折しも、台風10号が強い勢力で日本列島に上~縦断するとの予報が出ている今週は
暴風雨ばかりでなく、高潮による水害の災害も考慮する必要があるだろう。
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近年は、世界の海沿いの都市が次々と水害に襲われて、水没する事態が相次いでいる。
共通するのが「海抜ゼロメートル地帯」の存在である。
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東京・大阪・名古屋の三大都市圏などの、広大な「ゼロメートル地帯」を抱えている
日本も、他人事ではない。ひとたび水が流れ込めば、交通網やライフライン等が寸断
され、多くの人々が水の中に取り残される。こうした水害から命を守ることが重要だ。 |
はじめに、「海抜ゼロメートル地帯」とは、「満潮時の海の高さよりも低い土地」の
ことである。文字通り「海抜が0メートル」と思いがちであるが、「海面からマイナ
ス5~10メートルのところ」も存在しているのである。
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三大都市圏の標高図のうちで「名古屋圏の標高図」を示す。濃い青で塗られた地域が
「海抜ゼロメートル地帯」である。 |
名古屋圏においては、「ゼロメートル地帯の面積が336k㎡」で、日本一の広さで
あり、約90万人が居住している。1959(昭和34)年の「伊勢湾台風」で大き
な被害を出した地域でもある。 |
住みやすい平地や埋め立て地には、多くの人が住んでおり、大企業の工場や各種産業、
施設なども集中しているために、いざ災害が起こるとケタ違いの被害が出てしまう。 |
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海抜ゼロメートル地帯の3つの水害リスクを列挙してみよう。 |
【大雨と河川氾濫】 |
広い範囲に大雨が降ると、川の上流部で降った雨が、下流部のゼロメートル地帯に
集まり、氾濫のリスクが高まる。 |
【台風と高潮】 |
台風で気圧が低くなると、海面が上昇して強風であおられ、「高波」となって堤防
を超える。これが台風による高潮で、伊勢湾台風はこの被害の典型例であった。 |
【地震による堤防崩壊】 |
地震によっで堤防が崩れたり、液状化現象で沈んだりすると、そこから川や海の水
が流れ込む。 |
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このように、海抜ゼロメートル地帯はあらゆる水害リスクにさらされている。 |
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家庭で必要な備えを箇条書きで掲載する、 |
①まずは「水害ハザードマップ」で自宅や地域の水害リスクを知る |
②避難場所、避難経路を事前に確認する |
③非常時の持ち出し品を事前に準備する |
④家族が離れているときの安全確認の方法を決めておく |
⑤気象情報や河川情報などに注意する |
⑥自治体から避難指示等が発令されたら早めに避難 |
⑦避難行動は浸水前に~車での避難は危険、橋や川の近くは危険 |
災害時の心得は、「自助」が基本である。備えよ常に。 |