遺言で財産を譲りたいけど、併せてやって欲しい事がある…

と言った場合はどうしたらいいでしょうか?

こう言った時は、負担付き遺贈という方法があります。

今回は、負担付き遺贈について概説します。





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例えば、

・残される配偶者の面倒を見てもらう代わりに長男に財産を渡す

・ペットの面倒を見てもらう代わりに知人に財産の一部を渡す

などが、負担付き遺贈ではよく使われる例です(実務ではあまり見かけませんが…)

見て分かる通り、遺言によって財産を渡すのに

・親の面倒を見てもらうこと
・ペットの面倒をみてもらうこと

を役割(義務)として、財産の受取人に負担してもらうという中身になっています。

これは、遺言者の遺志を実現する一つの方法と言えます。

ところで遺言は、遺言者が一方的に財産の受取人を指定でき、遺言時点で受遺者の同意を必要としません。
その為もあってか、負担付き遺贈には、以下のような注意点が考えられます。

・受遺者(財産の受取人)が負担(義務)を履行しない可能性がある。

上記の例で言えば、遺される配偶者の老後の世話をしてもらう代わりに長男に自宅その他の財産を遺贈したのに、親の世話をしないといった場合です。

負担付き遺贈は、負担を履行しなくても財産を受取ることは出来てしまいます。
しかしそれでは、遺言者の遺志に反します。

こういった事態に対して、民法では、1027条で、場合により負担付き遺贈を取り消すことが出来る旨を規定しています。

「負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。」

受遺者が負担を履行しない場合、相続人はまず履行の請求をして、それでも受遺者が負担を履行しない場合、相続人は家庭裁判所に遺言の取消を請求することが出来ます。

とは言え、こういった事態になってしまう事は、当然遺言者が望むものではありません。
防ぐ為に何が出来るでしょうか。

考えられる事としては、遺贈する財産価格や価値に比べて、釣り合わない負担になっていないか、事前に検討する事だと思います。

前述した通り、遺言は一方的に内容を決める事ができます。遺言者自身が良かれと思って決めた内容でも、受遺者にとっては、経済的・精神的な負担になる事もあります。

遺志を実現する為の方法であると考えるならば、作成前にバランスについて良く考えてみることをおすすめします。

なお受遺者は、負担が過大であり拒否したい場合には、遺贈の放棄をすることが出来ますが、負担のみを放棄することは出来ません。

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今回は負担付き遺贈について、ざっくりと概説しました。
遺言や相続に関することって、知っているようで知らなかったり、曖昧だったりすることが意外と多いと思います。

遺言や相続についてのご相談は、遺言・相続専門のにしがや行政書士事務所へお問い合わせ下さい。







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