会計事務所応援 ブログ -2ページ目

ペーパーレス化は“待ったなし”

みなさん、こんにちは。

私が、会計事務所における
ペーパーレス化への取り組みについて
一番昔の記憶として
残っているのは2004、5年頃。

私どものグループ、
エヌエムシイ税理士法人において、
それまでお客様に紙で提供してきた、
月次や決算関連資料をすべてCD-ROMに保存し、

データとしてお渡しするサービスへと
切り替わった時代です。


それまでのお客様へのアウトプットは、

表紙をつけ綺麗に製本された
目に見えるペーパー資料こそ
価値があると考えられてきました。


ところが、
あれから20年が経った現在でも、

当業界における「紙信仰」は実態として
あまり変わっていないのかもしれません。


事実、
ペーパーがデータに置き換わることが、
お客様から「サービス低下」と
評価されることを恐れて、
ペーパーレス化に踏み切れない
事務所がまだまだ多いのです。


では、所内業務に限って
ペーパーレス化が進んでいるかといえば、
決してそんなこともありません。


ここ数年の間でも、
書棚や書類保管スペース、外部倉庫などを
増強した事務所がいくつもありました。

所長先生も職員の方々も、

「データで確認するより、
 紙で見た方が楽なんだよね」

という意見が本音なのかもしれません。


それ故に、オフィス内で
大きな存在感を示すキャビネット、
重みでたわんだ書棚、
通路に置かれた段ボールやカゴ、
机上の紙の山はあいかわらず
見慣れた光景です。

在宅勤務スタイルが、
思いのほか根付かなかった理由も
そこにあるのでしょう。


さて、
今後電子帳簿保存法改正をきっかけとして、
ペーパーレス化をはじめとした
DXの動きは業界内で本格化してゆくのでしょうか。



話は変わりますが、

ここ数年で、
開業5年未満の若手税理士先生と
お話しする機会が何度かありました。

みなさん、開業の時点から

「紙信仰」どころか、
お客様先、事務所内、原始資料に至るまで、
紙を使うシーンが一切ない
業務フローが出来上がっていました。

こういったリテラシーの高い事務所が、
対応の遅れている昔ながらの事務所から
顧客を奪ってゆくのは
時間の問題かもしれません。


税務会計の分野で、
他に差別化を図るのには骨が折れますが、

ことDXの分野においては、
当業界で差別化を図るのは
実はそう難しいことではありません。


ただし、
そこで一番の足かせになるのは、
お客様先の環境ではなく、

所内でずっと続けてきた習慣を変えることに
抵抗感のあるベテランかもしれませんし、
場合によっては
所長先生ご自身かもしれません。


まずいの一番に取り組むべきは
ペーパーレス化かとは思いますが、

新しい時代に向けて、
新しい人材も活躍できる職場へと
ポジティブな気持ちで
変えていきたいものですね。

みなさんの事務所ではいかがでしょうか。
 


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事業承継に対するそれぞれの思い

 

みなさん、こんにちは。

 

昨年末になりますが、

創業70年以上の老舗会計事務所元所長先生に

インタビューする機会がありました。

 

私がその先生と初めてお会いしたのは

かれこれ20年近く前まで遡りますが、

 

当時二代目として所内業務改革の

陣頭指揮を執っていた先生もはや60代を迎え、

今後の事務所経営の存続について

ずっと頭を痛めておられたそうです。

 

このたび、国内最大手クラスの税理士法人グループに参画し、

元居た勤務税理士が所長に持ち上がるかたちで

事業承継に至りました。

 

深刻な人手不足やDX対策など、

税理士業界全体に大きな変革の波がおとずれるなか、

地元の有力事務所として刻んできた歴史、

お客様、職員の方々をどう守ってゆくのか、

次へと繋いでゆくべきか考え抜いた末の決断だったそうです。

 

NMC通信36号

 

詳しくはNMC通信第36号 P10~P15を参照。

https://nmc-ao.jp/nmc_newsletter36/

 

※閲覧には無料会員登録が必要です。

https://nmc-ao.jp/registration/

 

会計事務所の事業承継問題は、

全国的に「待ったなし」の状況になっているところも

少なくありません。

 

承継の考え方、収まるべきかたちは人それぞれだとは思いますが、

税務顧問契約が“継続すること”を前提としている以上、

仮に看板が替わるような事になったとしても、やはりサービスを

提供する側、提供される側双方ともに安心して続けていける

環境こそが最優先といえるのではないでしょうか。

 

大きな経営上の判断には賛否がつきものですが、

元所長、新所長が数年後に振り返って「あの時決断して

本当に良かった」と心から思える事務所に

なっていて欲しいと願うばかりです。

 

 


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まずは「電子化」から

みなさん、こんにちは。

私はこれまであまり深く考えずに、
曖昧に使い分けていたのですが、

どうやら「電子化」と「デジタル化」は、
一段階違うステージを
表現しているのだそうですね。


■電子化
 =紙媒体等を電子データへと変換すること

■デジタル化
 =電子化したデータ等を効率的、有効的に活用すること

文字にしてみると
その違いが明確になります。


世間では、
DX(デジタルトランスフォーメーション)、DXと
よく耳にしますが、

税理士業界(顧問先も含む)において、
これから本腰を入れて
取り組んでいかなければならないのは、

まずはその第一歩となる
「電子化」の部分ではないでしょうか。

いわゆるペーパーレス化です。


遡ること15年、20年以上前から、
会計事務所業務のペーパーレス化は、
何度となく話題にあがっていました。

ところが、
複合機やストレージツールの購入こそ進んだものの、

「オフィス内に巨大書庫スペース」

「通路や机の上は書類の山」

といった環境が
劇的に変化した印象はほとんどありません。


中には世代交代のタイミングで、
二代目の先生が大ナタを振るい、

あるいは開業当初からペーパーレス前提の、
サービスラインナップを敷き、
成功をおさめる事例にもめぐり逢いました。


とはいえ、実態は
まだまだといった状況ではないでしょうか。


実際に私自身、

所長をはじめベテラン職員層と、
二代目候補の先生を主軸とする若手職員層とで、
ペーパーレスをめぐる攻防を繰り広げるシーンに
何度も遭遇しました。

「ついていけなくなる
 お客様や職員(所長含め)が出ては困る」

「このまま放置していては
 時代に取り残されてしまう」

両者の言い分は、
至極ごもっともなことだと思います。

ただ、
お客様や職員がついてこれるこれないの評価を、
“0か100か”で下してしまうのは、
いささか乱暴な気がしてなりません。


昨今、仕事や生活上で
スマホもPCも一切触らない
経営者や経理担当者の方は、
極めて少なくなっているのではないでしょうか。

これは会計事務所側も同様です。

「ソフトやハードの
 操作の仕方がわからない」

「紙でないと、
 チェックがしづらい」

「現物がないとサービスの価値が
 下がっているように思われる」

そんな意見もあるでしょう。

それらの議論は、
ペーパーレス環境が浸透していく過程で
徐々に消えていくものです。

要するに、進めてみないことには、
良いも悪いもないのです。


“完全でないならやらない”

ではなく

“まずはやってみて、
 面倒な部分は少しずつ改善してゆく”

というのが
正解なのだろうと私は思います。

それだけのメリットが、
「電子化」、「デジタル化」を
進めた先には間違いなくあるのです。

背中を押すようなタイミングで、
電子帳簿保存法の改正もありました。


“思い切って変える”には
絶好のチャンスだと思いませんか。

みなさんの事務所ではいかがでしょうか。
 

 

 


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