エコ・ブログトップへ スマイル・エコ・プログラム

ふたばお知らせふたば


パレスチナ事業のプロジェクトマーネージャー、吉田が12月12日より、

国際協力機構(JICA)の「月刊!プロジェクトマネージャーの一日 」に掲載されました!

聾唖のアーティスト

テーマ:西山
2009-09-15 10:50:05

今年は8月22日に始まったラマダン(日の出から日没まで断食をする月)も、
あっという間にあと約1週間を残すのみとなりました。
冬時間に変わったので、断食時間は午前3時半頃から

夕方の18時頃までの約15時間です。
ラマダンの時期は、太陽暦では毎年約10日ずつ早まるので、

これから数年間は暑い季節の中での断食時間が長くなり、

厳しい条件下での断食が続くことになります。


9月に入って学校も始まり、子どもたちも学校に通いながらの

断食は大変そうですが、断食の終わりを告げるアザーンが始まると、

一気に水を飲み干す様子は微笑ましいです。
(アザーンとは、1日5回の礼拝の時間を告げる朗誦で、

日没の礼拝を告げるアザーンが、断食の終わりの合図となります)


毎日、断食が終わると、家族で食卓を囲み、ご馳走を食べ、

その後は親戚や近所の人の家を訪問します。
私の大家さんの敷地内には、大家さんの男兄弟3世帯(+独身の妹)

も住んでいますが、ラマダン中は子どもたちが夕食のために

互いの家庭を行き来したり、あるいは皆で集まって

一緒に夕食をとることもあります。(全員が集まると、軽く20人を越えます。)


NICCO@パレスチナ


夜、一気にご馳走を食べ、しかも食後に甘いお菓子を取ったりもするので、
昼間断食していてもあまり痩せるということはなさそうです。
断食が始まる前、午前3時頃に軽く食事を取る人も多く、

これも太る原因になりそうですね。
そのまま起きていればよいですが、食べてからまた寝ると、

皆おなかに吸収されてしまいそうです。


こちらの男性はヘビースモーカーが多いのですが、

ラマダン中は日中タバコも吸えないので、これもなかなか大変そうです。
かくいう私も、ラマダンのおかげで、毎日のタバコの量が

普段の2分の1から3分の1まで減りました。


NICCO@パレスチナ


さて、ラマダンとは関係ないのですが、大分前に

ひょんなことでトバスから遠くないジェニンという町で話をする

機会があった、聾唖のアーティストを今日は紹介したいと思います。
ここで紹介する絵は全て彼の作品で、

下の写真で、故アラファト前議長の絵の前にいるのが彼本人です。
(ちなみに、故アラファト議長は西岸では今でも人々に愛され続けており、

西岸にはたくさん彼の壁画があります。やはりアッバス現議長とは

カリスマ性が違うといったところでしょうか。)


NICCO@パレスチナ

きれいな目の、ちょっとはにかみやさんの少年といった感じですが、
彼の周囲には彼と手話でコミュニケーションできる友人たちがいて、

自分の作品を嬉しそうに紹介してくれました。
パレスチナにも聾唖の人のための学校があり、

彼はそこで勉強をしたとのこと。
アーティストとしての活動の他に、散髪屋さんもしているそうで、

その様子も写真で見せてもらいました。


下の絵は、エルサレムの「岩のドーム」ですが、パレスチナ人の

エルサレムに対する思いが伝わってくる作品ですね。


NICCO@パレスチナ


早くパレスチナ人が、自由にエルサレムを訪れることのできる

日が来ることを願わざるをえません。
(現在パレスチナ人は、イスラエル側の許可を取らなければ、

エルサレムに入域することはできません)


そして、これからも彼が暖かい人たちに囲まれて、

彼の活動を広げる機会を得られることも。

同じテーマの最新記事

石鹸ワークショップinヨルダン!

テーマ:吉田
2009-08-25 11:27:05

パレスチナの吉田です。


日本では大雨や湿り気の多い「悪天候」が続いているようですが、
非常に短い雨季(12月~4月頃)にしか雨の降らない

パレスチナにとっては、水の豊富さはやはり羨ましいことです。

トバスでは供水システムがないために、

業者が週に一回貯水タンクに水を供給し、

これをパイプで家庭に引いて大事に使いますが、
今年の夏は供給量を制限しているのか、断水が頻繁に起こります。


さて、NICCOのトバスおよびアンマン事務所では、
地元の女性グループに対する手作り石鹸開発小プロジェクトを

本年の6月から始めました。
トバスの活発な地元女性グループのメンバーを数名集めたグループ、
そしてヨルダンではNICCOが長年サポートしてきた

南シューナの女性グループ「アル・ジャワースレ」を対象に、

この二国の女性たちが石鹸作りについて情報交換したり、
専門家の訓練を受けることにより、

高品質の手作り石鹸サンプルを製造し、
その成果を共有しようという趣旨です。
また品質の高い石鹸が完成した暁には、国際的市場での販売、
そして女性の収入向上につなげることができればと望んでいます。


事業の幕開けとして、7月12および13日の二日間にかけて、

ヨルダンにおいて両国の女性たちが初めて面会し、
各々の経験について情報交換するための

ワークショップが実施されました。


NICCO@パレスチナ

死海付近のホテルで開催された初日のワークショップ


また石鹸マーケティングの専門家を講師に招き、
市場に通用するための石鹸づくりや戦略などについて講義を受け、
参加者は活発な意見交換をしました。


NICCO@パレスチナ
石鹸製造/マーケティングの専門家を招いて行われた2日目のワークショップ


NICCO@パレスチナ
熱心に講義を受ける両国の女性達


この二日間で両国の女性たちの絆と意欲は強まり、
来年初頭のヨルダンでの再会を約束した後、

パレスチナ人女性は帰途につきました。


NICCO@パレスチナ

来年初頭の再会を約束して


さてパレスチナでは、

手作り石鹸のほとんどがオリーブオイルを主原料としています。
このためオリーブの主要栽培地のナブルスには
過去に多数のオリーブ石鹸工場が存在していましたが、
イスラエル軍の攻撃による崩壊で、現在は数軒しか残っていません。
またパレスチナのオリーブオイルはヨーロッパ産に比べて高価なために、
大量生産している工場では、イタリアなどから産業油を購入して
材料としているという皮肉な状況が起きています。
一方、パレスチナ国内では、輸出困難によりオリーブ収穫量が
高い年には大量の余剰オイルが発生しており、
これらを有効活用する手立てが必要という問題も抱えています。


トバスでも、伝統的に家庭単位でオリーブ石鹸を製造したり、
また地元の商店で販売したりと、非常に身近な存在です。
しかし従来のガスと化学工程を使用する

製造方法には危険が伴うため、「コールド・プロセス」という

安全かつ人体と環境にも優しい製造方法にNICCOは焦点を置きます。


石鹸に混ぜる原材料は、国際市場の自然志向に対応すること、
また地元女性が継続して作れるものであることを考慮して、
パレスチナらしい材料を使用することを地元女性と検討しています。

例えばパレスチナ料理に欠かせない

ザアタル(タイム)、シナモン、ローズマリー、肌にいいとされるパセリ、

色合いをだすためのサフラン、はちみつ、アラビックコーヒーなど、
女性たちのアイディアは想像力に溢れています!

また薬効のある植物として、

NICCO事業でパレスチナにおける栽培を試みているニーム

(インド産の忌避植物、アレルギー肌への効果が優れている)や
モリンガ(インド・アフリカに原生する植物、栄養価や肌への効果が高い)

など新たなアプローチも試みています。


8月後半にはラマダン(断食月)に突入し、

女性たちも断食の厳しさの中で集中して作業することが難しくなるために、
ラマダン前に専門家によるトレーニングを終了する予定です。

そして9月のラマダン明けには、

トレーニングで得られた知識と経験を元に、彼女達の想像力を生かした

サンプル製造にいよいよ取組むことになります。
もちろん、NICCOのトバス事務所チームも、

サンプル作りに参加する予定です!


この事業を通じて、女性グループの活動の活発化、
二国間の女性による協力、環境や人体への安全など、
多くの成果が得られることをトバス事務所は期待しています。
事業進捗については時折ブログで皆さんに報告したいと思います。


アル・ベダン

テーマ:吉田
2009-07-21 19:52:08

トバスでは夏も本格化してきていて

昼間は日差しが強く、外に出るのが何ともつらくなってきました。
あと一ヶ月強でラマダン(イスラム教で日中に断食を行う月)に入りますが、
断食と、これに伴う何とも言えない社会的倦怠感を想像すると、
今から憂鬱になってしまいます。


さてパレスチナの西岸地区には海がありませんが(死海を除けば)、
現在西岸に住む多くのパレスチナ人も、
過去に地中海に面する現イスラエル領に住んでいたり、
頻繁に訪問していたわけですから、

やはり夏には水が恋しくなるようです。
トバスのような乾燥地帯付近にも、
泉のある「アル・ベダン」という場所があります。
ここは観光地でもあり、学校の遠足で子供が訪れたり、
また夜や週末には家族連れや若者たちで溢れています。
レストランやアラブ風のカフェがあり、その中を水が流れていたり、
プール(勿論男女別)が隣接していたりするのですが、
食べ物を食べた後にプールに浸かったり、
水タバコを吸ったり、音楽を楽しんだりしています。


NICCO@パレスチナ


このアル・ベダンで、
NICCOオリーブ事業の裨益者である農家と一緒にBBQを楽しみました。

農家が「BBQ委員会」なるものを立ち上げ、

チキン、七面鳥、牛肉や、付け合わせのサラダや

ホンモス(パンにつけるペースト)など担当者を決め、

これを皆で調理しました。
いつも農作業に追われている農家も、

このひと時はリラックスして楽しそうでした。
またアラブ人男性は、家庭で料理をすることを恥じる傾向がありますが、
普段料理する人、しない人が分かり、興味深くもありました。


NICCO@パレスチナ


しかし、避暑地とはいっても、BBQの熱が手伝ってか、やはり暑いです!

NICCO@パレスチナ

ダワーリ

テーマ:吉田
2009-06-23 11:24:33

しばらくご無沙汰している間に、トバスもすっかり暑くなってきました。
こちらの人はコーラが好きで、暑くなると大量にコーラを摂取します。
しかもこれに加えてご存知の通り、砂糖のたっぷり入った紅茶を飲むので、
他人事ながら虫歯にならないのか心配します。
子供たちはチョコレートが大好きですし。
今の時期は、とても葡萄の葉がとてもきれいな季節です。
そこで、今日は、パレスチナだけの料理でもないようですが
(エジプトなどでも、別の名前で料理されていると聞いたことがあります)、
ダワーリという葡萄の葉を使った料理を紹介したいと思います。


NICCO@パレスチナ











写真にあるのは、隣のアイダが庭にある葡萄の葉を使って料理したもので
(葉を摘むのだけは手伝いました!)、ごはんや羊肉ミンチ、
香辛料等を使った具を葉に包んでスープで煮込んだものです。
パレスチナでは非常に一般的な家庭料理で、よく食べる機会があります。
冬の季節には、新鮮な葉がなくなるので、

きれいな葡萄の葉が取れる時期に摘んでおいて、

冷凍にしておいたりもするそうです。
葡萄の葉なので、最初は酸味がきつく感じましたが、

食べ慣れると癖になる味です。
ただ、同じ中身でキャベツに包んで作る料理もあり、

実はどちらかと言えば、こちらの方が好きです。
それにしても、キャベツはともかく、

葡萄の葉というのは1枚、1枚があまり大きくないので
(ダワーリ用にはできるだけ大きなのを摘みますが)、
それに1枚、1枚、具を包んでいくというのは非常に手間隙がかかり、

私には気の遠くなるような作業です。
一つ一つが小さいので、人数の多い家族の分を作ろうとすると、
1回に数十個、或いはもしかして100個以上必要になるわけですから。
ちなみに、写真には、ズッキーニの詰め物も写っていますが、
中身はダワーリと基本的に同じで、なすびが使われることもあります。
この辺の料理は、日本人の口にとても合う気がします。

「奇跡の人、アボ・ゼイト」

テーマ:吉田
2009-05-14 10:57:02

こんにちは、パレスチナの吉田です!


こちらは日中の日差しも強くなり、既に夏の兆しが見え始めています。


NICCOパレスチナ事業の裨益エリアには、アルファーラ

という村が含まれていますが、その代表農家に

アボ・ゼイトさんという方が居ます。

とても体格が良く、いつも笑顔を絶やさない親切な方です。

ちなみにアラビア語では長男の名(=しばし長男の祖父の名)

に馴染んで、「ゼイト」さんの父(アボ)といった呼び方が一般的です。

一週間程前、アボ・ゼイトは早朝に農場で畑仕事をしていた際、

木陰で休憩していると、後方の斜面に止めていた大型トラクターの

ブレーキが故障し、斜面を20m転げ落ちて彼を轢いてしまう

という事故が起こりました。


NICCO@パレスチナ


トラクターの車輪が彼の肩と胸部を縦断するという

非常に深刻なものでした。
この知らせを聞いた我々スタッフは、急遽彼が入院する

ナブルスの救急病院に駆けつけましたが、

本人は「胸に痛みがあるんだ」とこぼすだけで、

我々は唖然としてしまいました。

体格がいいので胸部のレントゲンがうまく撮れず10回もやり直し、
その結果、なんと肋骨一本折れていませんでした!普通であれば、
トラクターに蹂躙されて、即ぺしゃんこにやられていたことでしょう。
事故の直後、ご家族は早朝で医者のいない病院を必死ではしごし、
救急病院にたどり着いたそうです。事故から一週間経過した今日、
アボ・ゼイトは自宅でにこやかに我々の訪問を迎えてくれました。

NICCO@パレスチナ


この逸話に彼を見舞う人々は驚愕し、
「アル・ハムドゥリッラー(神様の御陰で!)」と胸をなで下ろします。

我々も、アボ・ゼイトの全快と、事業への復帰を心待ちにしています。

あなたもエコ・ブログでブログをつくりませんか?