ブログではご無沙汰でございます!
生きてるよ!
野崎香奈江です。
(自分のブログで名前を名乗る)
だいぶ前のことですが、観に行ってまいりました❗️
六本木歌舞伎「羅生門」
by.3月7日
ホンマに素晴らしかった❗️
歌舞伎は全く初めてでやっぱりよく分からない言葉もあったけど、この「六本木歌舞伎」は初見の人にも見やすい・分かりやすいように創りつつも、歌舞伎の技はふんだんに盛り込む。
きっと歌舞伎に精通したらもっと楽しめるだろうなとも思ったり。
逆に、知ってたら「こんなん歌舞伎やないわー!(ちゃぶ台返し)」てなるのかな?
でも、色んなレビューや感想を読んでると「幕間のやり取り(海老蔵さんと三宅君のアドリブネタパート)がなければ、歌舞伎として本場でもやれるんじゃないか」「前作と違ってちゃんと歌舞伎の脚本になってる」との意見が多くて、あんなに厳しい伝統芸能の世界に新旧が入り混じるのは凄いことだぁ…と考えたり。
もう終わってるから中身触れてもいいかなと思いつつ。
(それもあったからブログに書くのは公演終わってからにしようと思ってた。)
観に行く前に「羅生門」を改めて思い出して。
「あの短い『羅生門』をどうやって休憩ありの約2時間にするんだろう?」と思っていた私。
ネタバレになるから、あまりネット漁りはせず、
歌舞伎のマナーだけ調べて(でもちゃんとした歌舞伎座での上演じゃないから安心してはいた)、
仕事先で先輩に三宅君カラーのオレンジネイルをしていただき…
チケットも持った❗️
(しかも舞台から4列目の真ん中ら辺と結構近い❗️)
なのに、前日楽しみすぎて寝れず、観劇記念にストラップ作って遅くなり、めっちゃくちゃギリギリに起きてしまったこの失態❗️
しかも電車の遅延で本当に迷惑な到着時間。
着席は開演2分前くらいだった
本当にスタッフさん達には申し訳なく…
いざ!と観てびっくり。
「羅生門」と「茨木」のコラボ。
他にも芥川龍之介の作品を所々オマージュしてるのか?というオリジナル脚本、演出。
なるほど!
これは2時間だ!!←単純
冒頭は海老蔵さん演じる渡辺綱と市川右團次さん演じる茨木童子の戦いから始まって、ひたすら頭の中に「???」とハテナマークが飛んだけど「茨木童子」が出るという噂は聞いていたのでそこで分かったから、その後は特に疑問なく。
客席から三宅君演じる下人が登場し、
お客さんを何気に絡ませつつも小説の「羅生門」の通りに進んでいく。
下人が海老蔵さん演じる老婆の着物を剥いで「あれ?終わった?」と思ったら再び登場する片腕のない茨木童子。
「なら俺がお前を切っても構わないな」と殺される下人。
斬り殺されてせり上がっている羅生門のセットから舞台面まで転がり落ちて絶命する下人。
幕間には海老蔵さんが本人役の市川海老蔵役で登場する。
三宅君演じる下人や宇源太が死んでから必ず現れる海老蔵。
まるで神様かのように、下人や宇源太が望んだ形で蘇らせていく海老蔵。
アドリブ入れて恒例になってるモノマネを三宅君にさせたり、三味線の生演奏で「TAKE ME HIGHER」を踊ったり(笑)
しかも回数こなす度に演奏がバージョンアップして、最後は2人で「これはどうか」と確認してたらしい。
本人役で登場してアドリブのシーンはファンサと場を和やかにする目的なのかとも思いつつ、でもそれだけじゃないような気もしつつ。
あ、ちなみに私が観た日の右源太は「ケンケン」でした
名乗る所はどうするのかと思ったら、ちゃんと「…ケンケンである!」て言って、他の役者さんも「ケンケン」て呼んでた
可愛いね、ケンケン(笑)
休憩入ってダッシュで物販へ買いに行く。
確かに三宅君観たさで行ったし、買うならパンフレットだけだなと思ってたけど、
やはり周りの歌舞伎役者の皆様方がとてもとても素晴らしく…
劇中の物販の売り込み方も面白く🤣
買う予定なかった手拭いとマスクケースを買ってしまった(°▽°)
だって可愛かったんだもん…もん。
でも二幕入ってからかな?
右源太…じゃなくてケンケンが茨木童子に殺され、再び海老蔵が登場して「羅生門」の世界になって進んでいく。
(早着替えも歌舞伎の技なのかな?)
「え、これはどうやってまとめるの?何が言いたいの?は?」
てなって。
三宅君の役がエンドレスに茨木童子に殺されるってオチ?と思ったら、1幕と違うのは下人が老婆を刺し殺したこと。
そして死んだはずの老婆と下人の会話。
老婆が「勇気」の話をすると、ならなぜ俺は勇気を持ったのに必ず殺されるのか、俺が生きた意味はないのかと問う下人。
下人は持っている記憶を使いながらも勇気を持って、その人を生きた。
殺されることが分かっていながらも、再び老婆を殺す選択をする。
でも、それも生きるために選んだこと。
茨木童子に殺されるためではない。
どの人生を生きても茨木童子に殺される。
それやら、なぜ生まれたのか、生きたのか。
意味はあるのか。
その下人の訴えに対して、老婆の返した言葉が
…
『残酷な人の世を知るために』
この台詞でなんか全てが1つになった気がして。
スーッと言葉が入ってきた。
不思議な感覚。
『人間は「勇気」を持っている
人の心を見失わない勇気
恐れも驕りも喜びも、全て備わって人』
頭の中で何回も老婆の台詞をリピートしたよね!
覚えていたくて!!
(終わってから即座に携帯に打ち込んだわ)
『己の中の闇(鬼)に打ち勝つ勇気
人は常に選択して生きている
生きること自体がエゴイズムなのかもしれない』
(ここはちょっと曖昧なので、こんな感じのこと言ってた)
それから最後の大立ち回り。
まさしく、下人が死んでもなお『己の中の闇(鬼)に打ち勝つ勇気』を奮い立たせる場面に見えた。
何分にも及ぶ見せ場は圧巻!爽快!
そして謎の人物、海老蔵演じる三升屋兵庫ノ助三久(みますや ひょうごのすけ みつひさ)。
唯一の下人の味方で、茨木童子とも一騎打ち。
(誰?!)てなって、調べても分からなくて、数日間は謎の人物だった
役者の先輩に熱弁したら調べてくれて、成田屋の象徴、「魔を払う存在」「善の象徴」じゃないかと解釈\(^◽︎^)/
ありがとうございますー、先輩ー!
ラストは鬼達に勝った下人が、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように、天から降りてきた紐を伝って昇っていく。
空中での見栄切り、流石でございました。
私が観た回はカーテンコール9回ぐらいやって、最後はスタンディングオベーションで締め。
東京、大阪、北海道での公演で、約55,000人もの動員だったそうです。
老婆、下人の織りなす「エゴイズム」と「勇気」の掛け合い。
茨城童子と鬼達の追い詰める気魄。(+チャーミングさ)
…鬼の方々にこの漢字は意味がおかしいか?(OvO)
1幕の時は挑発的に、2幕の時は導くように、下人に投げかけていく老婆。
どちらも先導は老婆なんだけど、全然違う。
そして下人の心の移ろい、変化。
あれは絶対難しい。
まさしく赤ちゃんの頃から修行が始まる歌舞伎の世界に、約1ヶ月での稽古で舞台に挑んだ三宅君。(その前から準備はしていたらしいです)
海老蔵さんにとって、三宅君の存在がとても大きかったとブログやインスタで言っていて、本当にすごい世界で自分の居場所を作り上げたんだなと。
座組みの皆さんが、相手を讃えて、支えて、引っ張っていくのがとても伝わる公演だったなと思います。
他の歌舞伎役者さん達のことも知りたいなーと、皆好きになっちゃう舞台でした。
余談ですが…
その日のうちに羅生門の小説買っちゃったよね。
朗読の練習しちゃったよね。
影響受けやすいのほ分かってたけど、受けすぎだよね!
まさしく単純。
単純がいい(笑)
終演して何週間も経っていますが、改めてお疲れ様でした(*≧∀≦*)
生きることこそが、まさにエゴイズム。
大なり小なり、己の鬼(闇)と常に向き合う人間。
かぁ。
うむ。
羅生門、すごい。
もう一度、観たい!
…はぁ、ブログに書けてスッキリした(笑)