「Aマッソのがんばれ奥様ッソ!~芸能界のお節介奥様派遣します~」のネタバレ全開感想記事です。

 

 

未見の方向けの本作のネタバレなし紹介記事はこちらです

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感想(ネタバレあり) 

 

以下はネタバレありの感想になるので未視聴の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

いや~~~~~・・・・・・。

 

前半の家庭パートの結末、鬱になりましたわぁ・・・。

 

 

 

まず自分が本作を配信サイトで見つけた時の表示はこうでした。

 

23分ずつのお宅訪問の後にたった1分だけの「その後の様子をお届け」という動画が挟まっている。

 

これは何だ?

 

しかも「その後の様子をお届け」と言いながら、ニュースキャスターが報道しているようなサムネイル。

明らかにその後の様子をお届けできる尺でも雰囲気でもありません。

 

 

なのでこれがどういう形のものなのか?それがとても気になりながら見ていました。

 

 

そして実際に判明したのは「全く別のニュース速報」というオチ。

なるほどそうきたか、という感じでしたね。

 

 

お宅訪問しながら不穏な仄めかし、伏線らしきものが多々映っていたので、てっきりこの1分の「その後」は謝罪番組なのかなと思っていました。

放送した中で事件に纏わる不適切なシーンが映り込んでしまった、あるいは事件の発生を予期させるものが映り込んでいながらスタッフ一同が犯行を止めることができず申し訳ありませんでした、的な。

 

ただ画像だと見切れていますが、後編のオーガニック生活ご家庭編の後にも同じく1分の「その後の様子」枠があるんですよね。

 

もしこれが自分の予想した謝罪番組なら、2連続で同じ不祥事を謝罪するのかよ、再発防止できてないじゃん、というか最初の不祥事の時点でよく放送中止に追い込まれなかったな、等のツッコミどころが生じてしまうとも取れるのですが、

あくまで別のニュース番組が事件を報じただけならそのツッコミも回避できるんですね。

(実際にこういうバラエティー番組が訪問した家庭でその後凄惨な事件が起きて、同番組が放送を続けられるものなのかは存じませんが^^;)

 

 

 

で、前半の家庭ですよ・・・。相当に鬱になりました。

 

後半も鬱ではあるんですよ。ただ後半は、最初から被害者の少女は悲惨な環境に置かれていた上に、信頼していない相手(教祖)に殺害されてしまうという事で、ギャップはなく、言い方は悪いですが「そうなるよな」という殺人、な印象でした。

悪意を持った赤の他人に襲われて死亡するという形は殺人事件としては通常のケース寄りだなと。

 

 

しかし前半ですよ。赤の他人どころか、身内。家族。

犯人は愛する夫と娘!娘に至っては血の繋がった実子!

 

それも殺されてしまった母親が普段から家庭内でギスギスしていて夫や娘と険悪だったならまだ「悪意を持った相手に殺害される」という、前述した通常のケース寄り(通常といっても個人的印象で統計とかは知りませんが)の殺人と感じたかもですが、母親自身は仲が良い、最愛の夫と娘だと思っているわけですよ・・・。

その相手にいきなり殺されてしまうという・・・。

 

しかもあの、終盤の夫と娘からの感謝の手紙朗読のシーン・・・。

感動の涙を流す幸せいっぱいな母親の姿を見せられてからの、ニュース番組で告げられるあの母親が娘と夫に殺されたとの報。

 

 

かなり憂鬱になりました。

 

 

いくら相手が力の弱そうな中年女性とは言え人を一人殺す、しかも近隣住民に不審がられないようにするでしょうから悲鳴や殺害時のもみ合う音も出ないようにしないといけないし、遺体処理にも作業や時間が掛かる。

そう考えると母親をいきなりタオルで絞殺するのは不向きに思えます。

なので睡眠薬を飲ませて眠らせ、意識がないままの母親を風呂場にでも運んで首を絞め殺害したのだと思いたい。

愛する夫と娘にいきなり殺意を向けられたのだと知ることなく、苦しみや恐怖を感じることもなく死ねたのだと思いたいです。

実際、殺害のハードルや周囲への隠蔽などを考えても、ただの願望だけではなくその殺し方をした可能性が高いはず・・・。

 

 

 

いや~~~~~鬱です鬱。

 

 

 

娘からの手紙は母親視点では自立できるまで育ててくれてありがとうと述べているよう聞こえたでしょうが、

娘視点ではもう母親は要らない、邪魔だと述べ、そしてあんな事を伝える時点で暗に殺害予告めいているんですよね。

 

そのギャップも残酷で鬱なんですが、あんな手紙を書いて伝えるくらいだからもう殺害予定は立っていたはず。

そもそも愛犬のコマを(明言はないが99%の確率で)殺して食べさせた時点で、いくらあの日は疲れて寝てるなどと偽っても翌日、翌々日にでもなったら愛犬が姿を見せない事のおかしさを隠しきれないでしょうから、

殺害の決行はあのお宅訪問が終わった当夜、または翌日中かなと思うんですよね。

他の子供が学校等へ行ってる間に睡眠薬、風呂場で殺害、遺体処理を行うのが家庭内隠蔽の点では一番都合が良いでしょうし。

となると愛犬が死んだこと、その肉を食べさせられていたことを知らないまま、あるいは愛犬のコマは急に失踪したという夫や娘がつくかもしれない嘘を聞かされて心配で心乱されることもなく母親は亡くなったと思いたい。

 

 

 

いや~鬱ですね。

 

 

 

チラッと映った「裏切り者がいる」「気持ち悪い」という文は長男(桃也)が書いたんでしょうね。

「裏切り者」とは再婚した妻を裏切って娘と愛し合っている父のことか、母を裏切って父と愛し合っている長女のことか。

「気持ち悪い」とは血が繋がっていないとは言え父あるいは娘と肉体関係を持っている長女か父、または両方のことですかね。

 

 

 

 

で、後半のお宅訪問ですが、こちらはお宅訪問の最後に出る、真っ暗な画面に白字のパートがとても活きていましたね。

あれがないと「最後に殺人を含む儀式だったのか?」という疑念も見ている側に生じたでしょうが、あれのお陰でハッキリと「拒絶されたので教祖は殺害に至った」と絞り込まれました。

拒絶されたのが理由という子細な動機までは1分の尺では伝えるのは難しいでしょうが(他にも教団関係の事で伝える内容もありましたしね)、あのテロップのお陰で事前に端的に明示できていました。

 

 

あとあのテロップで絶望感も出ていましたね。

前半家庭ではあくまで「長女が家庭内不倫をしている」というああやっぱりねな明示に過ぎませんでしたが、

後半家庭では「あぁ殺されてしまったのか・・・」と明確になるので絶望感も伴われていました。

 

 

 

という訳で鬱でしたが(特に前半家庭の母親の真奈美さん)、通常のバラエティーパートは本当にテンポ良いし(随所に映り込む不穏成分以外は)ツッコミが笑えて面白かったし、ナレーションやらテロップ表示やらあれこれ本物のバラエティー番組そっくりの造りで凄かったし、体感時間が短い、楽しく良い番組でした(鬱ですが)。

 

 

これを見て他の大森時生氏担当作も見てみたくなりましたね。

あと「放送禁止」という作品シリーズを名前だけ知っていて内容は知らなかったのですが、この「がんばれ奥様ッソ!」はあの作品と似ているとか?

「放送禁止」も見てみたくなりましたね(でも配信にないので今は見られない・・・)。

 

 

それにしても「その後の様子をお届け」はネット配信ならご覧の通り番組の一部として把握できますが、TV放送だとどうしたんだろう。まさか本当に1分だけ番組を流したわけではないでしょうし、ネット限定配信とか?気になります。

 

 

 

以上です。ここまでお読み下さりありがとうございました。