コロナで急増!リモートワークによる眼の疲れと改善方法 | 西早稲田眼科のブログ

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リモートワークとは?

もうみなさん聴き慣れている言葉だと思いますが、リモートワークとは、対人での仕事はできる限りデジタルデバイスなどを介して行う勤務形態です。

近年、新型コロナウイルスの予防措置として、不必要な対人接触を避けることを目的として急速に普及しました。

 

単独で可能な仕事は会社以外の場所で行い、一般的に、従来の勤務形態と比較するとパソコンなどのディスプレイを見る作業(VDT)の時間が長くなります。

 

リモートワーク導入による眼の疲れが急増

概して、リモートワークによる眼の疲れとは、パソコンなどのVDT時間の延長により起きているケースがほとんどです。

VDTによる眼精疲労は「眼精疲労」の項で言及していますので、以下にそのまま引用します。

ドライアイの症状を眼精疲労と感じる事は非常によくあります。

そもそも「疲れている」「乾いている」という感覚を言葉で説明することは困難です。

眼が疲れるであろうと考えられる状況下で決まって生じる不快感を「疲れ」として認識してしまうのはごく当たり前に起こり得ることです。

この混同を生じさせる最もポピュラーな状況がVDT作業機会の増加です。VDT作業は近業なので調節性眼精疲労の原因になり得ますし、まばたきの回数が減るのでドライアイの原因にもなり得ます。

習慣的に長時間のVDT作業に携わる方が眼の疲労感を自覚している場合、その症状の真の原因は調節性眼精疲労、ドライアイ、その他、の可能性があります。

調節性眼精疲労とは異なり、ドライアイの重症度はある程度客観的に評価することが可能です。

ドライアイの検査で客観的な異常を認めた場合、自覚症状の主原因はドライアイによるものの可能性が高いと考えられます。

ドライアイの検査で異常を認めなかった場合、屈折の状態から調節性眼精疲労を否定できなければ、自覚症状の主原因は調節性眼精疲労の可能性が高いと考えられます。いずれにも該当しなければ、その他の原因を検討します。

上述の通り、VDT時間の延長による眼の疲れの原因は、ほぼ調節性眼精疲労もしくはドライアイによるものです。

 

この項では、「せっかくリモートで仕事しているのに眼科受診のために外出するのは抵抗がある」という方のために、受診せずにできる解決策を検討してみます。

 

 

眼科医監修!リモートワークによる眼の疲れ対策

VDTが原因であればVDT作業を控えることで症状の改善が期待できます。しかし、それが容易に許される方は多くはないと思います。VDT作業を継続しながら解決するためには、更に詳細な原因を特定する必要があります。VDT作業を控えることなく自宅でできる調節性眼精疲労・ドライアイの検査方法を考えてみました。

 

①調節性眼精疲労対策!定期的に遠くを見る

調節性眼精疲労はピントを近くに持ってくるために働く筋肉がの緊張が限界を超えることにより起こります。

従ってこの筋肉をなるべく使わなければ症状が軽減することが期待できます。

自宅でできる簡単な方法は、今までよりも遠くを見る機会を意識して増やすことです。VDTを控える必要はありませんが、合間の休憩時間などがあったら意識して遠くを見るように心がけて1〜2週間程度過ごしてみて下さい。もし少しでも症状の改善が見られたら、主な原因が調節性眼精疲労だったという事になります。

 

②ドライアイ対策!特別な成分が入っていない目薬の使用

ドライアイは分類や条件や症状が多岐にわたるため、その細部を考慮すると複雑になりますが、結局のところ眼表面に存在する水分量が足りていないことを指します。

従って方法を問わず、眼表面に存在する水分量を増加させれば、ドライアイに起因する自覚症状はある程度の改善が見込めます。

そこで、市販の点眼薬でなるべく特別な薬効成分や他の余計なものが入っていないもの(人工涙液)を頻回に点眼することを試してみて下さい。

人工涙液は少なくとも点眼した直後は眼表面の水分量を増加させますので、持続性はないものの一過性には症状の改善が見込めます。

持続性をカバーするためには回数を増やすことが有効ですので、可能であれば起きている間1時間ごとくらいの頻度で点眼し、1〜2週間程度過ごしてみて下さい。

もし少しでも症状の改善が見られたら、主な原因がドライアイだったという事になります。

 

原因がわかったら、できる範囲で対処することを考えます。

 調節性眼精疲労で、遠くのものを見ることを心掛けるだけである程度症状が改善するものの、それだけでは効果が不十分な場合のために、さらなる上乗せを考えてみます。

 

③眼鏡をかけていない方!老眼鏡を使用

普段眼鏡ではない方は、100円ショップで購入できる老眼鏡(+1.0D)をVDTの際に使用することをお勧めします。

コンタクトレンズ装用の上からでも構いません。

1.0D(ジオプター)分の筋肉の緊張を節約できますので、確実に楽になることが期待できます。

但し、普段から低矯正(近視を残した状態)でVDT作業をされている方の場合は、ディスプレイに近づかないと見えにくくなってしまいむしろ疲労を増加させてしまう可能性があります。

普段は眼鏡を装用してVDT作業をされている方は、もし近視が軽度で裸眼でも作業が可能であれば裸眼での作業をお勧めします。遠視の方や、強い近視で眼鏡を外すとディスプレイが見えにくくなってしまうような方は該当しません。

 

まとめ

リモートワークによる眼の疲れに対し、眼科受診せずにできる対処を考えてみました。原因に関しては、調節性眼精疲労とドライアイのどちらかのみという事はまれで、多くの場合関与の程度に差があるだけで両者ともあわせもっていますから、どちらにより重点を置くべきかという点で参考にしていただければと思います。

また、これらのことをしても効果が十分ではないこともありますし、全く効果がない場合は調節性眼精疲労・ドライアイ以外の原因によるものである可能性も考えられます。その場合は、重篤な疾患が原因である可能性と外出・受診による感染リスクとを天秤にかけた上で、受診するかどうかを自分自身で選択する必要があります。