しづく 桃大福

 昨日は土用の丑の日、この頃になると毎年京都へ土用餅を買いに出かけていたのですが、今年は中止することに。 大阪~京都間はどの路線も電車が込み合っているので、今の状況だと何気に躊躇してしまいます。
 その代わり、今の大阪の繁華街の様子が気になって、ミナミの様子を偵察してきました。













大阪ミナミ(難波)と言えば、キタ(梅田)と並ぶ繁華街で、その一角にあるのがお笑いの殿堂?の”なんばグランド花月”(NGK)なんですけど、現在は周辺も人通りが少ない状況でした。
 緊急事態宣言解除後に、ミナミの人出もかなり戻ったと聞いていましたが、7月になって再度新規の感染が増えたので、また静かになってしまったようです。

 久しぶりのミナミなので、入ってみたいお店もあるものの、今回はNGK横のたこ焼き店”わなか”(お気に入りのお店)でたこ焼きをテイクアウト(こちらも人通りが少なくなってしまった道頓堀で実食)。
 現在のミナミの状況を見ると、政府がこの時期に”Go To なんちゃら”をしたくなる気も分かる 気もしてきました。 グリコの看板で有名な戎橋やそこから延びるアーケード街の人出もかなり少なかったですから。



 戎橋から心斎橋へ、そこから更に少し西へ入り到着したのが、新町界隈。 こちらには以前から気になっていた和菓子屋さんがあるので、今回訪ねてみました。
 そのお店、餅匠しづくは、以前当ブログで紹介した日月餅(大阪府岸和田市)が大阪市内に出店したお店で、今では市内で人気の和菓子店の1軒になっているよう。

 コンクリート打ち放しのモダンな店内には、お店の一番人気商品のフランボワーズ大福などが整然と並んでいます(今ぽい和菓子店)。
 今回はその中から幾つか買って帰りましたので、ご紹介したいと思います。



 最初はテイクアウトで買ってみた氷くるみ餅。 ”くるみ餅”は、大阪は堺市の老舗和菓子店、”かん袋”の人気和菓子で、大阪では超有名な存在(門外不出の餡でお餅をくるんだお餅なので”くるみ餅”、胡桃は入ってません)。
 餅匠しづくも堺に近い岸和田がルーツなので、くるみ餅も作られています。 そのくるみ餅にかき氷を掛けて食べるのが氷くるみ餅で、かん袋では夏の名物にもなっています。

 餅匠しづく氷くるみ餅は、かん袋よりも少し粗目のかき氷で、ザクザクとした感触(これはこれでいい感じ)。
 餡は枝豆を裏漉ししたもので、トロンとした質感。 枝豆の持ち味が良く活かされていますが、かん袋の何とも不思議な味わいとは少々距離があるかな。





 次は日月餅の時にも紹介した桃大福。 少し小ぶりの大福で、中の白餡の上部を少しだけ紅色に染めて、桃らしく餅生地越しにほんのりと浮かび上がるように仕上げてあります。
 餅生地はかなり柔らかな求肥製。 中は瑞々しい白餡で、上品な風味も楽しめるもの。 そして、何より桃が素晴らしい。
 岸和田のブランド桃、”包近の桃”を使っていて、それもかなり上質なものを選んでいるようで、桃の甘い香りが鼻腔の奥までフワーと広がってくる感じ。 よくあるフルーツ大福とは一線を画している出来栄えながら、お値段の方も京都でも上位のお店で上生菓子が買えるくらいの設定になっているところが少々残念。

 赤い大福は、こちらの看板商品のフランボワーズ大福。 赤い色はビーツ(甜菜の一種)で色付けしてあるそうで、求肥自体は桃大福と同様と思います。
 中も少々凝っていて、ラム酒も加えた白餡で真っ赤なラズベリーを包んであります。 フルーティーな味わいもする白餡とかなり強めのラズベリーの酸味が合わさって、ちょっと目が覚めるくらい(夏の午後にはピッタリ?)。



 その他、草餅も美味しかったですが、今回一番気に入ったのがかぼすのゼリー
 ゼリーと言ってもかなりの柔らかさで、口にすると何もしないでも体温で直ぐにスルッと溶けて無くなってしまいます。
 それと同時に、柑橘の爽やかーな香りと少し強めの酸味がドーッと押し寄せてくる感じ(ちょっとびっくり)。 瑞々しさとさっぱり感溢れる一品に仕上がっています(かなりオススメ)。

 餅匠しづく 新町店
 大阪市西区新町1丁目17-17
 TEL:06-6536-0805