サンフランシスコクロニクルという、北カリフォルニアで最大の発行部数を持つ新聞に映画「ロスト・イン・トランスレーション」でも散々ネタにされたカルチャーショックを受けた記者の日本滞在記が掲載されている。
http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/c/a/2005/07/31/TRGSPDTERA1.DTL
「日本人は室内で靴を履かず、スリッパに履きかえる」事に驚いている。そう、日本に疎いアメリカ人は家にあがる時には靴を脱ぐという日本の「常識」を知らず、ズカズカと室内に土足で入ってくる。私のNYの友人もそうだった。慌てて日本の習慣について説明したらすぐに理解したが、今度は和洋両用のトイレの使い方がわからない、といった按配で、カルチャーショックの連続だったようだ。
この記者は土足禁止のみならず、廊下用と化粧室用のスリッパがあるのにも驚いている。入り口でスリッパに履き替え、そこから1メートルも離れていないトイレに入るとまたまた専用のスリッパに履き替える。しかもスリッパの向きまで変えるのだ、
と。
私もアメリカから帰国して知り合いの家を訪れるとトイレ専用のスリッパがあり、少なからず驚いた経験があるのでよくわかる。私は友人がトイレ用のスリッパがないと困惑するので、人が来る時だけトイレ用スリッパをちょこんとトイレの中に置いたものだった。
記者はにわかには日頃の習慣を変える事ができず、スリッパを履くことをすっかり忘れて泥のはねたハイキング・シューズでレストランやホテルのロビーを堂々と歩いてしまったそうだ。
紀伊の山中にある比較的高級なリゾートホテルで上機嫌で食堂に入ったところ、客が一斉にたじろぎ、じろりと彼の足元を見たという。彼はトイレのスリッパを履いていたのだそうだ。
まあ、他人に無関心な最近の日本人がそこまで一斉に同じ視線を送ったとも思われない。多分に脚色があるのだろうが、どこの国に行ってもカルチャーショックはある。日本のカルチャーショックに限ってネタにされるのは日本人の潔癖症(抗菌グッズにそれがよく現れている)や融通のきかない硬直性がおおまかな性格のアメリカ人には奇異で無駄な事に映るからに他ならない。