↑のつづき。


さて、春日神社を後にしたワタシは、さらに眉山周辺の道を歩く。



途中で、小さな『大山祇神社』を発見。

これは伏線だ。

この神社は、『三島神社』の飛地境内社である。



と、いうことで、阿波徳島最後の神社は、


『三島神社』。

またしても「三島」。



『三島神社の狛犬』。
徳島市の有形文化財でありんす。


味がある。

和食で例えるならば、ちゃんとダシをとっている。


柱には、三島の神紋。

この2年で、どれだけこの神紋をみただろうか。



手水舎。



これも阿波青石だろうか。

綺麗なグラデーションである。



拝殿。

『三島神社』

鎮座地 徳島県徳島市西大工町
創建 西暦1221年
祭神 大山祇神

1211年に、愛媛県の大三島に鎮座する大山祇神社から勧請された。
入り口の狛犬はその時に造られたようだ。
つまり、狛犬は800歳を越える。



大三島。

いつか、行ってみたいものだ。




境内社
『天目一神社』
祭神は、恐らく
『天目一箇神(アメノマヒトツカミ)』。

なぜこの境内に鎮座しているのだろうか。

別名は、『天之比止都禰命』。

ひょっとこ(火男)のモデルになったと言われる
製鉄と鍛冶の神様。


『古語拾遺』によれば、天目一箇神は、筑紫国・伊勢国の忌部氏の祖であり、岩戸隠れの際に刀斧・鉄鐸を造られたと記されている。

筑紫・伊勢の忌部の祖がここに祀られていることにも、なにか意味があるのだろう。


前回はさんざん「耳」の話を書いたが、今度は
「目」。

しかも眉山の麓、「眉の下に目」。


この因果関係は無視できまい。


そのうち、体の一部が神名に入る神様を深掘りしてみよう。


「髪」「胸肩」「手」…


まあまあいっぱいある。



それぞれの部位を全部集めて
『合体ロボ』みたいになったら
勝てるモノはいまい。




『梅宮社』。
京都の梅宮大社と同じ祭神なのであれば、
酒解神(大山祇神)と
酒解子神(木花咲耶姫命)が祀られているはず。


梅宮大社の神紋は『橘(タチバナ)』。


橘は柑橘類で別名『ヤマトタチバナ』。


日本固有種である。


和歌山や三重、そして四国などの海岸の近い山地に自生することもある。


そして、そのルーツは沖縄原産の「タニブター」にあるのだそうな。

まるで神話のルーツを体現しているような柑橘類だ。

そんなタチバナは、記紀神話の大昔
非時香菓(トキジクノカグノミ)』と呼ばれていた。
「時を選ばずに香りを放つ木の実」という意味だそうな。


コノハナサクヤヒメの象徴は『桜』。

すぐに散ってしまう桜とは対照的に
永遠の象徴である常緑のタチバナ。


『不老不死の霊薬』とも言われ、垂仁天皇は田道間守にタチバナを求めて常世国に遣わせた。
※常世国は沖縄では「ニライカナイ」と呼ばれております。
「願い叶い」が語源とも言われ、王様にとって、
「願い」とは、不老不死のことだったのかもしれませんね。



と、いうことで、
コノハナサクヤヒメの祀られている神社の神紋が
『橘(タチバナ)』というのは、違和感がある。


どちらかといえば、姉のイワナガヒメの方がしっくりくる。

↑の記事で書いたとおり、徳島県阿南市の
津峯神社の祭神は、
主祭神 賀志波比売(カシワヒメ)大神
相殿 大山祇大神

なぜ相殿が大山祇なのかというと、
賀志波比売が大山祇の娘の
イワナガヒメだからなのである。



阿波忌部が開拓した、現在の千葉県。

ワタシは小学生の頃、千葉県野田市に住んでいたのだが、近くには「柏市」があった。

ちなみに千葉県には「下総橘駅」や
弟橘媛命の祀られる「橘樹神社」もある。


そして、驚くべきは、徳島県にしか祀られていないと思っていた『賀志波比売』。

千葉県成田市
麻賀多神社奥宮の境内に
加志波比賣神社』が鎮座しており、
現在ワタシが参拝したい神社ランキングのナンバーワンに踊り出ている(笑)




そんなこんなで、結局は『三島』に行き着いたワケだが、阿波徳島の旅はそろそろ終わりである。


この後、午後には仕事をしっかりこなし、徳島県の方々には大変お世話になり、充実した出張となった。

本当に感謝いたします。


これまで、様々な場所へ出張に行ったが、離れるのが寂しいと思ったのは、徳島が初めてだ。


来れて良かった。


また絶対来よう。



阿波古代史については、あまりにも定説と異なる説があり、きっと定説を信じる多くの方々からはお叱りの声もあるのかもしれない。



そもそも、残念ながら、日本という国は、
『和』を大切にする素晴らしい国であると同時に
少数派を淘汰してしまうこともある。


江戸時代から続く邪馬台国論争は
某有名大学の『九州説』と
某有名大学の『畿内説』が主流。


古事記の舞台が『阿波』だと言うと、
叩く人もいるのでしょう。


古事記の「出雲」は「阿波」のことだと言っても怒られてしまうこともあるのでしょう。


それでも徳島が素晴らしいことに変わりはなく、
ロマンをくれた阿波国がワタシは大好きである。


「ワクワク」の由来が『ワ国』だと
本気で信じている阿呆である。



『和』は大切にしたい。

そしてそれ以上に


『倭』を大切にしたい。


最後に、
魏志倭人伝の邪馬台国の記述をもう一度復習しておこう。



「其山丹有(そのやまにたんあり)」。


「丹」とは「辰砂」。

「辰砂」から「水銀朱」という赤色の顔料が作られていた。


徳島の若杉山辰砂採掘遺跡からは、
辰砂から水銀朱を作るための石器も多く出土している。

遺跡は1~3世紀頃のもの。


弥生時代の終わり、日本列島にあったとされる邪馬台国は、古代の中国「魏」と、お互いの国で取れた辰砂を贈りあっていた。



その時代の辰砂採掘場は、


いまだに全国でも



徳島県でしか発見されていない。




踊る阿呆に見る阿呆


同じ阿呆なら踊らにゃ損損🎵




つづく。


ではまた❗


おまけ。

「丹」っていう漢字
「⛩️」にめちゃ似てますよね~




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