NICCO@マラウィ~国際協力日記/アフリカ編 -世界をフィールドに~ -3ページ目

徒然日誌2 -乾季栽培-  

第二回目は私が派遣期間に担当していた井戸の余り水を利用した乾季栽培(Water Point Garden)のご紹介です。

 

Water Point Gardenでは、NICCOが建設した井戸や水路の周辺に野菜畑のガーデンを作り、井戸から流れて来るきれいで安全な余り水を利用して野菜や果物を育てて、収穫後に販売し、その収入で各井戸や水路の修理費などをまかなう村人の収入創出と井戸の維持管理事業の一環。井戸の余り水を有効に活用することによって、通常はできない乾季の作物栽培が可能になります。

 

はじめ担当を任された時は、まず何より農業の予備知識がない、、、ということが一番の懸念事項でしたが、とりあえずできるところまでがんばってみよう!と私がリトルボスとなり、パートナーのマラウイ人スタッフのアイザックと共に運営していました。

 

NICCOが建てた各井戸や水路の水の出具合とそれを管理するコミュニティーメンバーの良し悪しを総合的に判断して、今回は6つの井戸と1つの水道の周りにガーデンをつくることを決定。私たちの仕事のゴールは、コミュニティーメンバーが中心となって、NICCOがいなくなった後でも自力で運営できるようなること。そのためには、やはり村人一人ひとりの主体性がかかせません。


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ミーティングの様子

 

第一回目のミーティングから「乾季栽培とはなにか?」という点からしっかり話し合い、育てる作物や収入の使い道、組織のまとめかたをしっかりみっちり議論する時間を設けました。育てる作物は、トマト、玉ねぎ、マスタードなどの野菜と、バナナ、グァバ、パパイヤなどの果物。これら村人の要望に沿った種子や苗木は、はじめだけNICCOが供給することに。



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種子を蒔くために指で土をおこしている様子。

 

その後、種子の蒔き方、苗木の植え方をワークショップ形式で指導し、毎日のモニタリングでその成長を見届けていました。すこしずつ大きくなっていく芽をみているのは、なんだか自分の子どものように愛らしくなっていくものです。


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トマトの芽

 

もちろん、ハプニングはたくさんありました。最も頭をかかえていたのが、コミュニティーによって異なるやる気の差。やっぱり人間だもの、仲が悪くなるのもしかり。毎回口論したり、ワークショップに来なかったり、モチベーションが低いコミュニティーへの対応は特に考えさせられました。

 

しかし、ここがプロジェクトを運営していくなかでの難しさでもあり、やりがいともいえるのでしょうか。いかに彼らを他のコミュニティーのように動機づけられるかという工夫をあれこれと考え、各村を相互訪問させたり、またミニバスで1時間かけてムワザマ地区(NICCOのもう一つの事業地区)を訪問し実際に成長した作物でいっぱいのガーデンを見させたり、と新しいアクティビティを企画していきました。

 

この試みはどうも彼らを刺激したようで、「他の村のガーデンをみたり、他のコミュニティーメンバーと話が出来たことで、自分たちのガーデンももっとあんなふうに立派にしたいと思ったよ。」と聞き、なんだかホッとしました。おかげで、1週間もたたずに早速ガーデン地を拡大していました。

 


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ムワザマ地区のガーデン

 

村人一人ひとりと共に考え、運営していく中で、「真の持続性(サスティナビリティ)」を常に考えさせられました。たとえば、どこまで資機材を提供したらよいのか?、どこまで村人の要望にこたえるのか?、彼らが私たちに頼りっぱなしではいけないその理由の先を彼らに伝えることも、重要な任務の一つでした。

 

また、プロジェクトを担当させていただいたことで、フィールドでマネジメントする難しさも身にしみて実感。交渉力もマネジメント力もリーダーシップも、そしてそれ相応の英語力もまだまだ足りない。いくらインターンでも「NICCOスタッフの一人」としての立場として見られていたことに、大きな責任感を感じていました。それでも、たくさんの人の助けを借りながら、一人ひとりとの信頼関係をじっくり築き、私なりの方法でプロジェクトを担当できたと思います。

 


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コミュニティーメンバーとパチリ

 

はじめの収穫は12月。作物を実際に目にすることはできませんが、それでも立派なガーデンができあがることを祈っています。

 

次回へつづく。

徒然日誌1 -へんてこマラウイ-

ムリワンジ?(マラウイの言葉でHello, how are you?)。児玉です。

 

どこまでも続く地平線。人工的な要素が何も含まれていない緑いっぱいの大地。目を開けた瞬間、飛行機の窓の外から間違いなく「マラウイ」が飛び込んできた―。

 

半年以上の国内でのインターンシップの研修を終え、ついに海外研修への切符を獲得。8/14-9/30間のマラウイ派遣の滞在記を3回にわけてお届けします。

 

第一回目は「へんてこマラウイ」。はじめてのアフリカ、はじめての途上国、はじめてのマラウイ・・たくさんの「はじめて」がつまった地で私が驚いたマラウイの人・文化・環境をざっくりとご紹介。

 

1. ここはマラウイ? 

首都リロングウェ。食料品、日用品すべてが揃う大型スーパーや、ホテル、銀行、郵便局、アイスクリーム屋さん、、、なんでもあるじゃん!私が抱いていたアフリカへの偏見は見事に変わってしまいました。私たちの事業地であるンコタコタ県には「マダムマダム!」「トマトヤスイヨー」としつこい商人がいる小さな市場とお店くらいしかなかったけれど。

 


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大型スーパー「ショップライト」

 

2. ここは日本? 

目の前をばんばんと通り過ぎる日本語の文字。「社会福祉法人○○」、「○○幼稚園」、「○○建設」、地元寝屋川の老人施設の車まで。マラウイで走る車のほとんどが日本製や日本の中古車。

 

3. なんちゃって○○。

マラウイにはなんちゃって○○が多い。なんちゃって中華、なんちゃってイタリアン、なんちゃってカレー、なんちゃってビビンバ、、、まさかマラウイで口にできるとは思ってもいなかった料理ばかりだけれど、全てマラウイアンお手製のそのお味には、やっぱり何かが足りない。惜しい。

 

4. マラウイアンの歓迎

初めて逢ったマラウイアンに「オールモスト ウェルカム!」と何度も何度も言われた。もちろん他の日本人スタッフさんも。Almost ?・・・完璧に迎え入れられるには、私たちには何がたりなかったのでしょうか・・・?

 

5. マラウイアンの不思議な体

マラウイアンの体には不思議がいっぱい。大量の薪や20リットル以上の水をひょいと頭の上にのせて運んでしまう。そして、強力な手の皮膚。出来たてのンシマ(マラウイの主食)は、それはそれはあったかいというよりは完全に火傷の域を超えるほど熱い。もちろん私も何度も挑戦したが「あっつい」といってなかなか素手でとることはできませんでした。隣でひょひょいと掴んで食べるマラウイアンになるにはまだまだ早かったよう。



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ンシマとおさかな

 

6. 恋のエキスパート?!

マラウイアンは大の恋愛話好き。男女関係なくぺらぺら話します。初対面でもおかまいなし。「なんで結婚していないんだ?!」、「日本では浮気相手をもつことは許されているのか?」、、、そう、たいていのマラウイアン男性は妻の他に浮気相手がいて、それをまた悪気は一切なく話すのだから不思議。「私の息子と結婚して!」と言われても、息子の年齢は2歳。そんな無茶な。

 

7. へんてこな村のシステム

事業地にはたくさんの村があり、村長がいます。Village Headmanと呼ばれるカルーサⅡやカルーサⅢなどの各村をとりまとめる村長がおり、その上にGroup Village Headmanと呼ばれる各村をさらにとりまとめる集落の長がおり(その人はカルーサIVillage Headmanでもあったりする)、それぞれの村の名前=その村の村長さんの名前。日本で例えるなら、Mr.京都府がとりまとめる地域の1つにMr.京都市がおり、彼がとりまとめる地域の1つにMr.中京区がおり、彼がとりまとめる地域の1つにMr.西六角町がとりまとめる地域がある、といったかんじでしょうか?

 

当初は、文化や習慣の違いが新鮮でとっても楽しく感じられましたが、反面、マラウイアンとの時間感覚や常識のずれにシンドイときもありました。だけれど私たち外国援助関係者が常に忘れてはならないのは「尊重する気持ち」。渡航前までは頭の中で理解していただけでしたが、実際に村人と共に長い時間を過ごして、はじめて、その重要性をじんわりとかんじました。

 

次回へつづく。

マラウイで過ごした日々

4月よりアフリカ・マラウイに派遣されていたスタッフ・杉尾の
ンコタコタ記・その14(最終回)をお送りします!


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週2回のシリーズものとしてお届けした私のマラウイブログも、今回が最後。実はすでに帰国し約2ヵ月が経過している。このブログにもピリオドを打たねばとずっと心の片隅で思っていた…が、最後となると何を伝えたらいいのか、何を伝えたいのか、心の整理ができず書けずにいた。ようやく今、少しだけ見えてきたので、想いがままに書いてみようと思う。

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仕事は、楽しくもあり、きつくもあった。自分には何もできないと思い知らされる出来事に遭遇した時は、本当にきつかった・・・。人が目の前で死んでしまった時。NICCOの噂を聞きつけ、遠い村から遥々援助を求めやってきた村人に(自転車で、だ)、事業地外だから何もできないと告げなければならなかった時。自分の無力さが歯がゆくて、もどかしくて、悔しかった。

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それに、何もかもが一筋縄ではいかなった。「よし!今日はこれをするぞっ!」と意気込んでみても、タイヤがパンクしたり、スタックしたり、ガソリンスタンドにも燃料がなく車が動かせなかったり。やっとの思いで村人を訪ねてみても、留守だったり、警察に捕まっていたり、酔っ払っていたり。うまくいかなかったことを並べたら、それだけで1冊の本ができそうなくらいだ。(私はたった2ヵ月の滞在だが、もっとずっと長くいるスタッフたちなら、いったいどんな大作ができるのか。考えただけでも、頭が下がる。)

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でも・・・、そんな時、100%の確率で手を差し伸べてくれる人たちもいた。一緒に車を押してくれる(たまにお金を請求されることもあるが)。一緒に人を探してくれる。次に訪ねた時は、「ジャガイモが採れたから持っていきな」と声をかけてくれる。そんなふうに、私は、1人の身勝手さに落ち込み、10人の「優しさ」と「笑顔」に救われてきた。

マラウイでの2ヶ月は、真っ白になったキャンパスに新たな絵を描いている、そんな心地だった。私の心にはたくさんの欲があった。「あれがほしい。」「こうなりたい。」「これがやりたい。」「あそこに行きたい。」そういった欲の全てが、マラウイの人々に触れ、随分洗い流されたように思う。何も持っていなくても、どこにも行けなくても、人と自然とともに生き、笑っている村人たち。私も、自分の両手の中にあるものに、ちゃんと気付こう。大切にしよう。感謝して、こぼさないように気をつけよう。失ってからでは遅いのだから。

今でも目を閉じると浮かんでくるのは、
両手を高く上げると、届きそうなくらい近くにある空。
神様が住んでいると信じずにはいられないほど、どっしり身構えた樹木。
村人たちの顔いっぱいに広がる力強い笑顔。「おすぎー」と私を呼ぶ、大きな声。

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マラウイで過ごした日々が、今も私に元気と勇気をくれる。
私は、迷ってばかりのくせにわがままで、忘れっぽい。だからこそ、マラウイで出逢った村人たちの笑顔を胸に、自分を戒めながら生きていきたい。

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さて、私の次回ブログは、ラマダン真っただ中の中東・ヨルダンよりお届け決定。マラウイブログをご愛読?いただいた皆さま、ありがとうございました。これからは、ヨルダンブログ(http://ameblo.jp/nicco-jordan/
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ンコタコタ事務所奮闘記 -母子保健事業編(5)-

NICCOンコタコタ事務所に勤務する助産師の疋田です。

母子保健事業を進めるために奮闘しまくる日々ですが、もちろん大変なことばかりではありません。
お腹を抱えて笑ってしまうようなエピソードだって多々あります。そうじゃなかったら、ここマラウィでの活動なんて続かないですよ。人生、辛いこともあれば楽しいこともある。それでは、今日は「奮闘記」ではなく、「爆笑記」を聞いてくださいな。

母親学級を開催するために必要な知識を身につけてもらうため、TBA(伝統的産婆のこと。要はお産婆さんです。)とHSA(保健調査員)を対象に、妊婦管理講習会を開催しました。
妊婦管理講習会は、前期・中期・後期に分けて実施したのですが、妊娠中期編で妊娠中の異常症状について指導した後、TBAとHSAに対して復習を兼ねた質問をしました。

「私は現在妊娠28週の妊婦です。朝から腹部の痛みとおなかの張りを感じています。私はどうしたらよいですか?アドバイスをください。」
「すぐに病院へ行ってください。」
この答えは正しいのですが、それに続けてさらに質問をしました。
「病院へ行くのに、私は歩いて行ってもよいですか?」
「ダメです。」
「じゃあ、どうやって病院に行ったらいいですか?」
「一輪車とか、木の板に乗って行く(担架を意味している)とか、自転車に乗って行くとか。」
「え?一輪車?一輪車って、あの一輪車でしょ?」
「そう、あの一輪車。一輪車は立派な移動手段だよ。一つ問題があるとしたら、それは乗ってる本人がちょっと恥ずかしいだけ。」
ここまで会話をして、すでに私は笑いが止められませんでした。
だって、砂とか荷物を運ぶあの手押しの一輪車に妊婦が乗って病院に行くなんて、想像しただけでおかしくて。
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砂や荷物を運ぶための一輪車。これも病院までの移動手段の一つ(らしい?)。

笑いが止められないまま、ついでにもう一つ質問を続けました。
「病院へ行く途中、水が流れるのを感じました。破水です。私はどうしたらよいですか?」
「病院へ行く途中なんだよね?そしたら、病院へ行くスピードを上げることだね。歩いていたのをこんな風に早歩きで。」
そう言って、一輪車を押しながら運ぶ様子を1人のHSAが真似しました。その姿がまたおかしくておかしくて。私はここ最近で一番笑ったんじゃないかというくらい笑ってしまいました。

さらに質問を続けました。
「水が流れているのに、そのままでいいの?水が流れてこないように何か当てたりしなくていいの?」
「あー、パットを当てる。まず第一に病院へ急いで、第二にパットを当てる。これが答えだ。」
そこへすかさず看護師・助産師のMrs. Njolomaが口を挟みました。
「第一にパットを当てて、第二に病院へ急ぐ。パットを当てるのに、一体どのぐらいの時間がかかると思ってるの!」
このやり取りを聞いて、またまた私は笑ってしまいました。

まあ、そんなこんなで、楽しく講習会をやっています。
次回は、どんな愉快な答えが出てくるか、今から楽しみです。

つづく

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ンコタコタ事務所奮闘記 -母子保健事業編(4)-

NICCOンコタコタ事務所に勤務する助産師の疋田です。

日本のゴールデンウィークに合わせ、約2週間、一時帰国をしました。
日本にいる間は、眼科、婦人科、歯科受診等の病院めぐりをし(笑)、ついでに以前働いていた職場(総合病院内の周産期センターです。)にも顔を出し、久しぶりに日本の医療に触れてきました。
マラウィの病院に比べると、設備も医療者の数も整った日本の病院。「こういう環境での活動だったら、どんなにラクだろうか・・・。」そんなことを考えながらの病院めぐりでした。何もない場所で、いかに効率よく、しかも効果的にプロジェクトを進めていって結果を出すか。
大変なのは百も承知。
今日も聞いてくださいな、私の奮闘記。

母親学級を開催するにあたって、母親学級運営のために必要な知識を身につけてもらうため、TBA(伝統的産婆のこと。要はお産婆さんです。)とHSA(保健調査員)を対象に妊婦管理講習会を開催することにしました。

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TBAとHSAを対象にした講習会の様子

妊娠中の管理で大事なことは、「異常の予防と早期発見」。
以前からずっと気になっていたのは、マラウィでは妊娠高血圧症候群の患者が非常に多いこと。妊娠中の栄養管理や定期的な妊婦健診受診は欠かせません。とは言っても、病院までは距離がある。交通手段がない。頻繁な受診は不可能。

日本だったら、「血圧計を買って、自宅で毎日計測して。」と簡単に言えるけど、ここマラウィでは絶対無理!第一、血圧の正常、異常もわからない。測定の仕方もわからない。血圧計が買えない。

そこで、TBAに血圧の測定方法、正常・異常の区別を教え、村人がいつでもすぐに血圧が測定でき、血圧が高い人がいたら、すぐに病院を受診するようにアドバイスができるようにしようと思いました。

早速ンコタコタ病院へ行き、DHO(District Health Officer。県レベルでのヘルスのトップ。)と面会し、TBAに血圧の測定方法を教えてもいいかどうかを確認しに行きました。しかし、待っていた答えは「NO」。「TBAにそんなことを教えたら、彼女らに妊婦健診や分娩介助をやってもいいと言っているのと同じだ。彼女らには、余計な知識は与えなくていい。」DHOのその言葉に愕然としました。

どうにかしてDHOを説得しようと試みたのですが、結局答えは「NO」のまま。仕方なくTBAに血圧測定方法を教えるのを諦め、代わりに私が普段から血圧計(それ以外に救急処置セットも。)を持ち歩き、私が村の中にいる間は、いつでも村人の異常に対応できるようにすることに決めました。

まあ、そんなわけで、日本では医療者じゃなくてもできる血圧測定が、ここマラウィでは医療者だけに限られています。血圧測定だけではなく、やりたいことが思い通りにできないということは、他にも多々あります。そのたびに、それに代わる別の方法を考え、少しずつだけど母子保健事業を進めている毎日です。

つづく

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