古都のブログ小説 京の鐘985
「そんな泣き言をここで言うか」
秋山の叱責が跳んだ。
座が一機に締まった。
「放送日は君の心配することではないだろう。しっかり、
しろ!」
秋山の久しぶりに聴く叱責に、撮影部の男が巨体の
身を縮め、蚊の泣くような声で詫びた。
報道制作局長が、直ちに席を立ち、深々と頭を垂れ、
「まことに、ご迷惑をおかけし、申しわけ御座いません」
素早く詫びを入れた。
秋山が手を上げ、
「もういい。だが、君は誰だ。見かけん顔だが」
巨体に向かって声をかけた。
すると、報道制作局長が
「彼は副部長に上がったばかりで、部長の奴、
こいつに会議に初参加させ、これからの勉強にさせる
つもりで出したもので・・」
冷や汗を流し、弁解に悔しさをにじませ、
「もう、いいから帰って、部長を呼べ」
一瞬の出来事で、室長を除いて、参加した面々が、
明らかに厳しく身を糺し直した。
秋山は最近、このような会議の現場に出る機会を持た
なかった自分のミスが、
このような醜態をみせた部員に少なからず、
胸の内で詫びていた。
室長が場の成り行きを見て素早く口を差した。
「では、これより、各論に移りますが、常務、これは私
より、常務からのご説明の方が宜しいかと・・」
いかにも物慣れた室長の言葉に促され、
秋山が着席のまま言葉を繋いだ。
「そこで、スポンサーへの侘びには私も同行するから、
君には心配はかけん」
営業局長は秋山より確かに先輩だが、身分が明らかに
違っていた。
秋山が取り締役筆頭常務である為、歳の差より、
立場の重さで何事も決まるものなのだ。
「常務が同行されるなら、何より有難いことで、
真に恐縮に御座います」
席を立った営業局長が深々と身を折った。
「いちいち、席を立たなくても良いから、これからは
気軽に行こう」
秋山の元気づけの言葉も空しく、参加者全員が身を
硬直させ、うなだれて聞いていた。
そこからは秋山の一人舞台で、大晦日の番組を一部、
正月番組に移行し、秋山の推進する京の大晦日の
賑わい、との仮題の解説を始めた。
内容はまだ具体的には何も決めてないがとの前置きを
して、本題に入った。
古都の徒然 テレビで佳作に出合い・・
火曜日は午後のテレビで好きな物が無くて・・
問題は午後の過ごし方で、
また、こんな日に限って、暇だったりして、何か好きな
映画などないかと、BSまで探し回ってもなんになーい!
厄介なことに昼にNHKに映画が放送されていて、
気が付いても、既に終わっていて・・( ;∀;)
これはいけないと思って、予め、映画欄を一週間録画
予約をしていると、連日,看る気のない映画
ばかりで、削除するのに手間がかかって大変な思いを
したので、また、予約を解約したのに、
もうぅぅ( ;∀;)
地上波の多くは関西ものが多く、どれもこれも落ちの無い
ばかばかしいものばかりで・・
何かと言えば、お笑い芸人が雛壇に並んで、埒もない
事ばかり怒鳴り合っていて・・"(-""-)"
仕方なく、NHKBSで世界街歩き・オーストラリアの
タスマニア島・ホーバートを
アップしていたので
早速、これを見ることにしました!(^^)!。
流石に天下のNHKですな、心地よい映像と音楽に
優しい語り口調のインターで構成され、
見ていても
充分、心が満たされたものになっていて・・!(^^)!
中で、道路沿いの崖に植栽された花々が咲いている
花壇に付近の住民が出て、草むしりをしている最中、
弾んだ声が
飛び交っているシーンは清々しかったですね。
どうも、聞くとこの植栽と草むしりは50年の歴史があり、
一人の女性が始めたものだそうで、
この方が亡くなると、その娘さんが後を引き継ぎ、
ここから
街の人々が、二人の恩に報おうと始めたものとか・・
偶然とは言え、
いいタイミングでカメラが入ったもので、いい絵が撮れて
良かったですね。
次いで、カメラは主婦が美しい庭の手入れをしている
歴史のある家に入って、
家族そろっての歓談しているのに参加し、
暫しの安らぎの時を過ごし・・
そして、
海辺にでると、広く広がる緑の草むらの向こうに、
ヨットの出港準備をしている高校生らを見つけ、
夕方港を出るまでを取材し、
やがて、帆を張らして出航していく姿を見送るシーンで
幕を閉じましたが
暇つぶしには過ぎた佳作が見れて嬉しかったです*^_^*)
こんな心地よい番組を見ると高い視聴料を払っていても、
いいかな・・と(#^^#)