古都のブログ小説 京の鐘985 

 

 

 

 秋山が前説の室長の説明に加え、

「これから話す企画はもう既に撮ってある駒を全て来春まで

   留め置きして、これから言う企画に全面変更して、

   新たに番組編成の変更考えようとする大胆な方針転換だ。

 

   勿論、誰もが初めて目にするものだから即座に、頷けない

   とする者が多くいるのも、当然の成り行きだ。なので、

   無理押しはしないつもりだ。私に遠慮することは無い」

 

 

 

 具体的な番組作りの内容をプリントした第一企画案を

   秋山の秘書たちが、朝から動員されて、

   作ったものを配布した。

 

 

 

 一同、黙読し始めると、声を偲んで見つめる者や、

   意味のない作文として斜め読みでレジメを閉じる者など、 

   それぞれの旗色が分かる仕草を見て、秋山は俄然、

   やる気が出て来た。

 

 

 

 本来なら同意する者が多ければ、やる気が出るものだが、

   秋山はむしろ、無視する奴らが多ければ、多いほど、

   やる気が出る気質なので、何気に椅子を引き寄せた。

 

 

 

 その秋山の仕草に、強いやり遂げる気構えが感じられた。

 

 

 

   室長が出席者からの意見を求め、始めに企画制作担当に

   振った。

 

 

 

 秋山より、一回り年嵩の男が苦渋に満ちた面持ちを隠さず

   口火を切った。

 

 

 

「未だ、正確には具体的な内容を把握しておらず、

   常務のお言葉では御座いますが、これらは二つの意味で、

   失敗は許されず、年末年始、社員を総動員させての

   制作には、聊かの無理があろうかと・・」 

 口を濁した。

 

 

 

 秋山には分かり切った発言で、意を介さず続きを促した。

 

 

 

「何より、この企画変更案では、製作費の概算が出来ず、

   更に、関係各位からの同意が取れるものか、

   どうかに寄るものかと」

 言葉尻が濁って小さくなった。

 

 

 

「他には・・」

 室長が全体へ問いかけた。

 

 

 

 報道から

「これは報道とは言っても、主体はあくまで企画製作が

  優先するものと」

  障りのないよう口を濁らせた。

 

 

 

「他には・・」

 苛立つ室長が声で急かせた。

 

 

 

「私の方は、この企画は確かに無理はありますが、

   社を上げての制作なら、全社員の力の集成で、

   遣り甲斐のあるものに、なろうかと推察されます。

   私はこの企画に、乗ってみたいと思います。

   やれば、必ず、秋山常務の企画なら、視聴率を大幅に

    アップさせる可能性が高いかと推察します」

 テレビ部、ラジオ部が揃って賛意を示した。

 

 

 

 「ちょっと待ってください。今まで、かき集めて来たCMに 

    協力されているスポンサー各社様に、どう説明すれば

    よいか、戸惑うばかりで・・」

 営業が泣きを入れた。

 

 

 

「これまで撮って来たテープを、いつ、オンエアされるのか

   も知りたいし・・」

 撮影部からも泣きに似た悲鳴が上がった。 

 

 

 

             古都の徒然 朝ドラの森田望智さんの・・

 

 

 

 久しぶりに朝ドラの好調な展開に、ほっと胸を撫で

 降ろしているのですが‥(#^^#)

   ※親でもないのに‥(笑)

 

 

 中でも、以前から、感じていたのはヒロインのサブを

 務める花江こと、森田望智さんの

 一貫して物に動じず、優しい物腰なのに、いつの間にか

 視聴者を惹き込む、芝居の旨さに感服させられることが

 多々あったことです。

 

 

 彼女は俳優経験も豊富で映画やテレビドラマでの主演を

 果たしている女優さんだとか・・

 

 

 私はどちらも、見たことがありませんが、

 彼女の相手の台詞を聞いている時の受けの芝居が

 旨いのと、

 自分が台詞を言う間の使い方が、もう、ベテランの範疇

 と思わせる

 ものが感じられるのが不思議だったのですが・・

 

 

 彼女の言葉によれば、今回の花江は私に似ていて、

 やりやすい配役に思え、

 信頼感が同調しているのが、あのさり気な演技に繋がって

 いるのかも知れませんね。

 

 

 NHK さんは

 大河のミスキャストの失敗を

 朝ドラで持ち返す力があるのが笑えます。

 

 

 更に、

 森田さんは目の動きまで、しっかりものを伝える凄さに

 鳥肌が立つほどで・・

 

 

 近年、

 これほどの女優さんがいたことを知らなかったのも

 残念ですが、今は朝ドラが9月には終わるのが

 今から寂しくなるほどで・・

 

 

 抑々、役者の凄さは台詞を言う時だけでなく、

 背面からも、その人物が何者かを伝える心構えの有無が

 大切なのです。

 

 

 そして、

 毎回、書いていますが、相手の話を聞いている時ほど

 静かな演技が大切なのです。

 

 

 見ている方は、そうした何気ない仕草や、目の動きや

 口元の動きなどで

 相手の台詞の内容が感じられるのです。

 

 

 演出家はそうした、隠れた演技を引き出すことも大切な

 役割なのです。

 

 

 なので、

 出演者の数だけいるので、疲れるので大変なのですよ!

 (^^)!

 

 

 私はあれこれ言う前に俳優さんの演技を先にみてから

 演技指導をするので、

 劇団員も大変だったかも知れませんが・・。

 

 

 でも、誰からも文句を聞いたこともありませんでしたよ。

 ※当たり前ですが‥これが実は大変なのです(笑)

 

 

 また、劇団をも一度・・と思うこともありましたが

 自分の体力を考えると、

 僅か1時間の芝居でも無理なので、

 もう二度、芝居を上演することできません・・( ;∀;)

 辛いです(__)

 

 

 脚本は書けますが、演出はもう無理な気がするのです。

 

 

 でも、朝ドラで、こんなに幸せなひと時を貰えると、

 つくづく私の時代ではないことを、しみじみ感じ

 させられます。

 (-。-)y-゜゜゜ 

 

 

 当然なのですが‥(-_-)

 うっ・・