HOODのブログ -19ページ目

終焉の足音

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昨夜、B/Sで『柳生一族の陰謀』を放映していた。東映1978年制作・監督深作欣二、オールスター時代劇の挽歌とも言うべき、それは『偉大なる駄作』である。大時代的な東映時代劇の終焉を見事に飾る作品だった。

たぶん茨城弁で言うところ『ごじゃらっぺな話だけっと、まぁ、終わりとしちゃ、いかっぺよ!』


先週、池波正太郎原作・『鬼平犯科帳』中村吉右衛門主演も最終回の幕を閉じた。

鬼平シリーズの最終話として『雲竜剣』を持ってきたのに対して異論はないが、ストーリー展開において平蔵の腹違い妹『お園』の婿である義弟小柳安五郎が斬死する展開には驚愕であり、いささか呆れた。池波の原作に従わずに、小柳安五郎を斬死させる展開を書き下ろしたとするならば、あまりに長年に継続してきた作品群が哀れである。これでは積み上げてきた脚本の自己放棄に等しい。


最終話の担当者等は原作シリーズを熟読していないのか。もとより、主演の吉右衛門自身が気がつかないはずもない。もしも、主演者等も意見をしなかったというのならば、どうにも訝しいことだ。

そこを考え合わせると…『もう、お互いにだな。お役目、お勤めも御仕舞いにしょうじゃねぇか』…と平蔵の嘆息が聞こえてくるような思いがした。これはネタバレなどと言う軽薄な問題ではない。原作にない展開を書くという事は、作品世界に対する冒涜であり、どうにも後味の悪いな最終回であった。

『そう、怒るな。俺たちの世界を継ぐべき人がいなくなっちまったんだよ…これがな、御仕舞いってやつさ…』


ついでだから、触れておくが、私は『ネタバレ』という表現・言い回し、この言葉をシタリ顔で使う人々の見識など…全く理解出来ない。

鴫野・お好み焼き『かおり』の味わい

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私には、ほとんど初めてに近い大阪。

とりわけ大阪の食事は深い興味と関心の対象である。

まずは天満宮『うな次郎』の蒲焼き。
私は関東風の鰻が美味いと思っているが、こうして関西風鰻を食してみると、決して劣るものではない。

鰻を蒸さない調理法は、淡水魚である鰻本来の香りを残す。
その辺りの加減が難しいとは思うが、関西風の鰻も本場次第なのだろうか。


きつねうどん…鴫野駅前通りにあった店にて。大きめの丼に汁を張り、饂飩と揚げが浮かぶ。関西風の出汁が利いている。大阪に来れば、やはり関西風饂飩が良い。


粉モンの王道はたこ焼&お好み焼き…鴫野商店街『かおり』・開業三十年以来の地元に愛される店。
鴫野にある『八剱神社』参拝の帰り、偶然に通りすがりの店だったが、鉄板に並ぶ焼きたてのお好み焼きが、あまりに旨そうで一個買って、大阪城公園ベンチで食べた。その旨さ、味わいに深い感慨と感銘を受けたのだ。

翌日、帰京の日。改めて店に買いに行ったくらい新規のご贔屓なってしまった。

本当に美味い。鰹節、タレやマヨネーズを加えるタイプではなく、ホットケーキ状に焼き上げるタイプでもない。

写真にあるように、お焼き的な雰囲気だが、これが良いのだ。

ちなみにお店の女主人によれば、本来は古来『洋食焼き』が正式なのだそうである。


昭和三十五年頃、大阪市内のお好み焼き価格が八十円、今はチェーン店や屋台など五百円近い。

そんな時代の移り変わりとは裏腹に『かおり』のお好み焼きは『140円』だ。

うむむ…鴫野に行きたい。行って毎日買いたい気分である。


深い、深い世界が『粉モン』なのだ。

淀君様




日頃、歩く習慣もない私には、鴫野の街から大阪城天守閣までは相応の苦行である。天守閣からの遥かな眺望は、また復路の距離を証明するに他ならない。

大阪の街を遥かに見渡せる天守閣から一番近い地下鉄入り口は…と思いめぐらす。

昨夜、呑みすぎた報いか疲労も重なり太股が痛い。やっとの思いで城内公園に行くと、植樹の中で一際に紅葉した木があった。

『ナンキンハゼ』と書いてある。白い実を絞り『和蝋燭』の原料にもするらしい。

赤く紅葉した落ち葉を手に取り、空にかざしてみた。

…むかし、むかしの風見の鳥の ぼやけたとさかに はぜの葉一つ はぜの葉あかくて 入り日色…(サトウハチロー作詞・ちいさい秋)…にあるように、確かに見事な入日色だ。ハゼの葉を意識したのは、この詩を知った最近の出来事だが、ここで大変な事を思い出した。ハゼはウルシと同様に肌が被れるのだ。と…思う間も無く、指先には微妙な感覚が発生。

慌てて、手にした落ち葉を手帳に挟み(捨てるのも負けたような気分だしさ…)で、公園の手洗い場で指を流水にさらす。

痒みが収まり、『思い付きで遊ぶと、散々だな…』と思いながら、ようやく城郭内陣の長い階段を下って、城外の並木道に出た。

私は城の方向を見上げながら、『楽しい時間だったが、まぁ、ここには…もぅ、』と思いかけた瞬間だった。

突然、公園の藪から飛び出して来た何者かが、私の足にタックルを当ててきた。

それは私の足元で身をクルンクルンさせながら回っている。


猫…だ。何故に、この状況で猫が?
猫は、私が城内公園の階段を下ってくる様子を伺っていて、待っていたようだ。

猫は私の跡をついてくる。仕方がない。
猫を相手に、しばらく遊ぶ事にした。

時期も時期だし…私は猫に『淀君様』と名付けた。

『淀君様』は、私を相手に満足したのか、私が帰路に付くべく立ち上がると…すっ、と姿を消した。

『今日は長らく、お疲れさまでしたね…』