五賢帝のコインもこれで最後です。

帝政ローマ 161-180年 マルクス・アウレリウス帝

デナリウス銀貨

NGC AU Strike5/5 Surface5/5

 

五賢帝最後の皇帝にして、若い頃は哲学者に憧れていたり自省録と呼ばれる著作があるように人格面でも優れた哲人皇帝として有名な方ですね。

 

この方のコインは肖像の作りに結構癖があるというか独特な感じでして、正直これが良い物なのかどうかは良く分かりません。

数字的には満点なのですけど、ご覧のように碑文の欠けもありますしちょっと甘い評価のような…。

 

裏は平和の神パクス。彼の治世を見ると色々考えさせられる図柄ですね。

 

どうも性格的にあまり戦いに向いた方とは言えない印象なのですが、アウレリウス帝の治世は前代のアントニヌス・ピウス帝の平和な時代と比べて試練と戦いの連続だったようです。

即位初期の東方のパルティアによるアルメニアの動乱に始まり、東方の戦争終結後はドナウ河の国境を挟んで向かい合うサルマティアやマルコマンニといった異民族の攻勢が活発化し、治世の大半は撃退のための戦争に費やす事になってしまいました。

 

その最後もローマから離れた前線で死去しており、帝位は後に暴君と呼ばれる息子のコンモドゥスへと継承され、さらに後には3世紀の危機の時代へと続く事となり帝政ローマの黄金期とされた五賢帝時代は終わりを迎えます。

 

ローマのカンピドリオ広場のマルクス・アウレリウス帝の騎馬像(この場所のはレプリカで、本物の方はカピトリーノ美術館にあるそうです。)

 

と言う事で帝政ローマ五賢帝の銀貨を紹介してみました。

 

流石に私もローマ皇帝全員のコインをコンプというのは難しいかなと思うのですが、古代ローマに興味を持った方は最盛期の五賢帝だけでも集めるのであれば敷居もそれほど高く無いのではないでしょうか(とか言って私もネルウァ帝持ってないのですが。)揃えてみるとなかなかに見応えがあります。

 

ではこんな所で。

 

さて、7月のAWも終了しましたし何か更新しましょう。

 

帝政ローマ 138-161年 アントニヌス・ピウス帝

デナリウス銀貨

NGC Ch AU Strike5/5 Surface4/5

 

ピウス(慈悲深い)という呼び名は、元老院と対立していた前代のハドリアヌス帝の死後の神格化の説得に奔走したり、晩年に気難しくなったハドリアヌス帝により罪に問われていた人々を許した事などからだそうです。

 

裏面は豊作の神アノナ。

穀物供給の象徴ともされてローマ都市の貧困層への穀物無料配給制度はアノナ制度とも言いますね。

 

彼の治世はローマ史でも稀な平和の時代として語られ、大規模な軍事行動を必要とせずに首都ローマから広大なローマ領を治めるというパクス・ロマーナの理想が実現した時代だったとも言われますね。

しかし、平和すぎて歴史記録に乏しいアントニヌス帝の治世ですが、次代のマルクス・アウレリウス帝時代の混乱や苦労はこの時に経験を積む事が出来なかったせいという批判もされるそうです。

 

特筆する事が無い方とあって私もあまりこだわりが無くて、前の二人のコインよりもすんなり入手してしまったのが今回の物なのですが出来は悪くないと思います。

アントニヌス帝のコインは出来の良い物が多い印象なのですよね。目を瞑って選んでも良いのが来る感じ(笑)

 

戦争は極力行わなかったアントニヌス帝ですが、ブリタニアはハドリアヌスの長城からちょっとだけ領土拡大してアントニヌスの長城を作っていたりします。

 

あとは愛妻家であったそうで、奥さんのファウスティナが亡くなった後に建てたアントニヌス・ファウスティナ神殿が現代まで残っています。

 

ではこんな所で。

 

五賢帝コインの続きです。

 

帝政ローマ 117-138年 ハドリアヌス帝

デナリウス銀貨

NGC Ch AU Strike5/5 Surface3/5 Fine Style

 

前回のトラヤヌス帝の後継者として次代皇帝となったハドリアヌス帝。

五賢帝は後継者を優秀な者から養子にする形で選び、血縁に頼らなかったとも言われるみたいですが、これは実子がいなかった偶然による所が大きいらしく最後のマルクス・アウレリウス帝は実子のコンモドゥスを後継者としてたりしますね。

 

領土拡大志向のトラヤヌス帝に代わって、ハドリアヌス帝はメソポタミアといった属州の切り捨てを行い増大したローマ領の再編や、各属州を巡行して有名なブリタニアのハドリアヌス城壁の建設を筆頭に領土防衛へと方針転換を行った皇帝となります。

 

帝国の各地へ足を運んだ巡行以外にも、この方はギリシア都市への援助や現代のローマに残るパンテオンの再建などの芸術と文化にも造詣深い方で私は結構好きな皇帝ですね。

しかし、治世の初めに粛清を行った為に元老院とはギスギスしたり、こういう方にありがちというか結構気難しい方だったらしくて健康を崩した最後は晩節を汚してしまったようです。

 

裏面は幸運の女神フェリキタス。

 

それでもハドリアヌス帝が帝国を再整備したお陰で次代のアントニヌス・ピウス帝の平和な時代へと続いたと考えると賢帝としての資格はあったと言っていいのではないでしょうか。

 

ハドリアヌス帝による再編後のローマ領。

 

と言う事で入手したハドリアヌス帝の銀貨ですが、これ3人目なのです。

最初のは記念すべき一番初めに手にしたローマコインだったのですがこれは洗浄評価だったので兄の所に行ってもらい、次に入手したのはXFのFine StyleだったのですがAUグレードが欲しくなってこれも出品。最後に入手したのがこちらとなります。

 

ハドリアヌス帝は良い物が欲しいのでFine Styleのノルマは満たしてるものの、もしかしたらまた入れ替えするかもしれません。

 

ハドリアヌス帝と言えばローマのパンテオン。

 

ではこんな所で。