日本全土を席巻した

GSブームも下降の一途、

数えきれないほど

存在していたグループも

軒並み解散、

老舗のスパイダースも

メンバーの個人活動が

目立つようになり

(ソロ活動が増えてきた

マチャアキと順ちゃん抜きの、

スパイダース 5/7」での出演や、

社長業が多忙になってきた

田辺昭知の代わりに

かまやつひろしが

ドラムを担当したりもしていた)、
リーダーの田辺氏は

ついに社長業に専念、

付き人をやっていた

前田富雄にドラムを託す。


そんなころに出された、

あえて原点回帰を

めざすかのような、
ロックンロールの名曲で彩られた、

スパイダースの

ラストアルバム(70年5月発売)。


メンバーは堺正章(Vo)、

井上順(Vo)、

かまやつひろし(G,Vo)、
井上孝之(井上尭之。G,Vo)、

大野克夫(Key)、

加藤充(B)、

前田富雄(Dr)。


幾多のキャリアを積んだ

田辺氏の個性的なドラムに比べ、
前田氏のドラムは

派手さこそないものの

手数も多く安定しており、
将来有望な若きドラマーだった

と思われるが、

ほどなくグループが

解散してしまったのは

残念だったと思う。


現在は業界から引退、

都内で魚屋さんを

営んでいるらしい。


CD化に際して

ラストシングル

エレクトリックおばあちゃん」

(70年9月発売)などが

追録されている。(★★★★)」

(2006.4.29記)

 

ザ・スパイダースは、

田辺昭知さんをリーダーに、

1961年には活動を

開始していたそうです。

 

メンバーが定着するまでは、

入れ替えが頻繁に

行われていたようですが

(ワイルドワンズ結成前、

というよりブルージーンズ加入前の

加瀬邦彦さんも、

短期間ですが在籍していました)、

いわゆるグループサウンズの

ブームが来たのが

1967年ごろからですから、

1957年から活動していた

ブルーコメッツと同様に、

ブームの時にはすでに

一目置かれていたバンドでした。

 

そしてこの年の末で

スパイダースは解散してしまう

わけですが、このころの

各メンバーの活動を見ると、

その後長く続けていく活動を、

すでに始めていたのが

興味深いですね。

 

田辺さんは一足早く

芸能事務所の社長に

専念されます。

 

堺正章さんは、

このアルバムが出る少し前から、

ドラマ「時間ですよ」に出演、

音楽活動にとらわれることなく、

縦横無尽の活躍を始めます。

 

井上順さんも

司会やタレントとしての活動を

積極的に行うようになります。

 

かまやつさんは

ソロ活動の延長で、

次なるムーヴメント、

フォークブームに乗っていきます。

 

井上孝之(堯之)さんと

大野克夫さんは

沢田研二さん、

萩原健一さんたちと、

ニューロックのグループ

「PYG」を結成、

その後も井上堯之バンド、

大野克夫バンドと、

永くバンド活動を続けられました。

 

加藤充さんは

スタジオミュージシャンを

つとめたのち、

一般企業に転職されていましたが、

80歳を超えた現在、

ライヴやセッションなどで

積極的な音楽活動をされています。

 

1981年、日劇最後の

「ウエスタンカーニバル」で

田辺さんを含む7人が、

4日間限定で再結成、

その模様がテレビでも

放映されました。

 

演奏も歌も、

振付やトークに至るまで

全盛期さながらの

パフォーマンスを

見せてくれましたが、

残念ながらそれが、

公の場での

最後のステージに

なってしまいました。

 

再結成を望む声は

尽きなかったのですが、

かまやつさんは2017年3月に、

井上堯之さんは2018年5月に

お亡くなりになっています。

 

 *過去記事

 ザ・スパイダース

Mera…Mera Mera~Group Sound Original Cinema Trax
FROM LIVERPOOL TO TOKYO

FROM LIVERPOOL TO TOKYO 2

 堺正章

ドーナツ盤メモリー

サウンド・ナウ!!
 井上順

NEW BEST

 井上堯之、大野克夫

PYG! オリジナル・ファースト・アルバム

GARO:GARO 2

沢田研二:A面コレクション

 大野克夫

内田裕也&1815ロックンロール・バンド:ロックンロール放送局

 かまやつひろし

どうにかなるさ~かまやつひろしアルバムNO.2

内田裕也:A DOG RUNS

ダウン・タウン・ブギウギ・バンド:GS