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中国経済の誤読

元ウォール街人士の北京大学教授、マイケル・ぺティスがFT紙に「中国経済の誤読」というエッセーを寄せている(念のため中文も)。

「『ブル(強気)』の人々がいったん中国経済は無限に成長し世界最大になるという予想をやめると、『ベア(弱気)』の人々が中国経済は崩壊に瀕していると言い出す」――という書き出しでぺティスの文章は始まる。

ぺティスによれば有識者の間では過去2ヶ月間、ベア的な見方が優勢になっているが、それは「09年の成長の質」を考えれば歓迎すべき傾向なのだという。彼は貿易依存が中国の構造改革を困難にしているのは中国国内の理由だけでなく、貿易相手国の理由による、とも主張している。

さらにぺティスは気になることを書いている。曰く、「中国問題の専門家はとっくに気付いていたことだが、中国財政の負債は人々が思っているのより多い。特に偶発債務が予想より多い」

08年11月に4兆元の景気対策を打った時点でも、中国の政府債務残高はGDP比で35%前後にとどまっていた(ちなみに日本は170%!)。09年単年度の赤字額のGDP比も2%台後半にとどまる見通しだった(日本の10年度予算は9・3%!)。

「ヤミ赤字」があるのなら大変なことだが、それでも日本レベルにまで一気に引きあがることはないだろう。このエッセーでも額は明らかになっていない。ぺティスは政府の厳しい資本管理のせいでこれら債務の流動性は低く、「中国経済は調整期においても『バランスシート』をうまく維持するだろう」と分析している。

ぺティスが言うとおり、おそらくは中国政府がこれから進める金融引き締め策によって過剰投資と過剰生産という問題を解決する。都市への人口移動による収入増◇高学歴化による生産効率の上昇◇成長鈍化による金融緩和によって融資が非効率的な国有企業から好悪率的な中小企業へ回る……というのは虫が良すぎる予測だと思うが、総じてプラスがマイナスを上回るような気がする。「調整と崩壊は違う」のだ。

ぺティスが02年から中国の大学の教師を務める人物、という部分はマイナス勘定すべきだが。

中央宣伝部の覆面スポークスマン

新華社が25日に流した「学習型党組織の建設を全力で進める」という記事に中に、初めて「中央宣伝部発言人」が登場したと騒ぎになっている。新華社はその後の続報記事で中宣部スポークスマンの登場を認めている。しかし、それが誰かは明らかになっていない。

続報記事が書いているように、昨年末の新聞弁公室の発表で、党中央の委員会もスポークスマンを置く方針を明らかにし、既に組織部や統一戦線部、紀律委員会などでスポークスマン制度が始まっている。名前と連絡先の電話番号まで明らかになっている部もあるが(台湾弁公室は2人もいる)、組織部などは具体的な名前を明らかにしていない。

ざっと調べた限りだが、スポークスマンが覆面なのは中宣部と組織部(中央档案館も見つからなかったが、おそらくニュースにならないだけだろう)。強い権力(既得権益と言い換えてもいい)を持つ組織ほど情報公開に消極的という「原理」はここでも生きている。要するに形だけ、ということだ。

□■マスクマンの正体は?□■

博訪網は新聞弁公室主任兼中宣部副部長の王晨か、中宣部新聞局長の胡孝漢がマスクマンの正体ではないかと予想している。

王晨は新聞弁公室主任としてメディアに出まくっているから、今さら中宣部スポークスマンでござい、と改めて登場しにくい。他部のスポークスマンに新聞局長がいることから考えても、元新華社の胡孝漢のほうがふさわしいだろう。

ただそもそも情報発信する気がないのなら、マスクマンが誰かという議論にほとんど意味はない。

中国はほんの20年ほど前まで、半ば公然と海外メディアの北京支局を盗聴し、新聞記者を尾行していたパラノイア国家だった。その中国がスポークスマンを置くようになっただけでも大きな進歩と見るべきか、それともまだまだ情報公開が足りない、と言うべきか。

長く中国を見続けて来た者ほど前者に傾くと思うが……。

薄煕来の歌

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とにかく、何も言わずここをクリックしてほしい。

優酷網をうまくエンベッドできないのが残念だが、1人の中国人のおっさんが「ボ~シ~ラ~イ、ボ~シラ~イ!」と、重慶市党委書記である薄煕来のマフィア退治を礼賛する自作の歌を披露している。

江南都市報によれば、おっさんは「紅衣大叔」こと李磊。江西省南昌市のリストラ労働者だそうで、00年に下崗したあと作曲を独学で勉強し始めたらしい。ほかにも「中国サッカー八百長の歌」を作ったが、詩が気に入らず完成しなかったのだとか。

とにかくトホホな感じのおっさん(と歌)なのだが、リストラ労働者というのが、このビデオクリップのミソだろう。何せ「紅衣大叔」である。

中国全土に掃いて捨てるほどいそうなフツーのおっさんであるところも、妙に受けている(優酷網だと6日で3万8000回再生)原因のはずだ。中国人は結構こういう素朴なものが好きである。01年には雪村の「東北人都是活雷鋒」がネットで大ブレイクした。

南昌蜂起の南昌市出身、というのも何となく気になる。まさか「仕込み」ということはないと思うが、開幕が迫った全人代、そして再来年の第18回党大会へ向けて薄煕来の援護射撃になることは間違いない。

最近、広東省書記の汪洋が例の陳情禁止問題で、陳情はやはり必要と言っているようないないような、なんとも微妙な発言をしている。

まさか周永康の「暴言」に与するわけではないだろうが、いずれも何となく政局の始まりを予感させる出来事である。