週末はAWですね。私は例によって不参加ですが、アレクサンドロス大王のアテナのスタテル金貨が結構数が出ていたので欲しい方には良い機会ではないでしょうか。

という事で金貨ではありませんが女神アテナ関連の話としてアテナのテトラドラクマ銀貨の話です。

 

パンフィリア地方 シデ 紀元前3-2世紀

テトラドラクマ銀貨

AU Strike5/5 Surface4/5 

 

表面はコリント式の兜を被った女神アテナ。

ちょっとボンヤリ打ちの箇所もあるものの、全体の雰囲気というか図柄のまとまりは結構良い感じかなと入手してみました。

 

アテナというと有名なアテネ(アテナイ)のテトラドラクマ銀貨が有名ですが、そちらはアッティカ式の兜を被った姿。

古代の人もそう思ったのかは分かりませんが私は今回紹介のコリント式の兜のアテナの方が好きですね。

上記のアレクサンドロスの金貨やコリントスのペガサス銀貨、彫刻作品としてもアテナと言えばコリント式の兜を被った姿が使われているのを多く見るに大変に見栄えのするデザインですよね。

 

裏面は勝利の女神のニケとザクロの実。

 

シデはザクロという意味だそうで、果物のザクロが名産だった事から都市の名前ともなったそうです。

私は子供の頃に食べたきりで、現代ではちょっと珍しい果物といった感じと思うザクロですが、古代世界ではアジアや新大陸からの果物も無く、現代のような品種改良も進んでいなかったこともあり、ザクロやイチジクが貴重な甘味だったそうです。カルタゴのイチジクの話も有名ですよね。

 

コインが作られた都市シデはアナトリア半島のパンフィリア地方の地中海側にある都市。時代としてはアレクサンドロス大王死後のヘレニズム時代に入った頃に作られた物となります。

 

シデのコインの鋳造は前5世紀頃から初め、アケメネス朝ペルシアやアレクサンドロス大王とその後のヘレニズム国家と支配がコロコロ変わっている下でコインを作り続けており、アレクサンドロス大王のヘラクレスの図柄の物も作っています(今まで紹介したアレクサンドロス大王の銀貨も2枚がシデの物です。)

今回のアテナの図柄は前3世紀末~前1世紀後半まで作られたそうです。結構長い期間作っているので終わりの方では他のヘレニズムのコインと同じように図柄の作りが後退してかなり稚拙な見た目になってしまっていますね。

今回の物は比較的ハイレリーフな打ち出しで初期に作られたタイプの方になると思います。

 

最後はシデのアポロンの神殿。隣接してアテナの神殿もあったそうです。

 

ではこんな所で。

 

アメブロに昆虫記事を充実させる使命に目覚めたので何か書いてみます。

 

蜂というとスズメバチやミツバチのように集団で巣を作って生活する社会性昆虫のイメージですが、それ以外の蜂類は単独生活をしており、生態も他の昆虫に寄生して幼虫が成長する寄生蜂が大半となります(植物の葉を食べるハバチや花粉や蜜食のハナバチもいますが。)

 

中でも産みっぱなしではなく餌とする獲物を狩る狩蜂の仲間は特殊化した生態や洗練されたスタイルがとても魅力的で、ファーブルなどの研究者の方々も狩蜂に魅了された方々も多いですね。

 

大きな顎が特徴的なメガララ・ガルーダやオオキバドロバチ、ゴキブリを獲物とするエメラルドゴキブリバチ等と種によって様々な形態の狩蜂が世界にはおります。

 

国内ではそれほど大きい種もいなくて日常的に目にする機会もあまりない狩蜂ですが、外国には大型種も多くいて、南米に生息するベッコウバチ科の仲間の(現在はクモバチ科に改名されているみたいです。)オオベッコウバチとかタランチュラホークと呼ばれるPepsis属が狩蜂の最大種として存在します。

 

蜂類でも最大種と聞きますけど東南アジアの方にも大型のツチバチ類がいて本当に最大なのかは良く分かりません。

 

Pepsis heros.南米ブラジル産。

開翅100mm以上でこの種類としても最大型。青い金属色で美しい見た目です。

 

ちょっと標本制作の話で私は触角をクルンと緩く巻いた形が好きで展翅しているのですが、伸ばすのが好きな方もいますね。まあ部分軟化で簡単に変えられるので個人の好みでといった感じで。

 

インセクトフェアで入手したタランチュラの仲間、Acanthoscurria juruenicola.と一緒に。

 

タランチュラホークの別名の通り大型のPepsis属はタランチュラと呼ばれるオオツチグモの仲間を幼虫の餌として狩り、腹部の針で麻痺させたクモに卵を産み付けます。聞いた話では卵を持った大型のメスのクモで成長した幼虫からはメスが羽化して、オスのクモを食べた方は小型のオス蜂が羽化するとか。

オオツチグモの仲間も世界中に生息しており、アジアやアフリカの方にも同じように大型のクモを狩るHemipepsis属が生息しています。

 

あっ、そういえば刺されるとかなり痛いらしくて、シュミット刺痛指数(なんだそれ?)は最大値の4らしいです。

私は国内のクモバチ科のオオモンクロベッコウには刺された事ありますけど悶絶するほどではなかったです。数値4はもっと痛いのでしょうかね。

 

さて、一応こちらは最大種とされるPepsis heros.という事で入手したのですがこれがまた名前が錯綜しておりまして、なんか同じ名前の種が複数種出回っていて何がなんだか良く分からないのです。

 

上記の種類と比べると細型で黒色の種。

ペルー産のPepsis SP.として入手したのですが、これもPepsis heros.として販売されているのを見た事があります。

 

オレンジの触角がオシャレ。

 

他にも青い個体で触角がオレンジの種類もいたりしてどうも大型種は複数種いるみたいでどれが本物のPepsis heros.なのか素人の私にはさっぱりというか、外国にしても図鑑あるのでしょうかねこれ?

 

GBIFに登録されているロンドン自然史博物館の収蔵標本を見るとやっぱり最初の個体の方で合っているのではないかと思うのですが…間違ってたらすみません。

https://www.gbif.org/occurrence/2236802911

 

となると細型の種の方は何なんだという話になるのですがもーこれが分かりませぬ。これだけ特徴のあるの種類なのになんでこんなに情報無いんだろう…。

 

小型~中型種でも細いのと太い種がいるようで、こちらは細型タイプ。

 

こちらは頭部が大きい頑丈な見た目の太型タイプ。金色の微毛が美しい。

 

という事で好きな狩蜂の話でした。

まだまだ色々と蜂類の標本は集めたいものの、標本箱が一杯になってしまったのでまた箱を増やさないとと悩みどころではあります。というかタランチュラはいまだに入れる箱が決まっておりません、どうしよう…。

 

ではこんな所で。

 

ここの所忙しくて一カ月近く放置してしまいましたが、とりあえず一つ更新しておきましょう。

 

マケドニア王国 紀元前306-283年 デメトリオス1世

テトラドラクマ銀貨

AU Strike5/5 Surface3/5 Fine Style

 

以前紹介した後に手放してしまったデメトリオス1世ポリオルケテス(攻城者)の銀貨でしたが、去年に再入手しておりました。

アレクサンドロス大王死後のディアドコイ戦争での最大勢力であったアンティゴノスの息子として、ギリシア世界を勝ったり負けたりと縦横無尽に駆け回った実にヘレニズムの王らしい暴れっぷりで有名な方ですね。

 

表面は牡牛の角を付けたデメトリオスの肖像。

 

古典期ギリシア世界では個人の肖像を使うのは伝統的にタブーとされており、フィリッポス2世やアレクサンドロス大王もゼウスやヘラクレスとしての姿で仄めかすに留めていたようですが、デメトリオスが初めて本人の肖像で発行したと言われるそうです。

この方、ポリオルケテス(攻城者)の呼び名となった巨大な攻城塔によるロードス島の攻囲戦やアテネのパルテノン神殿での放蕩生活等とかなり型破りな人物みたいで、肖像コインでも大胆な事をしておりますね。

 

あと以前に書いたデメトリオスの記事で牡牛の角はゼウス神の象徴のように書きましたが、どうも西洋貨幣史等の本によるとポセイドン神の角だそうです。私ポセイドンはあまり角という印象ではなかったというか牛よりも馬かと思っていたのですが、古代メソポタミアでも神は角が生えてると言いますし、古来神様は角が生えてるものなのでしょうかね?

 

裏面はポセイドン神。

これまた以前にバクトリアのコインでもポセイドンを紹介しましたが、こちらは筋肉モリモリのマッチョマンな姿で流石Fine Style。発行地はANモノグラムでたぶんペラミント。

 

手放してしまった事もあってデメトリオスのコインはもう手にすることはないかなと思っていた中で、たまたまFine Styleが出品されているのを見かけてしまい、それほど価格が騰がらなかったので再入手となり再び手元に来る事となりました。何となく運命を感じるので今度は手放さずにちゃんと持っていようかと思います。

 

ではこんな所で。