♪僕は本気になる
AKBの公式動画サイトを見ながら、ふと思う事。
さて…能楽の公式動画という映像はあるのだろうか。
例えば、『観世流宗家公式動画』とかだ。
確かに一部、能の動画は散見されるが、新しい観客層の開拓とか、今までのファン層を満足させるものは存在しているのか。…果たして、どのような状況なのか。
簡単に見ることが可能で、誰でも手軽に楽しめる映像サイトを利用しない法はないはずだ。
能楽支持層は高齢化で頭打ちとか、すでに若年支持層は先細りだ…と私が学生時代から言われ続けてきた能楽ファン層だ。
さらに、近年に入り震災以降は深刻になりつつあるように思える。
しかし、私は自分の進路や将来に行き詰まって悩んでいたある日、テレビで能を見て『これかも知れない!』と光明を見出した、あの記憶だけは今でも鮮明である。
(金春流・能『富士山』だったと思う)
手軽に見れて、本格的な映像資料に触れることが可能…そういい映像世界を様々な事務処理やら肖像、著作権利等で自らが遠ざけてしまうとしたら、将来への新しい支持層を失う要因にもなりかねない、それはまさに損失であろう。
能楽公式サイト…どこかの流派で実験的制作されても良い状況だとは思う。
本題の能楽動画はさておき…今の私は『真夏の…』『ナギイチ』など、楽しく踊る彼女たちの新曲や動画が好きになりつつある。
確かに大衆路線だが無理に否定する必要はない。
明るく楽しい、という事も生きる上で大切な要因なのだ。
(みぃちゃんのフォト…ぇえ、貼りましたともさ)
烏天狗
話は、先の猫叉と遭遇する一時間前に戻る。
田圃の畦に一羽の烏が何やら土に穴を掘っている。私が近づくと、傍の電柱に飛び上がった。
電柱の烏を見上げる私。
周囲に人の気配はない。
(あれを久しぶりにやってみるか…)
私の秘技?『烏の鳴き真似』である。
この鳴き真似で周囲にいる烏を寄せ集める事が可能なのだ。
電柱の下で烏に向かい一声やってみる。『…。』
もう一度。
『…。』
今日は通用しないかな。仕方ないと、諦めて歩き始めた。
と…わさわさ、と羽ばたきの音。先の烏氏が私の上を付いてくる。私の歩調に併せて、次々と電柱の先々へ飛びながら私を見ている。
野生の生き物と関わる不思議さ、すこしだけ背筋がゾッとする。
『呼ンダノハ、オ前ダヨ…』
目を凝らすようにして烏は視線を私に向ける。
私は烏に手を振った。(…今日はサヨウナラ)
『…。』
甲高い鳴き声を一つ上げると、烏は水田を越えた屋敷森へと飛び去った。
猫叉
気ままな夕方の散歩道。
畑近くの空き地から一匹の猫が現れて、夕暮れの道を行く私を見ている。猫から私までは10メートル程だ。
猫は黒い毛が大半を多い、腹のあたりが僅かに白い。
私は路肩に腰を降ろし、猫を横目に眺めながら視線を合わせないように、あらぬ方向を見る…すると猫は、私が見ている方向に何かあるのかと私の視線先を辿る。
ん、何もないじゃないか…?
猫は私と視線の先を、再度見比べて困惑したような表情になった。
思い立ったように猫は立ち上がった。しずかに私の方へ歩いてくる。
猫は私の手前、1メートル近くまでやってきて、こちらを見上げ『にゃあ』と小さく鳴いた。
私が無視をしていると、再び『にゃあ』と呼びかけてきた。
猫に向かって私が鳴き真似をする。
それを聞いた猫の尻尾がクルクルと回る。
…人間のくせに紛らわしい意味のない事をしやがって…。
で、立ち上がると背を向けながら垣根の下に姿を消した。


