辛酸なめ子さんが、古今東西の恋愛文学を紹介。

私はつねづね、本を書くということは精神のグラビアであると信じて疑わないのだが、とくに自意識の発露が甚だしいのが恋愛文学モノではないかと思う。

この本で紹介されている作品の中で、私がもっとも自分と似ていると思った作者は誰か。それは『蜻蛉日記』の右大将道綱母である。

この女、夢見がちでプライド高くて意固地で程度がわからなくて好きな男をイラつかせ、自虐的になり悲劇のヒロインぶるところなど、わたしの心のなかにいる、インナー中2のブスにそっくり!昔『蜻蛉日記』を読んだときの嫌悪感は、中2のブスの同族嫌悪だったのだと、なめ子さんの解説を読んで思い至りました。

そしたらあとがきでなめ子さんも、「一番気持ち的にしっくりきたのは、自虐的で諦念漂う『蜻蛉日記』かもしれません」と。

スジャータ女史と私となめ子さんの三人で、中2のブス同盟とか作りたいです。


・・・・・・・・・・・・・

●新刊でてます