↑のつづき。

さて、阿波神社を後にしたワタシは、
富雄川沿いを歩いていった。

徒歩で約40分。

早朝から中々の距離を散歩した。

富雄川はやがて大和川と合流。

素敵な太鼓橋が見えてきた。

この橋を渡ると、
かの有名な『廣瀬大社』の参道である。




森に入ると、『祓戸社』がお出迎え。


祭神は祓戸大神の四柱。

瀬織津比売神
速開都比売神
気吹戸主神
速佐須良比売神




なんという美しい参道。

最高の朝だ。




奉納大砲。

手水舎。




二の鳥居。

立派な朱の鳥居だ。



神馬舎。




拝殿。

『廣瀬大社』
鎮座地 奈良県北葛城郡河合町大字川合99番地
創建 崇神天皇9
旧社格 式内社(名神大社) 官幣大社 二十二社 
祭神 若宇加能売命
相殿  櫛玉命 穂雷命 


ホームページによれば、
大和盆地を流れる全ての河川が
一点に合流する地に鎮座しており、
山々からこの地に集まる川の水を
統治されることで水神としての信仰がある。

天武天皇は、
風を司る龍田風神と二社一対のお社とした。

『風水』。

若宇加能売命は五穀豊穣、御膳神の他、
水神の神格も持っているようだ。



創建に関してもホームページを引用↓。

~~~~~~~~~~~
崇神天皇9年、
廣瀬の河合の里長に御信託があり、
沼地が一夜で陸地に変化し、
橘が数多く生えた。
このことが天皇に伝わり、
この地に社殿を建て祀られるようになる。
~~~~~~~~~~~~

社紋が橘紋なのは、
この伝承によるものなのだろう。



廣瀬大社の主祭神
『若宇加能売命(ワカウカノメ)』と
同一神と伝わる神々は下記の通り。
 
・豊宇気比売大神(伊勢神宮外宮)
・宇加之御魂神(伏見稲荷大社) 
 ・屋船豊受姫神(家屋守護の神)
大物忌神(鳥海山に宿る神)




2月11日には『砂かけ祭』という
珍しいお祭りがおこなわれる。

見てみたかった。


若宇加能売命と同一神とされる
『豊受大神(豊宇気比売大神)』。


伊勢神道の根本経典と言われる
『神道五部書』の
『豊受皇太神御鎮座本記』には
こう記述されている。

天村雲命伊勢大神主上祖也。
神皇産霊神六世之孫也。
阿波國麻植郡座忌部神社、
天村雲神社、
二座是也


つまり、豊受大神は阿波から還座された。


延喜式神明帳に記載される廣瀬大社は、
『大和國廣瀬郡 廣瀬和加宇加賣神社 』。

『坐(います)』とは、
「元々の場所から遷されてここにいます」
という意味だとも言われている。


今年の1月、飛騨高山の『廣瀬神社』に
参拝したことをふと思い出した。
駅から見えた廣瀬神社の祭神は
『天照皇大御神』だった。







少し見えた本殿。



廣瀬大社のホームページを見て
気になったのが、摂社の『饒速日命社』。

しかし、境内図のどこにも記載がない。
どうやら一般公開はされていないようだ。

なぜ饒速日命社があり、
しかも参拝出来ないのだろうか。

そのヒントは、
若宇加能売命と同一神とされる神様の一柱
『大物忌神(おおものいみのかみ)』
にありそうだ。


その神名は『大物』+『忌』。

つまり、『物部氏』と『忌部氏』が
関わっていそうである。


『豊受大神』が元々阿波の神であれば
『忌部氏』との関連はうなづける。


そして、饒速日命と関連していそうな
『大物』という言葉。


この地域が饒速日命の治めた土地だと言えば
それまでなのだが、、

もう少し深掘りを。




山形県に鎮座する
出羽国一宮『鳥海山大物忌神社』。

大物忌神は、鳥海山に宿る神だとされている。
鳥海山は火山であり、
鳥海山の噴火は大物忌神の怒りだとされ、
噴火の度に高い神階が授けられたのだそうな。


鳥海山の名の由来には諸説あるが、
そのひとつが興味深い。

饒速日命が天鳥船に乗り、
上空から眺めて「トリミヤマ」と名付け、
それが転訛して「鳥海山(とりみやま)」、
「鳥海山(チョウカイザン)」と
呼ぶ様になったのだそうな。


つまり、大物忌神と饒速日命には
なんらかの繋がりがある。

もしかすると隠すべきナニカなのかもしれない。


山形県から遥か遠いこの奈良県で
大物忌神の神社の社地に
饒速日命社が隠されている。




となると、相殿の神は…




なんとも不思議な話です。



つづいて、境内社を。


『祖霊社』
祭神 大國主命




ほんと、この参道素敵だ。




『日吉社』
祭神 大己貴神 大山咋神





『稲荷社』

なぜか扁額に『日の丸大明神』🇯🇵。

これは初めて見た。

よっぽど大事な神様なのだろうか。

なんの説明も無いが、
意味の無いことはしないと勝手に思っている。

稲荷の神様もまた、
廣瀬大社の祭神とは深い繋がりがある。



この穴から太陽の光が差し込むと
なにかが起こる…とかだと面白い。

夏至と冬至の時だけとかね。




一の鳥居にたどり着いた。

やはり、最初の橋から行くと
参道をショートカットしてしまっていた。



廣瀬大社は本当にステキだった。

晴れた朝の神社は最高ですね皆さん。



さてさて、そろそろお仕事の時間である。

この後、奈良駅へと急いだ。


『奈良編』はまだまだ終わりませんよ。


『阿波の痕跡』は沢山あるのです。



つづく。


ではまた❗




人気ブログランキング