↑のつづき。


さて、天石門別 八倉比賣神社の社殿右側から、階段を登ってみる。


小さな祠があった。
素敵な石積みだ。


そして、さらに登ると、ソレはあった。



『天石門別 八倉比賣神社』の奥の院。
阿波の青石で造られた祭壇は見事に『五角形』なのである。



祭壇の上の祠の中にあるのは、鶴石と亀石を組み合わせた『つるぎ石』なのだそうな。

つるぎ石、すなわち『鶴亀石』は永遠の象徴と言われている。
※「永遠」は重要なキーワードである。


「剣山(つるぎさん)」が『鶴亀山』と言われていることと関係が無いわけがない。

古代、鶴と亀を統べた者がいた。


行ってはじめてわかるこの雰囲気。

『卑弥呼の墓』。

本当かどうかはわからないが、「何故そう言われるようになったか」が大切なのだ。





五角形は何を意味しているのだろうか。

「陰陽五行説」と関係しているのかもしれないが、それだけではない気がする。



徳島の神社には五角形の「地神塚」が多い。

諏訪の元宮『多祁御奈刀彌神社』にもあった↓






さらに山道をゆく。

もう一社視ておきたい神社が近くに鎮座しているのだ。






八倉比賣神社の境外摂社
『大泉神社』。

ここもまた独特の雰囲気がある。





奥の院と同じく、五角形の井戸。

『天の真名井』と呼ばれているのだそうな。




阿波史跡公園は他にも見所が沢山ある。


古代の人々の暮らしが再現されている。


高床倉庫。





竪穴住居。


なんと楽しいところなのだ。

最高に面白いぞ阿波史跡公園。
杉尾山、そして気延山。

ロマンを有り難う御座います。

~~~~~~~~~~~~~~~~


さて、『八倉比賣』について、ワタシ自身のためにもまとめておかねばなるまい。

諸説あるのは勿論だが、そこはご了承頂きたく存じます。

『天岩戸別 八倉比賣』同一神(の説有り)
●大日靈女命(オオヒルメノミコト)
●天照大神(アマテラス)
●卑弥呼(ヒミコ)
●大宜都比売神(オオゲツヒメ)
●阿波女(アワメ)
●大粟比売命(オオアワヒメ)

他にもあるが、一旦ここまで。

天岩戸別 八倉比賣神社の論社のひとつ、
上一宮大粟神社では、祭神の大宜都比売命の又の御名を天石門別八倉比売命、大粟比売命とある。

「天岩戸別」は父神であるタヂカラヲから受け継いだ。

そして、オオゲツヒメ=ヤクラヒメ=アマテラスという図式に、もうひとつ重要な女神の名がある。


賀志波比売(カシワヒメ)』である。

徳島県阿南市の阿波三峰のひとつ、
津乃峰山山頂に鎮座する
『津峯神社』に祀られている。

また、津峯神社の元宮は、津乃峰山麓の阿南市見能林町野に鎮座する『賀志波比売神社』だとされている。

『賀志波比売命』は天照大神の幼名だと言われており、その生誕の地が賀志波比売神社なのだそうな。


天照大神は現在の阿南市生まれだったのだ。
※このへんは、後日改めてまとめます。


↓では、各社の神紋を比較してみる。


八倉比賣神社の神紋は「柏」であり、賀志波比売命との関連性があるが、肝心の賀志波比売命神社や津峯神社の神紋『八角御紋』はどうだろうか。

その答えは、津峯神社のHPにあった。


要約するとこうだ↓

八角御紋は「三方」の形を表している。

「三方」とは、神事において神に御供えする神饌を載せる台(食器)のこと。

昔は、食物を柏の葉に盛る風習があった為、
「カシワ」=「食器」の総称であった。



もうおわかりですね。


つまり、二つの神紋の共通点は「カシワ」なのである。

「食器」「神饌」のキーワードは、
食物の神『オオゲツ姫』の神格とも一致する。



柏(カシワ)の葉は、秋になり葉が枯れても、翌年の春に新芽が芽吹くまで古い葉が落ちない(葉が途絶えない)。

「途絶えない」柏は、子孫繁栄を意味する縁起の良いものだった。


「カシワ」は「永遠」の象徴なのである。


ここで注意しておきたいのは、必ずしも
オオゲツヒメ=ヤクラヒメ=アマテラス=カシワヒメとは言い切れないということ。


敬愛するawa-otokoさんがおっしゃっているように↓


オオゲツヒメの娘がカシワヒメだという可能性が非常に高いということ。
※興味深いのは、カシワヒメはオオヤマツミとオオゲツヒメの娘だとする説があり、その根拠は納得感がある。


どちらもアマテラス、つまり『日の巫女』であり、ソレを継承しているがゆえに、同一神と考えられてしまう場合があるようだ。



さらに、尊敬してやまないコラクさんのブログ には、驚くべきことが書いてあったので、ぜひ紹介したいと思います↓


特に重要だと感じたことを抜粋させて頂きます。

津乃峰山よりさらに南、
徳島県阿南市椿町旭、
明神山山頂に鎮座地する
『峯神社・巖座龍宮総宮社』
祭神は『木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)』。

当社の祭神の謂われには、とんでもない事実が記述されていた。。

以下、コラクさんのブログからです↓

~~~~~~~~~~~~~~~~~
祭神ノ謂ワレ

當峯神社ノ祭神ハ遠ク二千六百五十有餘年ノ昔皇室ノ祖神ニ當ル
 天照大神ノ天孫瓊瓊杵尊ノ妃神、木花開耶姫ノ命ヲ祀ル
 基ヨリ東方ノ静岡縣富士山ニ祀ル浅間神社ハ此ノ神社ノ本宮ニ當リ
 茲ニ対峙シ會フハ方ニ宜ベナラン亦タ西方ノ愛媛縣大三島ニ祀ル大山祇神ハ
 父君ニ當リ逢カニ父子ノ絆拘ヲ維ネル如ク亦タ此ニ対峙シ會フハ如斯
 猶北方ニ望ム津乃峰ニハ姉君賀志波姫命ガ祀ラレシコト洵ニ奇ナルベシ
 北麓下レバ椿町働々乃至ハ船頭ヶ谷傍示ノ氏子達七拾有餘ノ者ガ
 奉持スル本殿ニ於イテ毎年九月十八日十九日ノ両日ニ渉リ秋季例祭ヲ行ナフ
 亦タ南麓ノ由岐町阿部乃至ハ伊座利傍示ノ人々ニ篤ク信仰スル者多ク
 四季ヲ通ジ其ノ禮拜跡ヲ絶タズ復タ参詣人克ク謂フ處
 木花開耶姫命白蛇トナリテ屡々現ハルヲ以ツテ正ニ霊験顕カナリト
 蓋シ斯ル神秘ナルコト他ニ慮リ識レス仍而実ニ神   聖ナル霊峰ト謂フベシ

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この峯神社は、なんと富士山の浅間神社の元宮だとされている。


そして、これより北の津乃峰山には、
木花開耶姫の姉である、賀志波比売命が祀られてている。




つまり、『賀志波比売』はコノハナサクヤ姫の姉神
『イワナガ姫』だと言っているのだ❗


な、なんと…


これは本当にびっくりだ。

この記述が本当ならば、賀志波比売つまり、
『アマテラス』とは『イワナガ姫』のことだと言っているのである。




ここで、津峯神社の祭神をもう一度確認する。

主祭神 賀志波比売大神
相殿 大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)
※オオヤマツミはコノハナサクヤ姫とイワナガ姫の父神。相殿に祀られているのは父だったからだったのだ。


個人的には『オオヤマツミ』は『カモタケツノミ』と同一視している。



つまり、『津乃峰山『ツノミネヤマ』には、
『タケツノミ』の神名が隠されているということだ。


そして、『オオヤマツミ』は、
『イワナガ姫』の父神。

延喜式神名帳には、
「阿波国那賀(ナガ)郡 賀志波比売神社」と記載されているのである。

阿波国には、元々は二つの国があった。

北の「アワ国」と南の「ナガ国」である。


現在の阿南市辺りがナガ国だったのだ。



『イワナガ姫』の別名は
『苔牟須売神(コケムスメ)』。


日本の国歌「君が代」の歌詞↓
君が代は
千代に八千代に
細石の
巌となりて
苔の生すまで

つまり、イワナガ姫は「長寿」「永遠」の象徴なのである。
※ちなみに、君が代の「キミ」とは、
イサナとイサナですね。


そして、賀志波比賣大神もまた、
延命長寿」の守護神だとされている。


ホツマツタヱでは、イワナガ姫は『八岐大蛇』の生まれ変わりとして登場する。


ワタシは常々、イワナガ姫は「八岐大蛇(ナーガ)」であり、八岐大蛇を退治したスサノオはコノハナサクヤ姫なのではないか…

…みたいなことをよく書いているが、まさかイワナガ姫が『天照大神』であるなどとは考えもしなかった。


家族構成を少しまとめるとこうだ。
●父オオヤマツミ(タケツノミ)
●母オオゲツヒメ(アマテラス)(ヤクラヒメ)
●姉イワナガヒメ(カシワヒメ)(八岐大蛇)
●妹コノハナサクヤヒメ(スサノオ?)


そして、カシワヒメの配偶神と言われる存在は、
重事代主』。


また、現在の名西郡神山町には
『鬼籠野(おろの)』という地名があり、
「野」は「地」と同じ意味。

つまり『オロチ』である。

なぜ「おろの」に「」と「」という漢字を当てたのか。


「つるぎ石(鶴亀石)」と「剣山(鶴亀山)」。

さらに、イザナミの神領とされる、
徳島県吉野川市の
高越山(こうつさん)」も、
「甲乙(こうおつ)山」と解釈出来るのではなかろうか。


それらは全て「鶴」と「亀」であり、長寿延命を意味する。

「鶴と亀が統べた」と歌われる「あの歌」には
(カゴ)』のキーワードが組み込まれており、
卑弥呼が扱う呪術は『道』と言われている。




スサノオは海を支配しろと言われてどこへいったのか。

それは峯神社の鎮座する明神山だったのかもしれない。


そしてスサノオの「スサ」とは「朱砂」。

つまり「辰砂」「水銀朱」「丹」のことである。

魏志倭人伝では、邪馬台国のことを「其山 丹有」と記述されている。

弥生時代後期から古墳時代前期の遺跡
『若杉山辰砂採掘遺跡』は、その名の通り
他に類を見ない「辰砂」の採掘場であった。

そして、


その場所もまた、


阿南市である。




阿波国は『倭国(イノクニ)』。

その海岸沿いを中心に、
『伊津面(イツモ)』と呼ばれていた。


つづく。


ではまた❗




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