株式会社ワークポートスタッフィング営業部紅一点・お年頃「オッチー」がお送りするラブログ「塞翁が馬」は、結構マメに更新する・・・かも -5ページ目

君は見たか、青い鳥でも黄色いハンカチでも眉毛のあるコアラのマーチでもない、シアワセのアレを。

以前、友人のほっぺたの真ん中に、光の加減で見えるか見えないかくらいの、細~っくて白い毛が生えていた。


友人は、「シアワセの毛だから抜かないで!!」と言い張っていた。

あれから数年。

どうやらわたしにも、その“シアワセの白い毛”が生えてきたらしい。

右の眉の上あたりに、2センチくらい。

自分でも鏡を顔に近づけて、光に透かして、やっと見えるくらいのか細い毛が、フワフワと生えている。うちの子ども(ねこ)たちの毛がくっついてるのかと思ってそっと引っ張ったら、ちゃんと生えていた。

顔でも洗えば、たちまち切れてしまいそうだ。でも切れない。なぜってそれはやっぱり、ただの毛じゃなくて、シアワセの毛だから?

でも、“シアワセの毛”って。

“生えるとシアワセになる”のか、“シアワセだから生えてきた”のか…どっちなんだ?

そこ重要だ。かなり。

AT限定でもいいじゃん、免許は免許だし、踏もうと思えばクラッチも踏めるよただし、捕まるけどね!!

今週は、“やさしいかりんとう”の話。

何を隠そうわたしは、極度の寂しがりやなのである。
そんなやつが車の免許を取りに、新潟県まで合宿に行った。ちょうどハタチの頃だった。
忘れもしない、行きの新幹線の中で早くも大後悔して、兄にメールを送った。
『2週間長いよ、新潟遠いよ、やっぱりやめればよかった!!』
『あっという間だよ。すぐに友達もできるし楽しいよ。がんばれ。』
優しい兄の言葉に半べそをかきながら、いざ新潟へ。

この合宿、部屋が個室だった。トイレ・バス付で普通のビジネスホテルの部屋みたいな感じ。集合部屋と違い、教習の時間以外に人と接することはほとんどない。窓の外は、うっそうとした雑木林…。初日はもう、友達なんてできる予感もなく、さみしいわ怖いわで、眠れぬ夜を過ごす。

2日目に、携帯の充電器を忘れて来たことに気がつき、送ってくださいませんかと母に電話をした。 ついでに部屋にない箱ティッシュと、目覚まし時計を一緒に頼む。その日も友達はできず、さみしくてさみしくて、 おまけにその夜なぜか金縛りに遭い、死ぬほど怖いし、もう免許などどうでも良くなり、本気で帰ってやろうかと思いながら朝を迎えた。

3日目、母より荷物が届く。箱を開けて、中身を確かめる。 充電器、よし。目覚まし、よし。ティッシュ、よし。かりんとう、よし。・・・んんー???な、なぜ、かりんとうが・・・?
あれだ。あの甘くて黒~い。あれがひと袋無造作に、ぼん、て。べつに、わたしはかりんとうが好物なわけでもなんでもない。しかも、知っている。それは合宿に出かける2週間くらい前から家にあり、誰も手をつけず未開封だったやつである。

箱に充電器や時計を詰めながら、母・利恵子は考えた。

『何か、入れてやりたい。でも、買いに行っている暇はない。何かないだろうか。ガサゴソ…かりんとうしかない。 娘はかりんとうなんて食べない・・・・。でも、何か入れてやりたい。・・・かりんとうしかない!!』

荷造りする母の気持ちが手に取るようにわかったその瞬間、シブいパッケージを握りしめて、子どものようにわんわん泣いていた。おしゃれなチョコでもキャンディーでもない。それは日本茶の友、かりんとう。
「おかあさ~ん!!うちに帰りたいよ~!!」
泣きじゃくるハタチの娘。けれど思い切り泣いたらすごくすっきりして、頑張ってとっとと免許を取って帰ろうと思った。
かりんとうはやっぱり最後まで食べなかったけど、枕元において寝たらよく眠れた。金縛りにはもう遭わなかった。次の日には、友達もできた。

そして決意どおりに、わたしは最短時間で免許を取り終えて、家に帰ったのでした。かりんとうも一緒に。

未開封のまま持ち帰ったかりんとうを、母は「やっぱ食わなかったか。」と言いながら、自分で食べていた。わたしが「おやつにはなりませんでしたが、魔除けにはなりました。」と言うと母は、「なにそれ?」と言った。

魔除けにはなったし、勇気も出たし、涙も出たし、友達もできたし、免許も取れたし、いろいろお世話になりました。

説明するのが恥ずかしくて、「なにそれ?」は聞こえないふりをしたけど、“やさしいかりんとう”のことはずっと忘れないと思う。

今~ぁ春が来て~ぇ君は~ぁきれいに~ぃなった~♪言われてみたいなあの人に言われてみたいもんだよ。

美容師というのは、どうしてあんなにも髪を切るかね?

…何が言いたいのかと。
「すこしだけ」って言ってるのに、必ず切りすぎてくれる。私の当たる方がたまたまそんな人ばかりなんでしょうか。

これまで美容院に行って、ばっちり気に入った仕上がりになった試しがない。それなのになぜ彼らはあんなにも自信満々および満足げなんだ!なぜなんだ!!

服装もなんかやりすぎてて。「本日担当させていただきます」って言われた瞬間、不安がよぎる場合が圧倒的に多い。
「・・・もしかしたらこの人のコレがおしゃれというもので、わたしが間違っているのかもしれないけど、でも・・・でも・・・こんなに恐ろしくわたしと方向性の違うおしゃれをしているこの人に任せてよいのだろうか?」
という疑問を抱きつつ、わたしの趣味になんとなく合いそうな服装をしている他の美容師を遠目に見つつ、「チェンジ!!」と言えないこのわたし。あれって言っても平気なの・・・?でもなんか言いづらい。髪が痛んでたり、平気でプリンちゃん(染めた髪が伸びて根元だけ黒い状態)な美容師も、すごく気になる。忙しくて自分にかまってる暇ないのだろうきっと…。でもいいのそれで?
それと、女性客には男性スタッフがつく場合が多い。それも実はちょっとイヤだ。わたしは女性の担当者の方が落ち着く。「女性の担当者にしてください」と思いつつも、「なに意識してんだこいつ」と思われそうで言えないこのわたし。

何回行っても美容院が好きになれないので、高校生の時くらいからずっと自分で切ったり染めたりしていた。
でもここ何年か、いいかげん面倒だし、散らかるし、やっぱり人に切ってもらいたいと思いお気に入りの美容師さんを探すべく、美容院ジプシーしている。

昨年の夏ごろ、意を決して近所の美容院に行ってみた。
出てきた担当者は店長の女性だったが、やはり理解できない服装をしていた。モンゴルの民族衣装みたいな。
ほんとにもう。どこに行けば買えるんだその服は?頭はもちろんプリンだし。走って逃げようかと思ったけど、なにぶん近所なもんでバッタリ会ったりしたら気まずいし…ということで、わたしは潔く腹をくくった。

ドキドキしながら身を委ねること数十分…。

はい、イルカ(哺乳類でなくて“なごり雪”)の出来上が~り~。
♪去年より~ぃずっと~綺麗に~ぃなった~…?いや、そんなはずは、無ェ!!わたしは「少しすいて(毛量を少なくすること)ください」と言っただけだ。もしかして「アップにしてください。」と言ったら、サザエさんの髪型になるのだろうかこの店は。

いいのだ。先日のblogにも書いたけど、おしゃれなんて所詮は自己満足なのであるからして、マチガイなんてものはないのだ。ただわたしとその美容師さんの感覚が違ったというだけなのだ。それはわかる。でも。でもだ!!
一体現代の日本の20代の女性の何割が、イルカと同じ髪型で満足するというのか!?美容師としてそこは解っておくべきなんじゃないかと。

わたしがもしチマチョゴリが大好きな美容師だったとしたら。
本当は毎日チマチョゴリが着たい、チマチョゴリを着て仕事をしたい、店の名前までチマチョゴリにしたいくらいだ、と思ってもわたしは休日にしかチマチョゴリを着ないだろう。
日本でチマチョゴリは流行らない。一番美容院を利用する年齢層と客層と性別に合わせた流行を理解しようとしなければいけない。自分を見て、「エッ?」と思う人がいるかもしれないと思ったら、好みや趣味や個性などは後回しにする。
それが自分の仕事には必要なことだと、美容師のわたしならそう考えるだろうから。

プロ意識を持ったからってプロなわけじゃない。勉強して資格を取ったからってプロなわけじゃない。美容師さんでも、わたしたちも、どんな職業でもきっと同じだけど、どれだけ高い意識を持ち、自分のやり方に自信があったとしても。
本当に相手の希望に応えられているのか、本当にその自信は正しいのかを考えるべきだと思う。相手の一言一句、表情の変化、注意深く観察すれば絶対にヒントが隠されている。

イルカと同じ髪型になったわたしは、事の経緯を、そのモンゴルに正座させて納得のいくまで説明してもらおうかと思ったけれども、1分でも早く家に帰り自分で手直しを加えて翌日以降に備えなければいけないことに気がつき、早々にその場から撤収した。
店を出るときに「ツブレチマエ」と小さく呟いたが、バチはあたらないだろう。むしろ聞こえた方が、彼女のためだったかもしれない…。もっと大きい声で言っとけばよかった。