黒野 伸一
ア・ハッピーファミリー

きらら文学賞(というのがあるのですね)の第一回受賞作だそうです。


すごく読みやすいです

イイ意味でも悪い意味でも。

笑えるところもあるし、スイスイって読めて、結果オーライな感じ。


特にいじめられる子供の視点にたって結構ちゃんと書けてるなぁ~

と共感がもてましたね。

勿論、丸く収まりすぎではあるんだけど。


いきなりいじめられる側の気持ち、それを絶対親や家族や先生に知られたくない

小さなプライド。

ダメなことだと分かっていても自分に火の粉が降りかかるのが

怖くて何もできない。

いじめてる側の安易な雰囲気と、いじめられる側の悲壮感・必死さ

その違いが、ひどいいじめに発展してしまう(そして自殺まで導いてしまう)要因でもある。

ここで解決策(命をとらない決闘)が提案されるが、なかなかどうしていい案だと思った。



勿論、7人家族それぞれが問題を抱えていて、いじめ問題だけにスポットが当たっている

わけではなく、父親がニートだったり、長女ができちゃったり、次女が精神をやんでたり

まぁー。。。家族愛が軸になっているようなんだが

その辺はそんなにギュウギュウではないかな

難しいことが案外サラっと解決してる気もする


ただ、いじめられている弟を目の当たりにして、その表情を見てとって

今すぐにでもそばにいって手を握ってやりたい。と思う姉の気持ちは

「あぁいいなぁ」と思わせてくれた。


ダメなお父さんぶりとか、どっちかっていうとサザエさんじゃなくて

ちびまる子ちゃんに近いかな?って思うんだけど


マンガを読んでいるような感じもして、サラっと読めてしまうハッピーエンドな

一冊です。