こんにちは〜!!

 

 

のんびり更新が板についてしまっています。。

更新がない中でもふらっと立ち寄ってくださった方

ほんとうにありがとうございます^^

 

 

相変わらずの日々を過ごしていますが

2歳4ヶ月の我が子の急成長具合がすごくて驚いています。

どんどん言葉が増えて、どんどんしゃべるようになって・・

 

 

「ぷりちった」って言ってた「ヘリコプター」も

すっかりヘリコプターって言えるようになっちゃって、、

成長がうれしくてさみしい、そんな日々を送っています。

 

 

実は8月末にとある資格試験を受けまして、

先日合格発表だったのですが

無事に受かっておりました!

仕事面でも一歩前進、ホッとしました😌

 

 

ホッとしたところで読書欲が湧き、

なんとなく今まで手にとらなかった

作品を読もうと思い

こちらを手に取りました。

 

 

 

 

アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』(早川書房)

コナンやミステリー好きなら知らない人はいない

王道の推理小説。不朽の名作ですね。

 

 

わたしもコナンが好きで、

最近の作品は追えていませんが

70巻ぐらいまでは漫画で読みました。

(今は103、104?巻とかですよね)

 

 

なのでアガサ・クリスティとか江戸川乱歩とか

推理小説作家さんの名前はコナンで知っていたものの

作品を読んでみようという気は起きず、

今の今まで読んだことがなかったのでした。

 

 

コナンを読んでいた小学生時代(!)から

ずいぶん時が流れたいま、やっと読んでみた感想は

 

 

「・・・コナンっぽい!!」でした。笑

いや、違うよね、コナンがオマージュしてるのよね。

 

 

物語の舞台は「兵隊島」という

イギリスの孤島に建てられた豪奢なお屋敷。

 

 

とある富豪がそのお屋敷を買い取り、

2 人の執事を住まわせ8人のお客を招きます。

 

 

8人それぞれに面識はなく、

招待状を受け取りましたが送り主の名には

いまいちピンときていない様子・・。

 

 

しかし近ごろ話題になっていた

「兵隊島のお屋敷」に行ける好奇心が勝り

8人は島へ行くフェリーに乗り込みます。

 

 

お屋敷は噂通りの豪華さで、

招待客の気分は華やぎます。

 

 

しかしいつまで経っても招待主が現れず

さらには執事たちも数日前に来たばかりで

主人と面識がなく、彼らは首をかしげます。

 

 

だからと言って帰ることもできず

彼らは主人のいない屋敷で

ディナーを楽しみますが

 

 

食後のひとときを楽しんでいた

21時20分に突然レコードが鳴り出し

不気味によく通る声色で

執事・招待客含めた全員に

人を死に至らしめた「罪」があると告げられ

一同は凍りつきます・・。

 

 

彼らは明らかに動揺しながらも

冷静さを保とうとしますが、

一人が飲んでいたお酒に毒が仕込まれ

突然倒れてしまい、彼ら全員に

「裁き」が始まることを突きつけられるのです・・。

 

 

この物語では古くから伝わる

「兵隊さんの童謡」になぞらえた形で

招待客それぞれに「裁き」が下されます。

以下、引用します。

 

 

小さな兵隊さんが十人、ご飯を食べにいったら

一人がのどをつまらせて、残りは九人

 

小さな兵隊さんが九人、夜ふかししたら

一人が寝ぼうして、残りは八人

 

小さな兵隊さんが八人、デヴォンを旅したら

一人がそこに住むって言って、残りは七人

 

小さな兵隊さんが七人、まき割りしたら

一人が自分を真っ二つに割って、残りは六人

 

小さな兵隊さんが六人、ハチの巣をいたずらしたら

一人がハチに刺されて、残りは五人

 

小さな兵隊さんが五人、法律を志したら

一人が大法官府に入って、残りは四人

 

小さな兵隊さんが三人、動物園を歩いたら

一人が大きなクマにだきしめられて、残りは二人

 

小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら

自分で首をくくって、そして、誰もいなくなった

(52ページ)

 

 

可愛らしいようでいて

不気味で残酷な童謡の通りに

彼らは「裁かれ」ていきます。

 

 

孤島には彼ら以外の誰も住んでいないことが

物語前半でわかり、彼らは

一人ずつ減っていくたびに疑心暗鬼になり

自分以外の誰も信用できなくなります。

 

 

物語が進むごとに

一人、また一人と減り

緊張状態が高まる中、

とうとう「誰もいなくなって」しまうのです・・。

 

 

エピローグを読むまで

物語がどのように幕を閉じるのか

全く想像できませんでした。

 

 

「仕掛けている」人物がいるはずなのに

なぜ「誰もいなくなって」しまうのか?

 

 

ネタバレはしませんが

圧巻の結末でした。

 

 

一度読んだら忘れない

ストーリー展開で

読み終わった後もしばらく緊張が抜けず

冷たい余韻に浸っていました。

 

 

読後の感想としてまず浮かんだことは

「人は自分の見たい物語しか見ない」

そんな生き物なんだろう、ということです。

 

 

作中で「罪」を告発された招待客は

それぞれ心当たりがありながら

「それがなんだ!」と開き直る人もいれば

自分の正しさだけを主張し、

罪をなかったことに

しようとしている人もいました。

 

 

他人の痛みや傷に鈍感な上に

自分の後ろめたさも相まって

さらに人を傷つけてしまう・・

 

 

そんな人間の残酷さが積み重なって

できた物語だと思いました。

 

 

人を死に至らしめる

ほどではないにしても

自分の都合の悪い「物語」を否定して

自分の見たい物語しか見ないことで

他の誰かを傷つけてしまうということは

誰にでもありうることだと思います。

 

 

(去年のわたしは

ワンオペ辛い!という物語しか

見ていなかったと

後ろめたさを感じています)

 

 

人は自分の見たい物語しか見ない

残酷な生き物だけれど

 

 

自分が選んだ物語世界のなかで

見え隠れする自分の弱さや試練から

目をそむけず向き合って

後ろめたさのない物語をつくっていきたいと

教訓的に思わされました。

 

 

自分に都合よく生きていたら

誰もいなくなってしまうから・・。

 

 

感想を頭の中でめぐらせながら

去年のうまくいかない自分を思い出して

悶々と考え込んでしまいました・・

 

 

あ、落ち込んではいないです。💦

今の自分の見えてる世界ときちんと向き合おうと

改めて強く思いました。

 

 

ひさびさの読書でしたが

とても大満足な読書時間でした!

一気に別世界へ飛んで

母業のリフレッシュになりましたが

ミステリーは夜更かし注意!笑

 

 

リフレッシュしたので

引き続き母業がんばります✊

 

 

毎日忙しい中、このブログに立ち寄ってくださり

本当にありがとうございます😊

(こちら大好きなブロガーさんのまねっこです。

良い気持ちになる言葉を

日々意識的に使っていきたいです)

 

 

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またまたご無沙汰です・・!!
こんなにブログ更新できなかったの出産以来😭
 
 
6月にハワイに行ってからというもの
仕事がどどどー!と増え
 
子どもの体調不良も何回かあったりして
本を読む時間と自分の心の余裕が
まったくできませんでしたぁ〜〜
 
 
わたしゃ
仕事セーブするんじゃなかったのか??
4月に決意した思いとは裏腹に
新たにやることが増えて
頭ぐるぐるでした・・。
 
 
最近のブログを読み返すと
夫婦喧嘩の話をちょくちょくしているから
ブログの更新が突然途絶えると
なんかあったのか!?って思う方も
いましたかね・・考えすぎか・・?
 
 
(更新がない間もふらっと立ち寄られた方や
あいつ何してんだ?と見にこられた方がいたようで
本当にありがとうございます😊)
 
 
いまのところ家族みんな元気で
夫婦仲も悪くないです(言い方)!
 
 
メンタルも浮き沈みはありますが
去年よりは保てています!💦
 
 
ここ最近は
家族みんなが毎日無事に過ごせていること、
子どもがかわいく健やかに育っていること、
母として社会人としてやらなきゃならぬ
ことがあることのありがたさを日々
噛み締めているという感じです😚
 
 
ということで
ひさびさのブログすぎて
どうやって書くんだっけ💦
となりつつありまして
ダラダラ書いてすみません。
 
 
お盆が明けてようやく
「本が読みたいな・・」という気持ちが
湧き上がってきたので
こちらの小説を手に取りました!
(と言いながらもう9月になりますが💦)
 
 
 
 
2歳児育児中の今、
やっぱり家族小説の気分!
タイトルに惹かれて手に取りました。
 
 
この物語は
田園調布の名家で育った
起業家・文筆家の秋と
大阪出身で特別支援学校教諭の哲大の
同性パートナーが
さまざまな成り行きで彼らの“子ども”を
名門小学校へ進学させるため奮闘する
お受験小説です。
 
 
彼らの子どもは蓮と言う男の子で、
2歳のときにふたりに引き取られた
秋の異母兄弟です。
 
 
田園調布の名家「大田川家」は
秋の母・知香の実家で
知香はパリコレ経験のある
ブランドデザイナーとして
名を馳せる実力者。
 
 
父親の修也は秋が物心つく前に
知香と離婚し疎遠になっていましたが、
修也が亡くなり、再婚相手に
“育てられない”事情があると知ったことで
秋は哲大との話し合いの末に
蓮を引き取ることにしたのです。
 
 
知香は仕事も家庭も
一切妥協しないタイプで
秋は知香の母校でもある
超名門・慶心学院に初等科から大学まで
通わせていたことから、
蓮も慶心に通わせるよう強く言います。
 
 
はじめは知香の意見を
押し付けられることに
反発していた秋でしたが、
自分の母校でもある慶心は
最上の教育環境であることは否めず
 
 
さらにママ友から嫌がらせを受けたことが
きっかけで火がついた秋は「お受験戦争」に
参戦することを決意するのです・・!
 
 
北海道の田舎で育ったわたしには
まるで経験したことのない世界が
広がっていてとても興味深い物語でした。
 
 
なんといっても驚愕なのが
「寄附金」という文化。
 
 
入金後に支払うもののほか
入学前からあれやこれやと寄附をして
学校に恩を売り、少しでも
受験に有利になるようにする・・
というやり方があることを
本作ではじめて知りました。
 
 
これがメジャーなやり方なのか?わかりませんが
作中では知香がさも当然のように
寄附金として数百万単位のお金を出しまくります。
強い・・
 
 
秋は金額の大きさに面喰らいますが
だからこそ絶対に合格させるという
気持ちも強まり、母校の元担任の
先生と連絡を取ったりと、自分なりに
受験のための行動を進めていきます。
 
 
そんなお受験戦争のさなか、
公立育ちの哲大は
完全に置いてけぼりで
圧倒されるばかり。
 
 
哲大は「こんな大金が本当に必要なの?」
と秋に疑問を投げかけますが、
「哲大は受験をわかっていない」と秋は一蹴。
ふたりの空気がピリピリとしていきます。
 
 
秋の母校で多額の寄附もしているため
アドバンテージがありそうに見えるのですが、
慶心は同性パートナーの両親のもとで育つ
子どもを迎え入れた前例がなく、
むしろ不利な条件下にあることを突きつけられ
秋はどんどん追い込まれていきます・・。
 
 
蓮は健気にお受験のための
勉強を進めていきますが
ピリピリしていく秋の追い込みが強くなり
やがて哲大との大喧嘩に発展してしまいます・・。
 
 
受験というプレッシャーに
押しつぶされそうになりながら
懸命にこらえている秋も、
 
 
蓮と秋とまっすぐに向き合い
安易に意見を曲げず真っ当な立場でいる哲大も、
 
 
ふたりとも子どものことを真剣に
考えるからこそぶつかってしまって
読みながらどちらの気持ちもわかる・・
と親として切なくなりました。
 
 
子どものことを真剣に思うのは
どんな親もそうなのだけど、
お受験に奮闘する親の必死さは格別。
物語を通して痛いほど伝わりました。
 
 
嫌がらせの悪質さが
「何としてでも我が子を受からせたい」
という執念をあらわしているようで
なんとも言えない複雑な気持ちにも
なりました。
 
 
この物語を読んで
お受験ってすごい世界だな・・
受験期は仕事どころじゃないな・・
ということを肌で感じ、震え(いろんな意味で)、
 
 
子どもにとって
最高の環境を与えてあげたいと思う
親の気持ちの裏には
学歴コンプレックスや劣等感、
自分の親に“逆らえない”など
親自身の課題があることも垣間見えて
 
 
まるで別世界のような物語だけれど
親の課題を子に託す・・という視点では
自分もありうるかもしれない物語でもあり
最後まで唸りながら読み終えました。
 
 
そして読みながら
「子どもと向き合う」とは
どういうことか、ひたすら
考えさせられました。
 
 
親の価値観によって
いろんな答えが出てくるような
問いだとは思いますが
 
 
この物語を読んで、
子どもと接するときは
100%子どもに集中して接しよう
ということを心に決めました。
 
 
ここで懺悔をすると
最近自分の心の余裕がなくて
子どもにYouTubeを見せる時間が
どんどん増えてきてしまって。
 
 
子どもも「ブーブー!!(車の動画見せてました)」って
催促するようになっちゃって
これはいかん・・と思っていた矢先に
読んだのがこの本で、
子どもと向き合うことについて改めて
考えさせられたのです。
 
 
子どもの接し方のアドバイス?的なものが
作中で詳しく書かれていたわけではなく
完全に自分だけの心の変化なのですが
 
 
子どものために・・と始まったお受験戦争で
壁にぶつかりながらも自分自身の課題に向き合い
子どもにとって一番良いことは何かを
真摯に考え続けた秋と哲大の姿に触れて、
自分も子どもと集中して向き合おうって
強く思わされたのです。
 
 
この本を読んで一週間以上経つのですが
集中して向き合おうと決め、
その日からYouTubeを一切見せてません。
(時間を決めて・・一個だけ・・という
ちょこっと出しをするとズルズル見せちゃうので
完全に見せるのをやめました)
 
 
その代わりに絵本を読んだり
パズルやお絵描きやおもちゃで
一緒に遊ぶようにしたら、
子どもは動画の催促をしなくなりました。
(最初の数日は催促されましたが)
 
 
自分の手間は増えましたが
子どもとの濃密な時間が増え、
動画に頼っている罪悪感もなくなり
気持ちは以前よりも晴れやかになりました。
 
 
子と集中して向き合う
きっかけをくれたこの物語には
感謝しかないです・・。
 
 
この先、子どもが成長するにつれて
「向き合う」ということについて
もっと悩むのだと思います。
 
 
そんな時に
・わたしが一番大切にしたいことは何か?
・自分の課題を子どもに託していないか?
・子どもや夫はどう思っているのか?
自分の思いだけで突っ走っていないか?
などなどを考えながら
もう一度読みたい一冊だと思いました。
 
 
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この数日、有名人のショックなニュースに

ひそかに落ち込んでいます。



別に知り合いでもなんでもないんだけど

古着系が好きなわたしは彼らの世界観が

かわいくていいなとずっと思っていて、

ふたりが年を重ねても自分の好きを大事に

自分らしくアップデートしていく姿も

すごく素敵だな〜と思ってて、



そしていち子持ち既婚者として

学ばされるところも多くて、

彼らの新しい家族のかたちをひそかに

応援していたからこそショックでした。。



残された家族の言葉も泣けました。

感情に呑まれず、むしろ極力抑えて、

相手への愛と感謝と世間への配慮が

込められていて・・立派すぎて泣けました。

しばらくは誰か甘えられる人の

そばにいてほしいです。



今回ご紹介するのは

2週間くらい前に読んだもので

感想文ブログをあげられていなかったのですが

ショックなニュースをきっかけに

この物語が改めて思い出されて



ブログタイトルにもしたとおり

誰かに「かわいそう」なんて言うもんじゃない

安易に使わないように気をつけよう

ということを改めて強く思いました。



この物語の舞台は

郊外の住宅地「うつくしが丘」に

建てられた一軒のおうち。



とある夫婦が中古の一軒家を改装して美容室を

オープンさせるところから物語は始まります。



美容師の美保里は

念願の美容室オープンに

胸を躍らせていたものの、

義父や近所の住民からの言葉に

心がくじけそうになります。



夫の譲も美容師で、ふたりは

夫の実家の理容室を継ぐ予定で

そこで働いていたのですが、

さまざまな成り行きで義父の店は

弟が継ぐことになり、ふたりは

実家を追い出されるような形で

独立をすることになり、

うつくしが丘へ越してきたのでした。



場所は違えどふたりのお店を持つ

夢を叶えられることにわくわくしていた

美保里でしたが、近所の住民から

ここが「不幸の家」って呼ばれているのを知っていて買われたの?

と言われ、この家に住んでいた人々が

数々の不幸に見舞われ、家を出ることに

なったことを知らされるのです。



それまでの苦難の積み重ねもあり、

美保里は自分のなかで抑えていた

暗い気持ちが一気に溢れてしまいます・・。



ですが、そんな美保里に

温かい手を差し伸べる人もいて、

このおうちをずっと見てきた

隣人のおばあちゃんは美保里を励まし、

「不幸の家」に対して

全く違う見方をしていることを語るのです・・。



この物語は5章立ての連作短編集で

章が進むごとに

美保里の代からさかのぼって

それまで住んでいた人々の半生が

綴られていきます。



このおうちは、ある時は

反抗期の息子、息子に甘く娘に厳しい父、

夫の不貞を知り愕然とする妻が住む

「ままごとの家」になり



ある時は男に騙された女性と

元夫のDVから逃げてきたシングルマザーと

連れ子が住む「さなぎの家」になり



ある時は妊活がうまくいかずに

すれ違う夫婦が住む

「夢喰いの家」になり



ある時は「しあわせの家」を求めて

訳ありの男と聡明な連れ子と共に暮らす

女性がいるおうちになったりしていました。



たしかに彼らの生活は順風満帆とは言えず

苦難の道のりが多いものに映ります。



けれど彼らは苦難の壁にくじけて

この家を去ったわけではなく

苦難に向き合い、

彼らなりに前に進んだ結果

家を手放していく姿が描かれていくのです。



この物語を読んで感じたのは

「不幸」とか「かわいそう」という言葉の

身勝手さ、無責任さです。



ふと思ったんですが、これらの言葉って

自分に使うことってほとんどないのでは

ないでしょうか?



自分ってかわいそう、

自分って不幸と言うよりも

「この物語は不遇な環境に置かれた

不幸でかわいそうな少年のお話で・・」

といった感じでしか

使わなくないですか?



この言葉、よくよく考えたら

本人に面と向かって言えないような

失礼な言葉ですし、



「不幸」かどうかは

当事者にしかわからないのに

なんで決めつけられるの?

とこの物語を読んで強く思いました。

(美保里に向かって不幸の家と言い放った

近所の人の無責任さよ。。)



彼らにどんな不幸があったのだろう・・と

想像してしまうのは止められないにしても

それを「かわいそう」だと言葉にするのは

とても暴力的なことなのだと改めて思いました。



かわいそう、不幸だ、という言葉を

これからの人生で使うことはあまりないと

思いたいのですが、これらのような

暴力的な言葉があるということに

自覚的であろうと強く思いました。



我が子にも言葉の危うさを

しっかり教えていきたいです。



この物語を読んだきっかけは

最近家族小説が読みたい気分で

探してたなかに本書があって

「不幸」というワードに興味を引かれて

手に取りました。



町田そのこさんの小説は

他にも読んでいて

間違いなく自分に刺さる作品だろうと

思っていたので

なぜ「不幸」というワードを使ったの?

と気になったのです。



はたから見て幸せそうでも

実は見えないところで苦悩を

抱えているかもしれないし



不幸せそうに見えても

それを面と向かって言うもんじゃないし

前向きに試練を乗り越えている途中で

頑張っている最中なのかもしれない。



垣間見えた部分だけでものごとを

決めつけてはいけないという

当たり前のことを思い出させてくれ、

そして自分自身を顧みさせてくれた

とても素敵な一冊でした。



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海外旅行に行ってからというもの、

溜まった仕事を片付けるのに精一杯だったり

ひさびさに子どもが発熱して

一週間保育園お休みになったりして

本が読めない日々が続いています。。

(調子悪いお子との自宅保育、、しんどい!!)





本が読めない日々が

続いているのが悔しくて、、

無理矢理夜更かしして読書を。

直木賞作家で敬愛する作家さんのひとり、

西加奈子さんの乳がんサバイバルエッセイです。



西さんは2021年、留学先のカナダで

乳がんの告知を受けます。



コロナ禍まっただなかで医療は逼迫し

救急外来で9時間待ち(!)という状況のなかで

西さんは闘病生活を送ることになり、



病院や薬局の手違いで

治療が後回しにされそうになったり

薬が手に入らなかったり

日帰りで(!)乳房全摘手術を受けたりと

さまざまなトラブルや試練に見舞われますが



カナダの医師・看護師のカジュアルさに救われたり

患者は「受け身でいてはいけない」と

教えられてカルチャーショックを覚えたり、

カナダの友人たちがたくさん手助けしてくれたりと

大変な日々のなかでも

ちょっとした笑いや新鮮な驚き、温かい繋がりが

あることが綴られています。



医師や看護師との会話は実際は英語だけれど

西さんは軽やかな関西弁で和訳していて

それが「大変な日々のなかの明るさ」を

際立たせています。



だけどそれは軽率なものではなく

「カナコなら大丈夫やで!」という

力強いエールが込められた関西弁で、

西さんはあらゆる人からパワーをもらい、

抗がん剤治療、乳房全摘出手術、

そして放射線治療を乗り越えていきます。



もちろん真摯に病と「自分」に

向き合う姿も描かれていて、

西さんは何度も「自分は弱い」と語ります。



「ああ、自分は一人では何も出来ないなぁ。弱いなぁ。日々、そう思った。そしてそれは、恥ずかしいことでも忌むべきことでもないのだった。ただの事実だった。

私は弱い。

私は、弱い。

日々、そうやって自覚することで、自分の輪郭がシンプルになった。心細かったが、同時に清々しかった。」(62ページ)



西さんとまるきり同じ状況ではないので

おこがましいかもしれないけれど、

わたしも似たようなことを感じていました。



母になり、育児と仕事の両立がうまくいかず

夫とも衝突して孤立してしまったとき

自分の弱さをつくづく感じました。



うまくいかない。

一人じゃ何もできない。

体力的にも精神的にも経済的にも弱い。



だからこそ、そばで支えてくれる夫や母の

ありがたさが身に染みるし、

弱いわたしのそばで一生懸命に生きている子が

より愛おしく大切に思えて



自分の弱さに落ち込むのではなくて

それを受け入れて、身近な人への感謝とともに

大切なものを守るために

できることを頑張ろう、、



といった感じで自分の頭の中が「シンプル」に

なった感覚がありました。



弱いことは悪いことではないんですよね。

だって誰もが年老いたり何かがあって

「弱い」立場になりうるのだから。



むやみに落ち込む必要はないし

感謝さえ忘れなければ

誰かから助けられていることに卑屈になったり

遠慮する必要はなくて、

弱さを受け入れて「じゃあ自分ができることは何?」

と考えて行動すれば良いだけで。



弱さを自覚することで

「たくましさ」や「生きる力強さ」が

生まれるのかもしれないなぁと

読みながら考えさせられました。



弱い自分を全世界に開示して、

そして受け入れていく過程を綴った西さんは

ほんとうにたくましくて強い人だと思いました。



「20代の頃、年を取るのが怖かった。若さがすべてだ、おばさんになったら終わりだ。私たちの世代はそんな風に叩き込まれていた世代だった(中略)。

でも、自分が年を重ねておばさんになった今、何を怖がっていたんだろう、と思う。誰が私たちを脅していたんだろう。おばさんになったからといって、自分の喜びにリミットをつける必要はない。」(53ページ)



この引用も好きな一文で。

老いという弱さを恐れる必要が

どこにあるんだろう?と

ハッとさせられました。



わたしも西さんのように

老いや弱さに自覚的でいて、

ショックを受けて泣くときがあっても

最終的にはありのままの自分を

ほがらかに受け入れられる人間でありたいです。



本作では西さんの闘病生活のなかで

日本とカナダの文化の違いが

随所で語られています。



カナダの医療体制のいいかげんさ、

それに反した日本の医療のきっちりさ、

日本人の丁寧だけど距離を感じる態度、

カナダで出会う人たちの温かさ、

自分を大切にするカナダ人と

自分を犠牲にしがちな日本人、

時間に厳しい日本と、ゆるめなカナダ。



そのどちらにも良し悪しがあって、

どちらにも文句や苦言を呈しながら

その違いには「日本の狭さ/カナダの広さ」が

関係しているのではないかという

西さんの考察に目を見張りました。



「日本の芸術は、まさに狭さの賜物だ。そもそも狭いスペースにも保存しておける掛け軸や屏風絵、欄間の存在は日本ならではの様式ではないだろうか。(中略)

決して雄大とは言えない国土で、日本人は深みのある美、そしてその背後にあるものを見つけることに、非常に長けている。」(211ページ)



たしかに日本は狭くて窮屈で

輪を乱さないように自分を犠牲にしがちで

だからこそわたしは一度海外に住んでみたい

という思いがあるのですが



逆にそれが「深みのある美」につながる

「陰翳礼讃」的な魅力にもなる

ということを改めて考えさせられ、

忘れかけていた(笑)日本の良さについても

思いを馳せる一冊となりました。



自分の身体も住む場所も、

当たり前にあるからこそ軽視しがちなもので、

本作はそのふたつをじっくり見つめる

良いきっかけとなった一冊でした。



ひさびさにじっくり読書ができて

大満足です・・!!



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ご無沙汰しております!!



先日我が子が2歳になり

コロナの制限も

いろいろ解かれたタイミングだったので

海外旅行に行ってきました✈️





行き先は4年ぶりのハワイ🏝️






日本からの就航便が多くて

ハワイは子連れ海外デビューにぴったり!



空港に降りたときのあま〜い香りが

ハワイに来たことを実感させてくれて、

やっと来れたんだ・・と感極まりました。





2歳になって、旅行の刺激もあってか

我が子は本格的にイヤイヤ期がはじまった模様!!



健全な成長でよろしい!と思う反面

自我にふりまわされて親はヘトヘトです・・



でも最近「ママ だ〜すき」って言えるようになって

(言わせてる)

メロメロ度はうなぎのぼり・・

あばれん坊だけどかわいいぜこんちくしょう・・





初子連れ海外ってことで緊張していたし

いろんなハプニングもあったしで

本が一ミリも読めませんでした。



読書ブログを長年やってきて

こんなに本が読めない日々が続くのは

社会人一年目以来かもしれない。笑



読書していないのにブログ更新するのもなぁと

思ったけれど、

前回のブログに書いた「小さな努力」の結晶が

この旅行には詰まっているから

自分のメンタルのために記録させてください。








写真や動画を見返すと

子の躍動感とか自然の気持ちよさとか

愛おしい瞬間が詰まっていて

たくさん撮っておいてよかったなぁと思います。





旅行って楽しいけれど疲れますね。

この日のためにパーソナルトレーニングに通って

筋肉も体力もつけたはずなのに

ヘトヘトでした・・動きすぎたか^^;

帰国して体重はかったら痩せてました。笑





この夏だけでもキープしたいところです。





すてきな夜景。





花火は毎週金曜日に定例であがるもの以外に

2回もサプライズで観られました!

2回目は部屋のベランダから、

3回目は最終日夜のレストランから。



3回目にレストランから花火が見えたとき

「幸せだ・・」と心から思いました。



これからもこんな風に思える瞬間を

増やしていけるように頑張ろうと

改めて思いました。





準備や移動で疲れ果てながらも

大好きな人たちと最高の思い出ができて

本当に幸せな6月上旬でした。



いまはすっかり日常に戻っていて

旅行でお休みしたぶんの仕事が溜まっていて

片付けも中途半端でなんか荒れてて

ヘトヘトしております^^;



夫も疲れていて急に自分モードに入って

何にもしなくなってイラッとすることも。笑



だけどまぁ人間だから

疲れちゃうこともあるよね

夫も自分モードに入っちゃって悪いね

と思っている自覚があるようなので

ねちねちせずに水に流して

チームワークで毎日を回せるように

模索していきたいと思います!





あわよくば近い将来

またハワイに行けますように・・🌺





それでは日常頑張ります!

少しずつ読書していきます^ ^






★読書ブログ開設8年目にして

自己紹介ブログをやっと書きました!

ささかわはどんな人間なのか

どんな思いでブログを書いているのか

もし興味があればご覧ください(^◇^)

 

 

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