福山の公認会計士・税理士 岡田章宏です。
今日は１日、県内の日帰り出張で疲れました…
さて、昨日の同友会例会の話をしたいと思います。
テーマは「事業計画」。
講師として「（株）エイトコーポレーション」の八條公貴（ひろき）さんをお招きしました。
＊同社HPより拝借。
私の周囲ではよく知られているのですが、とりわけ福山の同友会の間でも八條さんは非常に注目されている存在の一人でもあります。
というのも、経営指針（経営理念・経営方針・経営計画の３つを含めた総称）を徹底的に会社に活用し、社員の人達の大きな意識改革へと結びつけている点に関しては、（重鎮クラスのベテラン会社はともかく）同社の右に出る会社はないと言っても過言ではないからです。
もちろん、社員の意識改革だけでなく、利益アップもきちんと数値になって現れています。
八條さんによると、事業計画を作成し社員達と共有する事で、たとえば次のような効果がもたらされます。
・会社の目指す方向性が見え、みんながバラバラでなく同じ方向を向けるようになる。
・会社の将来に合わせて、社員個人が将来必要なスキルや目指すべき目標が明らかになる。
・社員一人ひとりにコスト意識をもたらし、改善や増益のために自ら努力するようになる。
・どれだけ頑張れば（売上や利益を出せば）自分の給与に結びつくかを明示し、社員のモチベーションアップにつながる。
八條さんは言います。経営者の役割は社員が自ら能率的に動く、あるいはミスが生じないような「仕組みづくり」であると。
そして、成功した時は社員達の手柄であるが、失敗した時は社員ではなく経営者の責任。
まして、社員だけでなく運や景気など余所のせいにするのもダメ。
とどのつまり、そうした失敗を回避するための仕組みを構築出来ていなかったのは経営者だからです。
だからこそ、脳にいっぱい汗をかいて現状分析と将来目標を練りにねって、そのためのロードマップとして事業計画を立てて社員に伝えるのが経営者の役割なのです。
最後に、八條さんが社員にアンケートを取ったところ、その一人からこんな答えが返って来たそうです。
「（事業計画も包含した）経営指針を導入した事で、ようやく「自分の会社だ」と思えるようになりました」
それまでは、個々の業務についても何も特に考えず、ただ「やれと言われるからやる」に過ぎなかったのが、事業計画の共有を通して当事者意識が芽生え、「なぜこれをやるのか」「どうすればもっと効率的に出来るか」と自ら考えて行動するようになったのです。
ただ忘れてはいけないのは、そもそも同社が事業計画でここまで伸びたのも、元はと言えば八條さんの人となりに負うところが多分にあるのです。
この事業計画にも経営理念（＝会社の基本的なポリシー）と経営方針（＝品質やサービスなどの方向性）がしっかりとベースになっているからこそ、初めて生きて来るのです。
だって、「目標売上◯◯％アップ」とか「３年後に広島に二号店を開店」とだけ書かれた紙を渡されても、当の社員達はポカンとするしかないでしょう。
なぜ売上を増やさないといけないのか（社員の給与増、不測の事態に備えて内部留保を厚くするなど）、なぜ二号店が必要なのか（福山の市場が飽和しているから、広島だとより増益が見込めるなど）といったように、経営理念や経営方針と整合した計画目標とすることで、事業計画は初めて血の通ったものとなるのです。
実際、「面倒だから」「どこから手を付けたらいいかわからない」等の理由で、事業計画を作成している方はまだまだ少数なのが現実です。
けれども、発表後のグループ討論に参加したメンバーの一人はこうも言っていました。
「本当に事業計画が必要だと思った時には、実はもう手遅れなのかも知れない」
拙くてもいいから、作れるうちに少しずつ作りブラッシュアップして行くのが理想型ではないのでしょうか。
私も「経営指導する立場の者がきちんとした事業計画を立てないのは恥ずかしい」と言う思いから事業計画を作成はしてみたものの、まだまだチープな内容です。
とはいえ、自分の事務所だけでなく、クライアントをどんどん引き揚げて行くような計画を一緒に作れるようになりたいと改めて実感しました。
前月の同友会例会の様子（長期ビジョンについて）はこちらへ！
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