HOODのブログ -62ページ目

落果春告…2



しかし、考えてみると都内は温暖を通り越して、真夏など熱帯に近い。猛烈な暑さである。

果実、柑橘類には最適な場所になりつつある。手入れが問題にはなるが果物を公園や街路に植えるのは、面白いかも知れないね。

食べ放題にしたら、あっと言う間になくなるかな。

と言うことで、頭上に落ちてきた夏蜜柑を切ってみた。

…味はどうかな。

…!、ぇぇえぃ、美味いじゃないか。適度な酸味が爽やかで、春の涼風が吹き抜けるという感じ。大都会の真ん中で期待などしなかったが、
グレープフルーツに夏蜜柑テイストの酸味が加わり、思いの外だ。

思えば、もうすぐ都会を離れる私に夏蜜柑が別れを告げたのだろうか。最後に、蜜柑が実っている事を自ら教えてくれたんだな。

ちょっと名残惜しい。そんな甘酸っぱさが部屋に残っている。

最後の一欠片で果汁を絞り、ウオッカで割ってみた。ワンショットの別れの酒。

落果春告

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すっかり日が暮れた都内。所用で築地の裏通りを歩いていた。歌舞伎座を脇に見ながら大通りを抜け、さらに裏道へ。
有名な懐石料理店『河庄双園』の真横に出た。

『ずいぶんと高級な構えだが、こんな店で晩餐を楽しむ人って誰だろ。まったくさ!』

やるせない気分で信号待ち、店前で歩みを止めた時だ。

『…鈍!』

突然、私の頭に軽い衝撃が当たった。上から投げ込まれたものがあった。

足元に『夏蜜柑』が一個転がっている。
『夏蜜柑、頭に?』上を見上げると、道路端に一本の夏みかんの木があって、梢の上には夏みかんが沢山実っている。

そうだ。夏蜜柑が私に落ちてきたのだ。

珍しい事もある。築地を歩いていて『夏蜜柑』に当たり、拾う事は滅多にない。
いや、誰も想像すらしないだろう。

実は、この場所は十年前以上から年に数回は通る機会がある。しかし、この場所に夏蜜柑の木が生えていた事は全く気がつかなかった。

いったい誰が植えたのだろう。なぜ、一本だけ夏蜜柑の木…ちょっとした謎。
気になる疑問ではある。

高級店で会食なんて身分ではないし、アベノミクスの果実が私に回ってくる事はまずない。ましてや十億円宝くじが当たるって奇跡もあるまい。

私に当たる果実は築地育ちの『夏蜜柑』…江戸っ子だってねぇ。築地の生まれよ!

深夜の雪


今朝の未明。雪が降っているであろう事は気配で分かる。雪の降る音を聞くからだ。周囲の音を包み込むように『……、…』と静寂が支配する。一説に超音波が発生しているという。
雪景色を撮影したいと思っていたから、絶好の機会である。黎明、人静まり返る街に雪降る景色は、いかなる雑然とした街角であっても、モノトーンの絵に変えるのだ…と、そう想定しながら布団のトーチカに潜んで寒さに震えていた。

情けないが、寒さは苦手。布団から飛び起きる蛮勇はない。

朝日が上がり、一瞬に雪は消えた。