2022/4月中旬。

さて、埼玉県大宮でのお仕事。


となれば当然行かなくてはならない。

「浅間」のコノハナサクヤ姫、
「三島」のオオヤマツミ、
そして「海神町」の龍。

偶然か必然か、本当に色々と繋がってくることがある。

武蔵国一宮『氷川神社』。


たどり着くまでには長い長い参道を歩く。


思えば初めて来たのは3年ほど前。

仕事の関係で、J2リーグ大宮アルディージャの試合を観戦した以来である。

あの日はあいにくの雨だったが、オレンジのユニフォームを纏ったサポーターさんの行列が、氷川神社の向こうのスタジアムまで続いており、とても楽しそうだった。
「神社を通って応援にゆく道っていいなぁ…」としみじみ思った覚えがある。


途中、いい感じの竹林の道。
看板には「氷川の社 文化館」と書いてあった。



境内案内図。

これだけで広さを感じる。








主祭神は以下の三柱
スサノオ
イナダヒメ
オオナムチ

ザ・出雲の顔ぶれである。


全てを載せることは出来ないため、↑上記参照。

実は、この氷川神社の境内で、どうしても行きたかった場所が二つあった。




ひとつめは、氷川神社発祥の地とされる『蛇の池』。

「スサノオは水を治める神とされる」

↑これはとても重要なことだ。




そして、ふたつめは↓


『門客人神社』。
一番重要な場所なのではないか…と。

祭神はアシナヅチ・テナヅチとある。
イナダヒメのご両親。

そして、オオヤマツミの御子神だというが。。

本来祀られていたのは『アラハバキ』。

門客人神社は元の名を
『荒脛巾(あらはばき)神社』と呼んだ。


アラハバキと言えば、土偶を思い浮かべてしまうが、そう言えば土偶には、足や手などを意図的に壊されたとされるモノが多く出土しており、その理由・目的についても意見が別れている。

私としては、『門客人神社』の祭神アシナヅチ・テナヅチは、「足や手が無い土偶」を暗示しているのかなぁと思う。


アラハバキ自体が謎の神であり、様々な説が飛び交っているが、ここでは私の個人的な見解のみを述べておこう。

東北の古文書である和田家文書『東日流外三郡誌』を発見または編纂したとされる『和田 喜八郎』。

この名前にヒントが隠されている。

「和田家」の「ワダ」は「ワタ」であり、海神「ワタツミ」との繋がりを感じる。


一方で、「和田」を「ニギタ」と呼ぶ地方があり、「ニギハヤヒ」を連想してしまう。


「ニギハヤヒ」と「コノハナサクヤ姫」は、私の中では双子の兄妹と位置づけており、上の土偶の図のように『アラハバキ』は太陽と月、対の存在なのではないだろうか。

そして、「コノハナサクヤ姫」は女神である『スサノオ』。

また、『アラハバキ』は客人神とされているが、荒川理恵さんの論文『日本神話の星―客星としてのスサノオ―』では、スサノオを「客星」に配置している。

「客星」とは現代でいう「彗星」のこと。

「彗星」は「箒星(ほうきぼし)」とも呼ばれ、「箒」は「ハハキ」とも読む。

『アラハバキ』の「ハハキ」である。

「ハハ」は蛇の古語であり、彗星の尾を引く様を「蛇のようだ」と昔の人は感じたのかもしれない。

彗星の尾には、太陽と反対の方向にまっすぐ伸び、青く見えるものがあるという。

つまり「ハバキ」の反対にある「アラ」は「太陽」の神格を持つのではないだろうか。

また、「ハハ」を「母」、「キ」はシュメール神話において「女神」であり、蛇の神格を持つ「地母神」とも解釈できる。

蛇をモチーフとした縄文土器や土偶が数多くあることと、ソレと酷似したメソポタミアの土偶を、縄文の神アラハバキに関連づけてしまうのも無理はない。





『アラハバキ』の神格は
太陽
大地
女神
製鉄
豊穣
蛇…

まるで『スサノオ』である。

なぜ今まで紐づかなかったかと言えば、当然のように『スサノオ』が荒ぶる男神とされている為、アラハバキの「なんとなく女神」のイメージとはかけ離れていたからだろう。

しかし、『スサノオ』が女神なら説明がつく。


話を戻すが、和田 喜八郎の「ワタ」のルーツが「ワタツミ」であれば、「喜八郎」の「キハチ」は「鬼八」。

「ヤマタノオロチ」や「八大竜王」を連想させる。

日本人はやはり、「名前に意味を持たせる」ことに長けている。

『東日流外三郡誌』では、津軽地方に最初に定住したのは『アソベ族』。

アソベ族は、大地震と火山の噴火で壊滅的な打撃を受けた。

「アソベ」とはアイヌ語で「火を噴く山」という意味なのだそうな。

コノハナサクヤ姫を祀る『浅間(アサマ)神社』の「アサマ」もまた、「火山」の古語だという。


東北や関東のその後の歴史を見れば、いくつもの文化が混じり合って現在に至るため、単純な結論を述べるのは難しいが、仮にルーツをアラハバキ⇒スサノオ⇒コノハナサクヤ姫⇒イナンナとした場合、少なくとも見えてくるものは多い。



アラハバキは『塞(さい)の神』とも同一視されている。

彩の国さいたま。


埼玉は昔からどこかに向かう際の「通り道」だったと聞いたことがある。

目的地に向かうための「通り道」。


ちなみに私は埼玉出身だ。


トトロを口ずさみながら、仕事に戻りましょう。


結論。

神社って最高に面白い(笑)


さて、次回で関東出張編も終わり。

ずっと行きたかった『調(つき)神社』に。

そのあと、まとめをおこないます。

つづく。

ではまた❗


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