なんか、ちょっと寂しかった。
浅草キッドの水道橋博士が3年前の参院選に立候補し当選、そのあと鬱病を発症し、議員を辞職するまでのドキュメント。
選挙という日常の中の非日常を追った「選挙ドキュメント」はこれまで何本か見てきた。テレビや街頭演説では出てこない候補者の人間味や、周りの人たちの苦労、選挙という戦いにチームで挑む感じが好きだし、今回もその部分はあった。でも今回は主役が芸人として尊敬する博士だったのだ。最近でこそあまりやらないが、漫才師としてはたけし軍団の最高傑作だと思うし、文章での切り口・切れ味も抜群で、著書も何冊も持っている。そんな博士がどこをどうかけちがえたのか?芸人としてのキャリアを投げ捨てて、政治家に立候補。師匠のたけしさんを誰よりも尊敬し、くだらないことに真剣に取り組んできた数十年の芸人人生と天秤にかけるほど魅力的な仕事に見えたんだろうか?画面の中でどんどん面白くなくなっていき、当選した挙句、バランスが取れなくなって鬱病を発症。奥様はこれも一つの経験で、それを踏まえてできることがあるって言ってたけど、この色眼鏡は芸人としては相当厳しいと思う。到底理解できない政治の魅力そして魔力の奥深さにおののくばかりだ。