紀伊葛城山中をドライブしていましたら、藤に絡まれた枝が折れているのに遭遇しました。
これはこれは……ってことで、無事に藤の蔦から救助したところ、いい感じに魔法の杖っぽい。
サンドペーパーなどをかけて、杖に加工しようと思います。
さて、杖といえば、だれを思い出しますか?
まずは空海じゃないでしょうか。
彼は杖をついて全国を行脚し、杖でもって水脈を探り当てては、水不足に悩む村を救ったと伝えられます。
どこまでが伝説で、どこまでが史実かはわかりませんが、全国各地に「弘法の井戸」と呼ばれる井戸があるのは、それだけ空海が井戸掘りの名人だと考えられてきたからでしょう。
そしてまた、倭姫も「御杖」を刺しながら、天照大神が鎮座まします土地を探して全国をさまよいました。
御杖村はそうした村の一つで、倭姫が「元伊勢」とした御杖神社が鎮座しています。
そして天照大神の妹神である丹生都比賣も、杖をもって関西各地を回られています。
詳しく掲載しているのは『丹生大明神告門』で、
「懸幕も恐き皇大御神を歳の中に月を撰び、月の中に日を選び定めて、銀金花さき開くよき日を選び定て、(中略)丹生川上水分の峯に上りまして国かかし給ひ、下りまして十市の郡の丹生に忌杖刺し給ひ、(後略)」
と、各地に杖を刺してまわったと書かれています。
杖を持っているのは、長旅で歩くのが大変だからというのも、もちろんあると思いますが、それ以上に、「杖」が呪具として重要なんじゃないかと思います。
それが刺すところに、持ち主の力が入るというような。
だからこそ、空海は杖で水脈を探り当てたのでしょう。
とまぁそういうわけで。
この杖、ちょっと大事に加工したいと思います。
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