いまそこに熱量があるか?

1980年代前後に生まれた日本の、東京のパンク。その渦中にいたカメラマンの手記と写真をもとに作られた実話ベースの物語。監督は当時渦中にいた田口トモロヲ、脚本はバンド活動もしているクドカン。自分はまだ当時小学生なので接点がなく、バンドブームから遡って、雑誌の宝島などで名前と知識を得た世界だ。ロックに対して、メジャーに対しての抵抗。そして自分たちが表現していきたいものと現実との落としどころ。「何にもないけど、何でも自分でできる」彼らには衝動と熱意と飢餓感が溢れていたし、憧れも感じた。「あなたへのお勧め」がサブスクで無料で聞け、創作もAIがサクッと担ってくれ、流通もネットでクリック一つ。そんな時代の音楽にこの熱量を求めるのはやっぱり厳しいのだろうか?

笑ったのは「ジョニー・ロットンって、実家かなぁ・・・?」「実家暮らしはロックじゃないよね」さすがクドカンだ。

都合と歌がいい作品だった。

なにわ男子の人主演で三木監督という段階で気づけばよかったのに、ファン中心の高評価に惑わされたのを後悔。

彼女たち向けにガッツリ作られた案件映画だった…。タイトルでオチまで説明してあるし、2人の小さな世界だけで都合よく展開していく物語。片方が成功して、でも結局うまく行って、そして最後は余命もの…。ベタすぎないか?それでも歌とライブシーンはよかったので、この評価。でも気になったのはどうして豊橋から上京するはずの彼女が近鉄特急に乗っていたのか?JR許可下りんかったのかな?

 

まあ、普通だよね…

ピクサーの最新作というから、ある程度期待していった。CGがどうこうとか、そういうのはもう十分進化してるし、あまり興味がない。それを使って何を伝えるかだと思う。動物が好きすぎる少女が、動物の気持ちになる機会と機械を得て、動物の言葉がわかるようになり、彼らの住処を壊そうとする人間と立ち向かうけど・・・捻りなさすぎない?別に悪くはないけど、意外性がないから心は動かない無難な佳作。もしかしたら・・・AIにストーリー書かせてないか?

予告で流れていた夏休み公開の「トイ・ストーリー5」がそんなことにならないことを願う。

 

 

こんな日常は、いやだ。

上映時間は90分ちょい。でもこんなに疲れた映画は久しぶりだ。物語はというか、特に劇的なことが起こるわけではないのだが、舞台は病院。主人公は遅番の看護師で仲間に病欠者が出て、キャパオーバーな日の話だ。勤務の間中なりやまぬ内線とナースコール。次から次へと発生するトラブル。いくつもの案件を抱えながら、遅いと文句を言われながらこなしていく。一息付けるのはエレベーターの中の数秒だけ。まさに怒涛の半日を描いていく。

映画ではスーパーヒーローが怒涛の活躍を見せることは多いし、50のおっさんでも仕事で駆けずり回り、1日2万歩以上歩く日だってたまにはある。でも彼女たちはこれが日常、毎日の出来事なのだ。あんなしんどい一日を終えても、また24時間後には同じところで働き続けるすごさ。誰が本当のヒーローなのか?くたくたになりながら考えていた。

 

クズはクズだよ。

この時期にありがちだけど、アカデミー賞最有力で卓球選手の映画というから見に行…かなければよかった。目的のためなら、周りにどんな迷惑をかけても平気なクズ野郎が主人公。卓球はうまいけれど、それは金を稼ぐ手段でしかなく、目先の小銭稼ぎのためにどんどん愚かな方向に転落していく。パワフルかもしれないが、生き方が下衆すぎる彼のどこに共感を得ればいいのか?主役を彼女のほうにして、足を引っ張り続けるダメ男とかにしておけば、うまく行ったのかもしれないと思う。たとえアカデミー取ったとしても、俺は好きじゃない。

案件だなぁ…

「ミッドナイトスワン」「ナイトフラワー」など骨太な作品を作っている内田英治監督の最新作というから期待していたのに。凄腕の殺し屋が集められて、なぜかダンス大会に出場することに…その甘すぎるイントロで気づけばよかった。別にこの手のコメディでのリアリティに目くじらたてるつもりはないけど、設定が粗すぎる。あれだけ人殺して一切警察出てこないし、あのレベルのダンスで決勝大会はないわ、負け役の人に失礼だ。出資側が、うちのスターでカッコよくて、ファンにも受けるコメディをお願いしますよ、カントク!と依頼している姿が目に浮かぶようだ。

豚玉では、あかんかったのかな?

お好み焼きの千房が取り組んでいるという、ドロップアウト青年の身元保証活動をモデルにした物語。監督はこの作品の取材がキッカケにホンモノの保護司になったそうだし、リアリティはある。ただ登場人物の描写に雑な部分が多く、彼らの行動に共感しにくかった。シャバに出てきて生まれ変わるつもりでやっても、冷たい社会と厳しい現実はあまり変わらない。そこに追い打ちをかける昔の世界の甘い誘惑。そのループを断ち切るために、何度裏切られても見守る周囲の人たち。もちろん、素晴らしい活動だけど、そんなきれいな部分だけちゃうよね。

ただ焼くだけでなく、肉、海鮮、キャベツ、そば…いろんな材料を混ぜて作るミックスモダンに人生が重なるシーンがあれば、もっと響いたのに。

やっぱり女子会なんだよな。

ウィキッドの続編。オズの魔法使いの前日譚として作られたミュージカルの2幕目だそうだ。実は学生時代は仲良しだった良い魔女と悪い魔女。オトナになって袂を分かち、それぞれの道を歩いていたけど…。オトナ向けに作られた物語だけあって、善と悪とか、プロパガンダとか、いろいろ深いテーマは込められているのは分かる。でも突き詰つめると女子同士のついたり離れたりの物語なんよ。殺し合い、だましあい、男を取り合い、でも愛してる…おっさんには到底理解が及ばないわ。あとキラキラひらひらしてる世界観もなんだかなぁ。それが分かってるなら行くな!って話ではあるんだけど。

色眼鏡で見ないで。

江戸時代の芝居小屋を舞台に、世間を騒がせた仇討ちとその真相に徐々に迫っていく物語。

時代劇にありがちな勧善懲悪とか、人情物語、忠義や義理みたいな話でなく、きっちり構成されたミステリーだというのが新鮮。

しかも仇討ち、芝居小屋など設定された状況が物語の展開の中で有効に生かされていて見事だった。頭にマゲが乗っているのに

「オーシャンズ11」とか「ショーマストゴーオン」をイメージしてしまうくらいで、非常に楽しめた。欲を言えば、もう少し森田座メンバーの個性が生きて、それが組み合わさる場面が欲しかったけど、それは贅沢というものか。いやいや、久しぶりに東映の作品をこんなにほめたぞ。脚本次第ってことだな

 

なんか、寅さんみたいになってきた。

サバンナ高橋くんに勧められて見出したのは98年の南海大冒険、それから28年欠かさず見に行ってる映画ドラえもん。息子たちを連れて行ってた時代もあるけどそれも終わり、再びおっさん1人での鑑賞に。43年ぶりのリメイクとなったこの作品、もちろんいつも通り記憶はほとんどない。うっすら覚えてるバギーちゃんのキャラ含め、大人に響くように改変された部分が多かったような気がする。友達、こころ…でも50をだいぶ過ぎてそんなことを暗闇の中で考える時間をもらえるこのシリーズ。来年もまた来るんやろな