柴崎 友香
その街の今は

まさに今っぽい作家さんですなぁ

そしてタイプです(笑)


何が起こるわけでなし、でも何かがはじまり始めた感じとか

関西弁というところや、今の若い人をちゃんと書いてる感じ?私が共感することの

できる若い人たちを書いてるところが西加奈子さんを思い出させるけど

そこまでドラマティックじゃないんですね。


どちらもとても好みです。



友人との自然で内容がなくて、そのまんまな面白い会話とか

人を好きになっていく途中とか

自分の現状に満足でもないけれど憂いてもいなくて

リアルで自然で。

あっという間に読み終わってしまう。


よいです。



青山 七恵
ひとり日和

Amazonのレビューを見てみたら結構悪評も多いんですね


私は、よかった。かな

芥川賞受賞というと、へぇーと思うけど。

あと村上龍さんはまだしも、都知事がこれを大絶賛っていうのはねぇ・・

なんか違うんでは?と。




自分が二十歳のコロのことなんて忘れてしまったし、全然違った二十歳だったけど

今でも彼女のような気持ちになることもあるし、同じパターンの

別れを繰り返す自分の学習能力のなさも。

人に内心でつっこんでいる底意地の悪さも。

わかります。



吟子さんに対する口の利き方や、辛らつなコメント。優しくない態度や感情など

主人公はナンなの?と思う人もいるだろうけれど

なーんていうのか?

よりリアルではないのかな

自分はおばあちゃん子であったけれど、こういう時期があったし

一緒に暮らしていたらこんなもんじゃないかな~

毎日顔合せてたら、辛気臭いと思うことだって、年寄りがイヤだって思うことも

あるしね。



感謝してたり、スキだったり、そういう感情を上手に表現できて

相手に伝えることが上手な子だったら、違う話になってるはず

照れて、恥ずかしくなっちゃうようなことは、極力避けたい、そういう気持ち。なんかわかる。




吟子さんはすごく魅力的でしたね

彼女の言葉が読んでる私を癒しました

やっぱり歳を重ねないと、彼女の癒しはわからないと思う

それでいいんだと思う。

まだ二十歳そこそこの知寿にとって吟子さんとの暮らし

それは穏やかだけれど、抜け出すべきだったのだし

その老いと、穏やかだけど面白みのない生活の良さを実感できる

年齢ではないのだ。






激しい起伏のある話ではないけれど、私はとても気に入りましたね

青山さん気になります。





森見 登美彦
きつねのはなし

京を舞台にした話が多い森見さん

今回は魅力満載です


釈然としないままに、怪しいままに終わってしまう奇憚集


この雰囲気は絶品ですね


私はやはり「きつねのはなし」が一番よかったけれど

どれも同じ古道具屋がからみつつ、話がつながっているわけではない

どこかに必ず狐の面が。

まさにきつねのはなし。きつねにつままれたようなはなし。


日本ならではの日本人にしか書けない作品


面白かったです

baberu3

初日に見てまいりました「バベル」


これからクライマックス?というところで突如終わってしまったようなそんなラストでしたね。
実際長丁場を感じさせない、緊張感だったのでしょうね。



他のレビューなんか見ると酷評も多いようだけど、私にはそうではなかったかな。



baberu2

なんせ、俳優人の演技が全部すばらしい。
日本人でいうと、菊地凛子さんをベタ誉めしたくなりますが
やっぱりここは大御所(笑)ブラッドピットとケイトブランシェット夫妻が
やはりうまい。
鍋に排尿するシーンでの二人の絆が愛が、更正されていく
ところなんかすごく良かった。


メキシコ人の家政婦役の女優さんもモロッコの兄弟・アメリカの兄妹役の子供たちも

すばらしかったです。



「言葉による壁。人種による格差と差別。そして銃。
コミュニケーションがとれず、気持ちが伝わらず、それによって起きる悲劇」



こういったテーマは、鑑賞前から頭に入れていたので、納得して見れたし
過激な表現(シーン)ばかりにわいのわいの言う人もいると思うけど
人が生きて生活していればそういうことはある。と普通に納得できる
ものでもあるので。(少年の自慰行為・中年男女の性・ナンパ・ドラッグ
など)
わざとそういうシーンを入れた。ということではなく、生の性の生々しさを表現するのに

必要だったからだ、と思えましたね


言語の違いに飽き足らず夫婦でも親子であっても、すれ違い、分かり合えないもどかしさと
寂しさ。でもそこに確実にある愛情。
切なくて痛くてもどかしい


そしてどうしようもない現実

厳しく、不条理で

分かり合える、分かり合おう、なんて所詮無理な話なのか?




baberu


各国の景色・風景・人々それぞれのカラーで、バシっと見せてくれる映像と音楽は

すごくグっとくるし、飽きない。
そこにきて後は見ている人で。と投げられるストーリー
曖昧にしたまま、自分で解釈していく部分が多く、終わってすぐに感想を
持つことができなかったけれど、私にとっては駄作ではなく
やはり傑作なのではないのかなぁーと。

石田 ゆり子
天然日和

女優石田ゆり子さんの、日記です。


今でこそ、この私ですらブログで日々のくだらないことを

書いたりしていますが(苦笑)

これは幻冬舎のHPに載っていたものですね、私もリアルタイムで

ちょこちょこ読んでました。


この日記の中で

髪の毛を切った。ショートが自分に合っているし、もう二度と肩より長く伸ばすことは

ないような気がする。

と書いてあるけれど、彼女は髪の毛を切って、さすがに妹さんと

比べることがなくなってきただろうあたりから、私の中でも

好感のもてる女性になった。


自分が30をすぎてから、彼女はいいなぁ~素敵だな。と

そしてFRAUで彼女の特集を見たときに、なんて健康的で素敵!

と好きになった(その記事はここ



この日記を読んでいると、共感できるところが沢山あって

休みの日に何をしたいか?と

考えたら、部屋の掃除だったりゆっくり読書だったり丁寧に料理だったり。

気取ることがない、普通の生活を楽しんでいて。

勿論、悩みもストレスもたっぷりかかえているのだろうけどれど

答えは自分の中にしかない。と

ちゃんと、答えを出している。

弱いけど、強い。



途中から猫4匹に加え、ラブラドールの花ちゃんが加わり

日記の傾向も変わってくる(笑)

それが日記というものだし素直でいい感じ。

私はなんせ犬好きなので、犬描写のところでニッコリしてしまうの

だけれど、実際一人暮らしで仕事を持ち子犬を飼う。というのは

ほんとーーーーに大変で。

自分はできないであろうとちょっと考えただけで思う。

素敵な暮らしだけれど、ハードだわ。


日記の間に、エッセイ?のようなものがはいるのだけれど

私は日記のほうが面白かったですね

あったことや、感じたことをダラダラかいてるようなものが好き

というのもあるし、日記のほうが彼女の味が出ていると思います

文章を書くのが好きで、一生懸命書いてる感がありすぎるし、ちょっとくどい?(笑)

感じもするしね。




この日記。

もっとあるのかな?

だとしたら続きを読みたいです。




有川 浩
クジラの彼

題名からはあまり想像つきませんが、恋愛短編集です

しかも、全編自衛官がらみ。


なんというか・・

ベタですなぁ(笑)

わざとそこを狙っていると思われますので、そのベタさを楽しむのにはもってこいだと

思いますね。


自衛官の男は、みんな仕事に真摯で不器用でいて、いいヤツだっていう

図式になっちゃってるし

国防しながら、ファイターパイロットでありながら、その辺にいる子より

断然美人とかね(笑)

全編マンガにしてもOKな、ベタでフィクションな小説です


ストーリー的にも、期待を裏切らず

きっと、ここがくっつくな(笑)と思ったとおりの展開です

セリフも態度も(恥ずかしがったり、喧嘩で泣いたり)、逆に古いタイプの

定番です。

ちょっと脚色すればエロ小説として萌え~~(笑)ってなりそう。



でも、これはけなしているのではなく誉めているのです!!


最近には珍しい、ど真ん中の恋愛小説。

海猿なんか好きな人には、超ツボなんじゃないでしょうか


私のツボは・・

あまりはまりませんでしたが(苦笑)

楽しめる恋愛小説です。

公開初日に見てまいりました。


とはいえ、すごく見たかったわけではなく。まぁ、成り行きで。。

映画は大好きなので、なんでも見れると嬉しいのでOKです。



原作も私にとってはそこまでツボじゃなかった東京タワー。

スペシャルドラマ、連続ドラマと見尽くした感もありますよねぇ。。

ストーリーわかりまくってるし

どうなのかなぁーー。


リリーフランキーを演じるのがオダジョー。


でもね、原作のマー君に、私は一番近いように感じましたね。

それは髪型とかファッションとかそういうんじゃなくて、影もある面白い男っていうか

ナイーヴで優しいところもちゃんとわかったし。

まぁ、もこみちはないよなぁーと思ったし(最後まで変な髪形のままでしたよね?)

大泉洋は悪くないけど、見た目だけ原作に忠実にしようと思いすぎといいましょうか、

なんといいましょうか。



toukyo

この映画のマー君は、いつもエスニックな巻物をしていて

格好いいです。

髪型はどうなの??って思うけど、それでもやっぱり格好イイなぁ~


散々見飽きたこの物語にひきつけてくれるのはオダジョーの格好良さ

と演技でもあるでしょうね。

やっぱ映画俳優なのですね、前二人と比べるのが酷なのか?


オカン役の樹木希林さんは期待通り。抗ガン剤で苦しむ姿はマー君でなくても

見ていて辛かったです。

そしてオトン役の小林薫さん!

年下好きの私でも、小林薫さんだったら結婚したいくらいにタイプの俳優さんなのですが

その良さが全開でしたねぇ~

格好イイ。そしてうまい!

何を見てもうまいですよね。

彼の演技でいつも泣きます(コトー)


原作もドラマも見ていたし、原作そのものでもポロっと泣けるくらいだった私は、

この映画でもポロっと涙がこぼれるくらいではありましたが

感度的な場面と、笑っちゃう場面がいい具合にちりばめられていて

魅力的な作品に仕上がっていると思います


松尾スズキさんが脚本なだけあって、大人計画関係の方も

沢山出ていてツボでしたね(笑)

小泉今日子、仲村トオル、宮崎あおいなど有名どころや、板尾創路、田口トモロヲなど

チョイ役ながら豪華です。


一番原作に近く、いい感じの映画ですね。

黒野 伸一
ア・ハッピーファミリー

きらら文学賞(というのがあるのですね)の第一回受賞作だそうです。


すごく読みやすいです

イイ意味でも悪い意味でも。

笑えるところもあるし、スイスイって読めて、結果オーライな感じ。


特にいじめられる子供の視点にたって結構ちゃんと書けてるなぁ~

と共感がもてましたね。

勿論、丸く収まりすぎではあるんだけど。


いきなりいじめられる側の気持ち、それを絶対親や家族や先生に知られたくない

小さなプライド。

ダメなことだと分かっていても自分に火の粉が降りかかるのが

怖くて何もできない。

いじめてる側の安易な雰囲気と、いじめられる側の悲壮感・必死さ

その違いが、ひどいいじめに発展してしまう(そして自殺まで導いてしまう)要因でもある。

ここで解決策(命をとらない決闘)が提案されるが、なかなかどうしていい案だと思った。



勿論、7人家族それぞれが問題を抱えていて、いじめ問題だけにスポットが当たっている

わけではなく、父親がニートだったり、長女ができちゃったり、次女が精神をやんでたり

まぁー。。。家族愛が軸になっているようなんだが

その辺はそんなにギュウギュウではないかな

難しいことが案外サラっと解決してる気もする


ただ、いじめられている弟を目の当たりにして、その表情を見てとって

今すぐにでもそばにいって手を握ってやりたい。と思う姉の気持ちは

「あぁいいなぁ」と思わせてくれた。


ダメなお父さんぶりとか、どっちかっていうとサザエさんじゃなくて

ちびまる子ちゃんに近いかな?って思うんだけど


マンガを読んでいるような感じもして、サラっと読めてしまうハッピーエンドな

一冊です。


森 絵都
風に舞いあがるビニールシート

言わずもがな、有名な一作ですよね



もっと早く読めばよかった。



ほんとに盛りだくさんの短編集で、登場人物の立場も仕事も苦悩も

まったく異なり、自分の知らない世界を見せてくれるのだけれど共感できる。


他者の残してくれたもの気づかないでいた想いによって、その人の後悔していたものが緩和され

また水がすべり落ち流れ始めるように始まっていくこれから。

未来へ一歩一歩進んでいくのであろうと思われる終わりかた。

完結ではなく、とどまっていたものがまた始まったような、今からまた歩き始める、という

ようなそんな終わり方が全編に渡って素敵です

また、それを象徴する風景、文章もすばらしい。



やっぱり表題作が良かったけど、犬の散歩も鐘の音もよかった

生きていく、生きていかなければならない強さを前向きさを。

感じさせてくれる本。



とても素敵な本でしたね。

綿矢 りさ
夢を与える

綿矢さんの本を読むのは(多分)初めてだとおもう

芥川賞を受賞したときにもあまり興味がなくて食指が動かなかった



「夢を与える」という意味はこういう意味だったのかー

重いな。と思いましたね(笑)


そして、いいですね。


最後、何を言おうとしていたのか?結局あまりわからなかったけれど

これはこれでいいのかもしれない。

著者の年齢を考慮すれば、ここまで先行き暗い話を書けたのはすごいし

夕子そのものよりも両親の物悲しさが、なんともいたたまれない。


私は結構おもしろく読めましたね。