映画館で正解!
名前だけは聞いたことがあった長岡大花火のドキュメント。地元の企業からお金を集めて作った作品らしく、前半は歴史資料館の映像みたい。特に中学生の空襲もの演劇を長尺で見せられたのはつらかった。
でもラスト30分は本当に圧巻だった。日本有数のスケールの花火の空撮はもちろん、燃えカスがバンバン降ってくる打ち上げ現場の絵は大迫力。昔「打ち上げ花火、下からみるか?横からみるか」って映画があったけど、圧倒的に下だ!観客が見たことがないものを代わりに見せてくれる映像の力。絶対に見るならテレビやPCではなく映画館だ。
…というか、やっぱり本物を観に行きたい!あの、音と音圧を肌で感じたい。今年の8月3日は無理だから、来年!


そりゃそうだよな。
88歳で小説を書くのを辞めて、のんびり、でも鬱々とした日々を送っていた佐藤愛子さんが、こちらも時代遅れのおっさん編集者に出会い、共に生きがいを見つけていく話。共感するポイントはたくさん、でも愛子さんのほうはまだ40年も先で全く実感わかない。専ら唐沢寿明演じる昭和編集者に自分を重ねた。出世は興味ないけど、現場は好きで、それなりに努力もしているし、実績もあるつもり。でも社会の大きな流れには贖えず、さらに会社の中での意思決定や空気からの疎外感をヒシヒシ感じる。家族は愛してるけど、子育てがうまくいってる自信はない。悩めるおっさんに大先輩からのアドバイスはシンプル「周りにちょっと迷惑かけても、自分のやりたいことをする暴れ猪でいい」もうひと暴れさせてもらうか。
置いてけぼりか…
西洋人にとってはメチャ重要で楽しみな年末年始のクリスマスホリデー。1970年の年末のその2週間、なんの因果か寄宿学校に取り残され、そこにいないといけなくなった先生と高校生の物語だ。しかも2人共周りから浮いていて、嫌われているというオマケつき。はじめは反発して、でも少しずつ互いの弱みが見えていくにつれて、心を開いて…というパターンは予想どおり。でも不器用な彼らに自分の一部分を投影してしまう。人と付き合うのは面倒なことが多いし、一人でいたほうが楽。でも信頼できる少しの仲間はありがたく、欠かせない存在。そんなことを省みさせせてくれる1本
薄いなぁ…
型破りな刑事のバディコメディシリーズ。第4弾ということだけど、前に見たような見てないような…。そのくらいしか残らないアクションだけのハンバーガー映画なのはあいかわらず。戦闘シーンも子供らがゲーセンでやってるシューティングゲームみたいな画面だし。まあ、そういう人たちに向けて作った作品だからいいんだけど。なんか久しぶりにトミーとマツが見たくなった。
ジェネレーションギャップだけなん?
偶然見た路上ライブで心を動かされ、そのアーティスト(なんと主人公の学校の若手教員!)のMVを作ろうと奮闘する高校生の奮闘記。「映画大好きポンポさん」や映画研究会系ものも、「ブルージャイアント」などの音楽ものもかなり好物なので、期待して行ったのに…。心が全く動かない。曲は好みの問題もあるし、まあ仕方ない。でも肝がMVという映像なのに物語部分があのレベルではなぁ。ゲームの前のイントロドラマみたいな動き、演奏シーンもタイミングずれるし、長編で見るのはきつい。それにしても最近の音楽って、早いテンポで演奏自慢に、男の裏声か、ちょっと可愛げな少女ががなり立てるしかないんかなぁ。
おっさんのたわごとでしかないんだけど。
なんか、見てて疲れた。
というのが正直な感想だ。経済発展と引き換えに破壊されていく地球環境。その現場で16歳の少年少女活動家が感じたことは?というドキュメンタリー…らしいが、本当にそうだろうか?
もちろんドキュメンタリーは真実と同意ではなく、監督による自然素材で構成・編集された作品という意識はある。でもこれはそこに「ピュアであるはず」という子供を巻き込み、自己正当化をしすぎてないか?あざとくないか?
たぶん主張はまちがってない、大切なことだろう。でもクラスの優等生が先生の意図通りの発表を延々している感じを見せられている感じ。しんどかったなぁ。
そら、泣くさ。
大泉洋くん演じる「絶対あきらめないお父さん」が心臓病の娘のための人工心臓を作るために奔走する、実話ベースの物語。親子ものとプロジェクトX風、琴線に触れないはずがない。泣きながら、意志の力と諦めないレベルの凄さに頬を叩かれた気分だった。無謀すぎるダンナを止めることなく支えてくれる奥さんの「で、次はどうするの?」というセリフが印象的だった。そうよ、やりますよオレも。
だったら、どうしたらよかったのだろう…
主人公は転任して間もない女性教師。学校(職員室)のルールには違和感を感じつつ、生徒とはうまくやっていた。ただ一つの盗難疑惑がら、人間関係がほころんでいく。タイトルどおり、特別な人や事件はなく、どこにでもありそうな物語。だからこそ、恐ろしく、ズシンとのしかかってくる。こんなに簡単に信頼って崩れ去ってしまい、連鎖していくんだ。ゾンビや宇宙人よりも人間が怖いよなぁ。
ほんの少しの支えがあれば…
入江監督が目にした貧困家庭の少女の記事を元にしたドラマ。毒親のせいで中学すら行けず、売春で家族の生活を支えるうちにシャブ中になってしまった20歳のあん。逮捕されたことをキッカケに親身になってくれる人たちと繋がりができ、公正そして再生への道を歩み始める。しかしそんな幸せは儚くて、しかもコロナ禍で社会から分断。頼れる人がいなくなってしまった彼女は…。かわいそうなんて言葉で表現できない、やりきれない気持ちに包まれる。誰かがそばにいて、ほんの少しでも支えてくれればなんとかやっていける。知らんぷりせず、みんながそのほんの少しを担いあえる世界になってほしい。心に残る1本だった。
年齢不相応…。
そういう時代といえば、そうなのかもしれないけど。
好きな子になんとか絡みたくて、からかうふりして結果嫌われて、だけど下手に告白して気まずくなりたくなくて…そんな経験は自分にもある。書けないが後悔もたくさんある。
でもそれは青春時代の甘酸っぱい思い出だ。中学を卒業して10年、25歳の社会人の持つ悩みではないんちゃうか?
とにかく主人公?の男が情けない。好きという気持ちがどんなものか想像できなくて、青春期の性欲の爆発をどう回避してきたのか?さらに恋愛だけでなく、すべてにおいて頼りなく、中学生だったら「純粋」でいいのかもしれないけど、社会人で結婚を前提につきあう相手があれで大丈夫か?
ネットのレビューを見ると涙したという声もあったラスト近くの教室での長いシーン。自分にとってはイライラし通しで拷問だった。
まあ、こんな映画を彼らの親に近いおっさんが見に行ってるのが、年齢不相応ではあるんだけど。