとした光沢が見られ、中にも均等で大きめの気泡がたくさん(噛むほどに旨みが増してくる)。
中は小豆こし餡になっており、クセもなく滑らかさも十分。 小豆の旨味とコクが楽しめる餡に仕上がっています。
甘酒饅頭? 私には伝統的な製法の美味しい酒饅頭という印象でした(こちらも77円のローカル価格、諫早の人が羨ましくなります)。
最後は、こちらも古賀饅頭店の人気商品らしいドーナツ。 お饅頭など和菓子が並ぶ店内で、このドーナツ(1種類のみ)がかなり目立つ所に置かれていました。
一つ一つ形が異なっていて手作り感満載。 見た目は固そうですが、意外とふっくらしっとり。 甘さも程良い感じ。
特別変わったこともしていないのでしょうが、素朴な味わいが何とも魅力的。 食べ飽きない魅力が感じられます(古くから売られているらしい)。 90円
諫早には古賀饅頭店以外にも、菓秀苑森長や杉谷本舗(どちらも江戸創業でカステラやおこしで有名)の他、和菓子屋さんが驚くほど多い土地柄で、和菓子好きには大変魅力的なところです(回りきれなかったので、また出かけてみるつもり)。
なお、写真の石橋はこちらも諫早で是非見ておきたかった”眼鏡橋”です。
江戸後期(天保10年(1839年))に有名な長崎の”眼鏡橋”をモデルに造られたそう。 その後、昭和中頃の水害に伴う河川改修の際、撤去される事になったのですが、当時の市長の努力により近くの諫早公園内に移設保存されました。
石造の2連アーチ橋で、その長さもモデルの長崎の”眼鏡橋”の2倍強(約50m)の立派なもの。 流れるような曲線も見事で、個人的には世界遺産級の文化財だと思います(国の重文に指定された最初の石橋です)。
古賀饅頭店
長崎県諫早市東小路町11-13
TEL:0957-22-1628